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ノルドストリーム爆破計画?

 著名な調査報道記者、シーモア・ハーシュ氏は自身のブログで、「ノルドストリーム2」の爆破は米国の指図であったと調査記事を掲載。信憑性が高いと話題になっている。一部の記事内容から、説得力あることが理解できる。焦点はドイツのロシア依存をめぐる米国の覇権的牽制という構図、メルケルの親プーチン政策を嫌う米国の戦略(侵攻3週間前にドイツのショルツ大統領はホワイトハウスでバイデン大統領と会っている。かなり具体的な対ロシア戦略を話し合っているだろう)は、米ロ対立戦略としては以前から燻っていた問題であり、左程、驚く計画ではない。特に世界の覇権国家米国はあらゆる手段を常に準備しているのは当たり前とも言える。それを批判しても始まらない。

問題は結果的に爆破計画の有無に関係なく、ロシアの侵攻があったという現実である。米国陥れ論者の、パイプ権益をめぐるロシアの対抗策のように語られるのは、お門違いというものだ。この延長は、「ノルウェーの一人勝ち」でも述べたが、米国と結託して爆破に参加、天然ガス供給の儲けを企んでいたという話まで飛躍することになる。ノルウェーに火事場泥棒の批判を浴びせるには、かなりの無理がある。
結果的には爆破は9月であり、ロシアガスの供給が制限されてきた状況下で、ドイツは根本的なエネルギー獲得戦略を打ち立ててきた経緯からしても、現実はそうなざるを得なかったということだろう。この調査記事において、米国がウクライナ侵攻を招いたとする米国パッシングは、反米、陰謀論者を喜ばすことはあっても、現実を覆すことにはなりえない。これまでの近代史は、米国の武器供与で容づけられてきている事実は、過去もこれからも変らないだろう、残念なことではあるが、これが現実だ。


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