どついたるねん『Tune-Up THE D2』リリースインタビュー
2021年8月15日に下北沢Threeにて開催予定のライブが中止となり、どついたるねんは急遽バンドセットではなく、アカペラと打ち込みが主体の配信ライブを行った。女装姿のメンバー3人とふんどし姿の男が映るその映像は、擦り切れそうなビデオテープのようにノイズだらけで、ライブの熱量が高まっていくと、映像はどんどん粗くなっていくカオスな様子が繰り広げられていた。
この配信ライブを見ていた高橋翔がワトソンに連絡を取り、急遽ミニアルバム『Tune-Up THE D2』が制作された。ということで、どついたるねんの3人と高橋にzoomでインタビューを行った。
どついたるねん配信ライブURL
https://youtu.be/Mc4-eAR3Agg
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ー突然連絡が来たんですけど、どついたるねんのミニアルバムが出るんですか？
先輩「出ます！」
ー詳細を教えてください！
高橋「こないだスタジオライブがあって、昔のカズダンスとかのトラックを作り直して、3人でやってたのが良かったんだよ。それでワトソンにレコーディングしたら？って言ったら、次の日スタジオに呼ばれて、録音してて」
ー高橋がプロデューサーなんですよね？
高橋「プロデューサーっていうか、内容は言うことなかったんだけど、歌の感じとか、細かいmixのことを言ったくらい」
ーワトソンは高橋からレコーディングしたらって言われて、どういう流れで作ることになったんですか？
ワトソン「久々に高橋さんからリアクションあったんで、LINEでポンポンやり取りしてて、録っちゃおうぜって言ってくれて、俺も乗っかって、今回のになりました」
ーミニアルバムは8曲にまとまりましたが、ライブではもっと曲をやってたと思いますが
高橋「でもほとんど入ってるよね」
ワトソン「remixしたのと、新曲が入ってます」
ーそもそもあのライブ映像はなぜあんなに画質が悪かったんですか？
先輩「元々うーちゃんの携帯でやろうとしてたんだけど、急遽俺のじゃないとYouTubeに入れないってなって、俺のでやって、あえてwifiが飛んでる高田馬場のスタジオに入ったんだけど、そのwifiが弱すぎて（笑）ビデオ以下の画質で」
うーちゃん「令和じゃないよね（笑）」
先輩「でも逆にそれが良かったって評価をいただきました」
高橋「この時代にあんな配信見たことねーから（笑）」
うーちゃん「おっさんの女装をハイクオリティで見てもきついんで」
ワトソン「お前だけな」
うーちゃん「お前もな！」
ー高橋は配信を見てどう思ったのでしょうか？
高橋「絵は昔のエロビデオのモザイクくらい粗いんだけど（笑）、音はクリアだったんだよね。それで音だけ聴いてて、いいなって。本人らも変に力んでないっていうか、リラックスしてる感じだったからフラットに聴けたのかもしれないね」
ワトソン「そうっすね、自然体で」
高橋「あと補足すると、『ダディ』から10周年だから、こういうご時世でライブもなかなか出来ないから、なんか出したらいいんじゃないかなって。後付けだけど」
ー高橋が関わったのは『ダディ』以来ですか？
高橋「がっつり関わったのは『ダディ』で、『どどどどどついたるねん』まではちょっとやってたけど、その後は自分たちでやってたからね」
ワトソン「なので8年ぶりくらいっすね」
ープロデューサーとして高橋がいることで、心持ちが違ったりしたんですか？
ワトソン「ずっと自分たちでやってたんで、そういうプロデューサーっていうか、どういう風に歌ったらいいですかね？って甘えられたのは楽しかったっすね」
高橋「あと曲順とか、mixのバランスとかね。3人が歌うパートのバランスとか」
ーレコーディングは3人だけ？
高橋「もつお君もいて」
ーサックスはもつお君ですか？
うーちゃん「かっこいいサックスはサンプリングっす（笑）もつおの録音はめっちゃ小さくしてるからわかんないかも」
高橋「もつお君のサックスがプラスチックで出来てて、生で聴くとすげー音すんだよ」
先輩「あれプラスチックなんだって」
うーちゃん「正式にはサックスじゃないらしいよ（笑）」
高橋「サックスもどき（笑）」
ー最近は他のメンバーとスタジオも入ってないですか？
うーちゃん「全然入ってないっすね」
ワトソン「無くなったライブまでは練習に入ってたんですけど、それが無くなって、それから会ってないっすね。1ヶ月くらい」
うーちゃん「昨日ちょうど音源をメンバーみんなに送ったんですけど」
ー反応は？
うーちゃん「冷牟田さんはすげー良かったって言ってくれました」
高橋「冷牟田さんは全部褒めるからな（笑）」
うーちゃん「おもしろかっこよかったって」
高橋「他のメンバーからの反応は？」
うーちゃん「ありがとう！って」
高橋「うふふ」
ー今回のテクノポップサウンドは…
