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『零下』後書き

 後書き、という名のイメソン解説。毎度のことだがセトリが組まれているので僕は楽しかったです。音楽を聴きながらの執筆はできないんですけど。なお今回イメージソングに採用している楽曲は多くがヨルシカの音楽画集「幻燈」に収録されている曲です。「幻燈」は特殊で、サブスク展開がなく、画集の絵をスマホで読み込んで楽曲を再生する仕組み。作品の世界に深く感じ取りたい方には音楽画集「幻燈」を手に入れることを強くお勧めします……なんて書くと案件かと思われますが安心してください。僕がヨルシカに片思い

    • 宮下愛は火属性 後書き

       完結したので(最終巻を頒布できたからの方が合ってる)いつも通りあとがきを認めます。 そもそも 岩しろの描く作品って"日々の疑問が形になったもの"だと思っていて、裏付けとしてAqours時代に書かれた話がまんまそれであったりするわけで。  「ルビィの掌握」「悪魔の珈琲」  →ルビィが狙撃手になる話。力を全うしなかった自分の主観的な物見と客観的な評価且つ法に基づく待遇への。  「お隣が事故物件でありまして。」  →脳死した千歌と心臓病の千歌母のファンタジック。死人からの目

      • 7/7

         祖父を亡くす。七夕の夜だった。愛していた。  父は祖父に当たりが強い。反面教師ではないけれど、その現場を見る度に胸が痛んだ。  嫌いだったと思うが、いざその時が訪れ「自分は馬鹿だった」と悔いを滲ませている姿を目にして考えは変わる。単純だろうか。  祖父が毎日手記を認めていたのを知ったのは二、三年のこと。「何をしているの?」僕が問うと祖父はその日の天気、お金の回り、出来事を手帳に書き記していると言った。棚には十年分の日記が堆く積み上がっている。それよりも昔から続けていること。

        • 12

           毎年毎年、思うことは「長かったな」の一言に尽きる。そうして漠然と、雲一つもない快晴の空に覆われればいいなという楽天的な望みに駆られる。  もう十二年も経つ。干支が一周する時間はやっぱり長い。小学校五年生の僕が何をしていたのかは今となっては忘れてしまったけれど、進級前に味わった長い長い横揺れは鮮明に覚えている。  運悪く机が近くに無くてみんなで教室の真ん中に集まった。金曜だったこともあって中履きも袋に入れていたから、靴下のままで外に飛び出して校庭に避難した。そのうち先生が誰の

        『零下』後書き

          月光アナタ 後書き

          ピアノが鳴る。 スクリーンに映し出されるのは夜の天鏡台。 vocal ayumu 真上からは煌々と月光が差す 「君の中にいるのは誰なんだろう 僕が生み出したのは何なんだろう 君が水面で揺蕩っている  手を伸ばしても透過する水面は揺蕩っている 水面は揺蕩っている まっすぐには捉えられない 僕の水面は君で埋まっている」 piano YU 何一つ説明できないんだ 創作に込めた感情も、僕のために僕が淘汰した情動も、何一つ表現出来ないんだ 月光が水面で揺ら

          月光アナタ 後書き

          タレナがし

          冬はスノーボードに行くのが趣味だが、大抵乗り気ではない。それでも今シーズン最後のボードはどうしてかやる気に満ち溢れていた。でもそんな時に限って技が上手く決まらなくて少しだけ落ち込んだ。雪質のせいと友人は言ったが、そのせいにはしたくない。また来シーズン行こう。シーズン券は要検討。 ヨルシカのライブ「月光再演」に友人と行った。2年前のリライバルが告知された時から凄く楽しみにしていた。ヨルシカのライブは傍観でいい。これは僕の個人的な考えだけど、拍手はもしかしたらいらないのかもと思

          タレナがし

          後書き

           「春凪詩」、「はるがすむ」をお読みいただき、ありがとうございました。これは作品読者向けの後書きになります。なんのこっちゃ分からないでしょうが、それでも良い方はそのままスクロールしてください。  夏と秋の文字を過去に書いたことがありました。その時に次は冬か春だなと考えており、あることがきっかけで春を選びました。  構想は2020年9月。執筆開始が2021年1月。完成が同年9月。丸一年かかった難産ちゃんです。プロットノートも埋まりに埋まりましたね。  既出の通り、春が書きたか