残像日記 9/29

残像日記とは?
 → 前日の内容書いたメモから適当にまとめた日記


うん。書くことはいつもながらないが、元気だ。

大辞林を購入したので、ア行から適当に読んでいって気になった単語について書こうかな。もう書くことが無い日はそうやってどうにかしよう。

アージービカ教
古代インドの宗教教団の一。六師外道の一人マッカリ=ゴーサーラが代表者で、仏教・ジャイナ教と並ぶ勢力があった。徹底した宿命論を説く。邪命外道。

大辞林 第四版

運命が先に決まっていて、人間はそれに沿って生きているだけである。宿命論にも色々あるんだろうが、門外漢から見るとそんなイメージだ。

このアージービカ(アージヴィカ)教という教えは、Wikipediaによれば(つまり正確ではない可能性がある)意志に基づく行為、修行による解脱をも否定している(修行以外の解脱が最終目標ということで、解脱の概念はある)。「業」の思想を否定する宗派ということらしい。

つまり、人間が思考する意味も修行する意味も無いということを言っているわけだ。これは生きる意味は存在しないことと同義として捉えてもいいものなのか。もしそうならどういうモチベーションで信者が増えていったんだろうか。

定められた期間流転するだけということなので、意味がないとして規定したほうが楽に生きられるよ~みたいな感じかもしれない。

マクスウェルの悪魔じゃないが、この宇宙におけるあらゆる粒子や反応は世界の初めに遡って計算していけば推測できるものと言える(これは量子論の不確定性とか全部計算できるとして)。そういう推測で行けば運命論ってのはある意味で正しいのかな。

この宗派はどうして姿を消してしまったのか気になるな。

読んだもの

白井智之『名探偵のいけにえ』を読んだ。う、うわあ~~~~~。なんというか、感想としてはもう「とんでもないことするな」だけだ。

人民教会という新興宗教の信者たちが切り拓いた村、ジョーデンタウンという場所を舞台として物語が展開していくのだが……まあ、人民寺院が元ネタだろう。そして、その場所で何が起こったのかも分かるはずだ。そんな歴史の澱みのような事実からミステリを書く。これは不謹慎だがわくわくする。

多重解決は巨大なのがメインに一つで、全体にばら撒かれるタイプではなかった(もちろん推理パートで様々な可能性がポップアップしては消えていくいつものスタイルは健在だが)。というか今回の多重解決は"無数の真実がある"といった特殊な形のものだった。

その大本命がとんでもない。大げさな表現かもしれないが、天と地がひっくり返るような解答だった。それもその解答が主人公の置かれた状況において、物語の歯車が嚙み合ったような非常に強力なギミックとして作用する。この物語の解答はこれじゃなければダメだったのだ、という完全解答。

序盤から丁寧に伏線が貼られていたが、そんな可能性は思いつきもしなかった。想像の上を行く物語、それもミステリで!傑作って言われていたが、これはそうとしか言いようがないな。



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