ワトソン「違います」
先輩「インダストリアルノイズミュージックっす」
うーちゃん「違います」
先輩「エクスペリメンタルミュージックです」
うーちゃん「らしいです（笑）」
ーバンドサウンドとの違いはどんなところにありますか？
高橋「3人で出来るのがいいんじゃないの。どういう環境でも。ライブが今年入ってないって言ってたから、どうせ暇になるだろうし。止まっちゃうのは嫌だと思うから、動いてるっていうのは提示した方がいいんじゃないかなって」
ーなるほど
高橋「新しい曲、良かったよ。『８月』とか」
ワトソン「ありがとうございます！」
ー聴かせてもらって、全体的に生々しく感じました
高橋「打ち込みのサウンドだけど、ボーカルはエフェクトかけないで生っぽくしたから」
ワトソン「岩淵さんの生々しいってどういうことっすか？」
ーバンドよりも歌声が生々しく聴こえました
高橋「歌が前に出てるからじゃない」
ワトソン「岩淵さんの嫌いな『ラブパワー』とどっちが好きっすか？」
ー『ラブパワー』は好きじゃないから（笑）
うーちゃん「ワトソン、根に持ってるな」
ワトソン「普通におもろいから」
先輩「なんで嫌いなんすか？」
ワトソン「もさいからでしょ」
うーちゃん「女々しいからでしょ」
ーサウンドはかっこいいと思うんだけど、曲が好きじゃないのかな
ワトソン「そっちの方がきついっす（笑）」
高橋「たくさん作ってるから、そういう曲もあるよ（笑）」
ーメンバーも集まりづらい状況ですが、最近のどつはどうですか？
ワトソン「うがいがうつ病っす」
うーちゃん「こいつすぐそういうこと言うから嫌なんだよな（笑）」
ワトソン「こないだ２人で飲んだんですよ」
うーちゃん「バンドやる気ないわって言って。気分が落ちたからじゃなくて」
高橋「モチベーションが下がる時期みたいな。急にシリアスな話になったな（笑）」
うーちゃん「今の自分がおもろいかなって」
高橋「グループでってこと？」
うーちゃん「両方っすね、バンドが今おもろくなってんのかなって。コロナとか関係なく」
高橋「ライブが無くなったりとかもあるんだけど、リアクションとか反応が拾いにくいのもあるんじゃない？」
うーちゃん「それもあると思いますけど、こんなシリアスな話は嫌なんすけど（笑）」
ワトソン「逆にうがいしかこの話はできないよ」
ーワトソンはそんなうーちゃんに何て言ったんですか？
ワトソン「うがいがそう言うのは珍しいんで、なだめましたね」
うーちゃん「長い目で見ればって言われて」
ワトソン「偉そうな話じゃなくて、うがいがコロナの影響じゃないとか言ってるけど、実際にそれでライブが飛んだりしてるから、それでダメージを受けてるって自分でも思ってるから、そういう意味で長い目っていうか、今はインプットする時期かなって。それでも今回も出すし」
高橋「アウトプットしてるじゃん（笑）」
ワトソン「こないだのアルバム、6月なんすよ」
高橋「結構出してるな！」
ワトソン「一個一個丁寧にやってるから、しょうがないんじゃないか。やっぱ8人でコンスタントにやっていくのは大変だから。今回は3人で出来たのは俺はすげー良かったっすけどね」
うーちゃん「まあ色々考えちゃうなって。やっぱライブないし、暇だし」
ー暇なんだ
高橋「何も予定ない日ってどんな感じなの？」
うーちゃん「シコって、飯食って、夜はランニングして」
先輩「『最強伝説 黒沢』じゃん（笑）」
うーちゃん「一日を潰すのに必死で。まだ8時かーって」
ワトソン「家で飲まないの？」
うーちゃん「飲んでるよ、5時から」
ワトソン「早えよ！」
どついたるねん 「Tune-Up THE D2」trailer
ー話は変わって、それでは、アルバムのそれぞれの曲について話してください。１曲目が『Mr.August』
高橋「これが新曲の『8月』だね。配信ライブではアカペラでやってて。どういうところから着想があったの？」
ワトソン「8月の日記みたいな感じっす。ひと夏の日記みたいな」
高橋「歌詞の最後で坂本君遊ぼうって歌ってるけど」
ワトソン「元メンバーの、こないだインタビューしてもらったんですけど。遊びたいなと思った時に、コロナだし、気軽に誘えないなと思って、歌にしました」
ー２曲目の『Summer Hands -ugai on the beach mix-』
高橋「タイトルは全部英語表記にしたんだけど、『夏の手』。バンドと違って面白いなと思ったんだけどね」
ワトソン「これもうがいと飲んでる時に、ドラムンベースっていいよなって話になってて」
うーちゃん「全曲ドラムンベースにしようかって」
ワトソン「ドラムンベースって軽くなるじゃないすか、スカスカになるのが俺らと合うんじゃないかって」
高橋「昔の毎日動画時代にもこういう曲ってあったと思うけど、精度は上がった気がするな」
うーちゃん「サッドモンスターとか。ガシャっとしたのが好きだし、おセンチな曲もドラムンベースになればカラッと聴けるのがいいなって」
