ディメンジョンゲート

可愛くなりたいって、似合いもしない願望を買ったのはいつだったっけな。もうその頃には既にネット世界にどっぷり浸かっていて、Twitterの徘徊もするようになっていた。返品はできないから今もそれを愛でているけれど、時々逃げ出して家を出てしまう。そのたびに探し回るんだけど、願望は泣きわめきながら走るものだから近所迷惑で。しかも素早いから、そう簡単にはとらえられない。随分私になついてくれているみたいで、最近は外の世界にも興味があるみたい。世話の焼ける願望。

可愛いとされる何かを見ていだくのは、『かわいい!』と『こんな風になりたいな』の二つ。自分がそんな風になれるはずはないのだけど、あんな服やそんな服だって着てみたいし、着こなせたら最高だし、それに愛されたいし。ただただ可愛いって、言ってほしいんだけど、それは難しいんだよね。この数年間で学びました。

褒められた日には調子に乗って鏡を見て、でも全然じゃんって落胆して、そんなもんかなと思うんですけど、それでも諦めきれなくて。この願望をどこで買ったかは忘れました。そういえば、あの日はどこにも行ってなかったんじゃなかったかな。ってことは、買うまでもなくこれは元々私の中にあったものか。

そのうち注ぐ愛も消えてしまうかもしれないけど、今はこの願望を愛でていようかな。可愛い服を気兼ねなく買える世界、どこかにないかな。ポッと出てくるわけでもないので、自分でそのうち探しにいけたらなぁと思います。それでは。

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