発売初日に重版決定?

 「国益のために戦いつづけた元外交官、覚悟の書」、タイトル『日本外交の劣化 再生への道』山上信吾 著となっている。文藝春秋に限らず過大広告を打たなければ売れない業界事情も判るが、言葉の意味を最大限掘り起こしての情報文化圏で勝負していることを真摯に考察すれば、もう少し本書に対する宣伝文句も文芸圏らしい紹介文であっても良い。これでは、テレビ等でこれでもかと絵面を羅列した商品と同じではないかと吐き気を催す。

定年を全うして退職するのは、サラリーマンの宿命である。どんな過程にあっても踏ん張って辿り着いた一つの岐路だ。それを天下り先を想定外とした状況で吠えても『身を賭して警鐘を鳴らしています』ということにはならない。
昔、小泉政権時に外交方針を巡り直談判の結果、辞職した大使がいた。こういう大使を「国益のために戦いつづけた元外交官」という。
昔、退職してから「日米同盟」云々、地位協定の見直しをやたらと吹聴した外交官もいた。安全地帯での警鐘は、ないよりもよいが強いては人格の問題にもなる。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?