ーでは、３曲目の『Shallows Room -KENZO forever mix-』
高橋「これは遠浅の部屋のremix。個人的にはすごい好きで、最初に聴いた時はDragon Ashの『Fantasista』だと思った（笑）」
うーちゃん「雰囲気は『夏の手』と一緒ですね」
高橋「早いブレイクビーツって一番かっこいいから」
うーちゃん「気持ちいいっすよね、歪んだギターが鳴ってれば様になるなと思って、作ってて楽しいなって感じがしましたね」
ワトソン「それが一番だ」
ーはい、４曲目の『Believe Me』
高橋「これはうがいの曲」
うーちゃん「そうっすね」
高橋「これ新曲だよね、歌メロもいいし、歌詞もいいし、うーちゃんには失礼だけど、ワトソンに歌わせて仕上げたいなと思ったけど、うーちゃんのボーカルのキーと、ワトソンのキーが合わなくて歌えないって現象が起きて」
うーちゃん「大体そうなんすよね、俺が仮歌入れてワトソンに送ると、正解がわからないって。でも翔やんが褒めてくれて嬉しいっす」
ー次の５曲目が『IQ7 -viagra 100ml mix-』
先輩「これは歌い方もドイツを意識しました」
高橋「そうなんだ（笑）」
先輩「Viagra Boysのサンプリングなの？」
うーちゃん「ほぼまんま」
先輩「それもあってサブスクには出せないし、買った人だけが楽しめる」
高橋「IQシリーズって最初はいくつだったの？」
ワトソン「４かな」
高橋「最大はいくつになったの？」
先輩「130っすね」
高橋「ギャハハハ」
うーちゃん「メンサだね（笑）」
ー6曲目が『KAZU DANCE -1998 road to france mix-』
ワトソン「これはレコ発を7月10日にやる時に、何か打ち込みでカラオケの曲もやろうって言って、カズダンスを打ち込みにしてうがいが作ってたんですけど、結局ライブではやらなかったんで、配信ライブでやったら、3人形態がハマったのかなって」
高橋「カズダンスも幾つもバージョンあるよね」
うーちゃん「アレンジめちゃめちゃありますね」
高橋「カズダンスだけで一枚作れるね（笑）」
ーでは次の７曲目『My Best Friends REQUIEM』
高橋「これは配信で見た時にパンチあったな」
ワトソン「NHKスペシャルのテーマソングの『パリは燃えているか』って曲があって、8月に終戦記念日の番組をいっぱいNHKでやってて、それこそこの国に、この時代に生まれたことがどれだけ恵まれてるのかって考えたんですよ」
高橋「めちゃめちゃ考えてるな。そんな気持ち込めてるんだ」
ワトソン「本当に笑い事じゃないなって思ったんですよね」
高橋「冒頭の先輩の語りの元ネタはB’zの『LOVE PHANTOM』だな」
先輩「そうっすね。そこが翔さんのプロデュースしたところっていうか」
高橋「いつか先輩にCMのナレーションの仕事がきてほしい」
ー最後の8曲目は『English Man』
高橋「これって今まで音源になってるっけ？」
うーちゃん「デモにしか入ってないっすね。これも結構古いっすけどね。3年くらい前かもしれない。唯一アレンジをしないまま、歌もさらっと歌ってるかな」
高橋「最後にこれがあることによって、あとぐされなく終わるよね。エンディングっぽい感じで。ライブでやったらめちゃめちゃいいよね、この曲」
ー今回はダウンロードコードの付いたステッカーとして発売されるみたいで、直売会もやるようなのでどついたるねんのTwitterで情報はチェックすればいいですか？
先輩「そうっすね、色々やります」
高橋「弘樹とは全然会ってないけど、今日なに食ったの？」
ーかつ屋
ワトソン「これでまとめてください」
2021年9月12日 zoomにて
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どついたるねん「Tune-Up THE D2」
特殊ジャケット DLコード 価格￥1800
1.Mr.August
2.Summer Hands -ugai on the beach mix-
3.Shallows Room -KENZO forever mix-
4.Believe Me
5.IQ7 -viagra 100ml mix-
6.KAZU DANCE -1998 road to france mix-
7.My Best Friends REQUIEM
8.English Man
○「Tune-Up THE D2」トレーラー
○9月18日からどついたるねんBASEで販売開始（店舗での販売も予定しています）
○9月20日 15時から中野セントラルパークにて、レコ発直売＆ミニライブ開催！
○最新情報はどついたるねんTwitterでチェックしてください
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