実名投稿の恐怖との戦い

英語講師オーディションに出場して多くの方々から認識をしていただけた。

その中で、同じ「岩」から始まる名前の男がいた。

その男に認めてもらった時のことは今でも忘れない。

自分が英検1級に初めてチャレンジした2021年5月末。

リーディングの力なのに、語彙が占める割合が高すぎるだろうと思い、等分配点とは思えない、という趣旨の投稿をしたところ、その男が色々と教えてくれた。

そして、英作文のお題であるeconomic sanctionsが何か分からない、という低レベルなミスを犯し、「敗北!」を宣言した。

その「敗北!」宣言を偉く気に入っていただいたように感じている。

その頃その男はじゃこ天うどん!食いてぇを連発していた。
愉快な方だなぁと思いながら自分も食べたくなった。
ジャコパストリアスのことも思い出していた。


時が過ぎ、自分が連載をしている雑誌の英文解釈演習室というコーナーにその男は毎回チャレンジをしていることを知った。
恥ずかしながら、それまでそのページを読んだことがなかった自分は、その男が真剣に取り組んでいる様子に感銘を受けた。

その英文解釈演習室に挑戦している方々よりも一歩早く雑誌を手に入れられることに気がついた。
いつも楽しそうに挑戦した内容を議論している様子を何気なく羨ましく見ていた自分は「希望者だけ順位を投稿しましょうか?」と幼稚園生で言うところの「あそびに混~ぜ~て」とお誘いをしてみた。

彼らは快く自分を少しだけ仲間として受け入れてくれたように感じた。
何も挑戦していないのに仲間として扱ってくれる彼らの優しが心に染みた。

ある日、その男から英文解釈に挑戦をすることを求められた。
自分の立場、自分との距離感を気にしてくださいながら、そんなに強引でもない誘い方に挑戦してみてもいいかなぁに思った。


初めての挑戦は「そんなに難しいのだろうか?」という未経験者故の無知に満ちていた。

訳を作り始めると、それまで経験したことのない奥の深さを味わうこととなった。
背景知識を調べ、その映画を手に入れようと試みたりしながら、Hi ya guys!に自分の想いを詰め込んで訳文を完成させた。

結果はAと初回にしては上出来かなと思うものだった。



そして2回目のチャレンジとなった2022年2月号。
この時のお題を通して、自分は死というものを考える機会をいただいた。

誰もがいつか迎える「老い」と「死」について真剣に調べ、考え、自分の将来について考えた。

ちょうどその頃余命10年を医者から宣告され(痩せれば良いだけ)生死について意識をしていた自分にとって、このお題を通して学んだことは単なる英文解釈を越えていた。




年齢を越え、立場を越え、皆が一つの英文に対して全力で挑戦する。

その挑戦した振り返りを皆で行い、そこには真剣に取り組んだ者にだけ与えられる絆が存在する。



自分の授業を見せる。
自分の英語力をさらけ出す。
自分のプライベートを公開する。

どれも決して安易にできることではない。

でも、そんな自分のダメな部分も含めて受け入れてくださる仲間が存在している。

ダメな部分を含めた自分を、快く受け入れてくださり、反応をしてくださる方々が存在する。


自分のもう一つの居場所。

匿名ではない生身の自分をさらけ出す勇気は、これまで出会った皆さんが与えてくださったものである。

損得などではない、人と人のつながりが与えてくれるもの。

そんなかけがえのないものを求めて、これからも挑戦していきたい思う。

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