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「PROTOTYPING 2050」 - ④拡張されていく社会

拡張されていく社会には様々な可能性があります。
これからの未来は、何が中心になって何がバランスを保つか保つかによって様々なシナリオが予期されています。


拡張機械社会

・AI中心
※経済価値と社会価値の両立が困難

拡張生物社会

・人間と環境中心
経済価値と社会価値の両立が可能

また以下の技術によって、人が多くの可能性に適応することが可能となります。現在は各領域において、社会実装を見据えた検証が展開されています。


それぞれの技術基盤

バーチャルリアリティ (Virtual Reality, VR)

バーチャルリアリティは、ユーザーがコンピュータで生成された3Dの仮想環境を体験できる技術です。VRヘッドセットや特定のセンサーを使用して、ユーザーは実際にその場にいるかのような感覚を得ることができます。主にゲームやエンターテインメント、訓練シミュレーションなどに使用されています。

ロボット技術
ロボット技術は、機械や自動化されたデバイスを設計、構築、運用する技術です。これには、センサー技術、アクチュエータ、人工知能などが含まれます。ロボットは、単純なタスクから高度な手術や探査活動まで、多岐にわたる用途で利用されています。

ウェアラブル技術
ウェアラブル技術は、個人が身に着けることができるデバイスやガジェットを指します。スマートウォッチやフィットネストラッカーなどがこのカテゴリーに該当します。これらのデバイスは、健康管理、通信、エンターテインメントなどの目的で使用されます。

脳情報デコーディング (Brain-Computer Interface, BCI)
BCIは、脳の信号を読み取り、それをコンピュータや他のデバイスに伝える技術です。これにより、思考だけでコンピュータを操作することや、障害を持つ人々が通常の生活を送るための補助として使用することができます。

画像解析
画像解析は、デジタル画像の内容を評価し、理解するための技術です。これは、オブジェクトの識別、顔認識、動きの検出など、多岐にわたるタスクに使用されます。医療、セキュリティ、エンターテインメントなど、さまざまな分野で応用されています。

機械学習 (Machine Learning)
機械学習は、データから学び、そのデータに基づいて予測や決定を下すアルゴリズムの研究です。これには、教師あり学習、教師なし学習、強化学習などがあります。機械学習は、自動運転車、音声認識、推薦システムなど、日常生活の多くのアスペクトに影響を与えています。



人間拡張の技術が使用されている代表的なものが、「パワーアシストスーツ」となります。これはその名の通り、人間の動作をサポートする装着型の機器です。取り外しが可能で、重い物を運搬する際、腰や腕への負担を軽減することが可能となります。現在は、主に運搬作業、物流、農業など活用されています。

介護施設では、高齢者の介助や作業ぼ効率化に役立てられています。
同時に介護業界の人手不足や生産性の向上にも繋がっています。

その他にも代表的なものでいうと義手・義足も当てはまります。

義手・義足

事故や病気により失われた手や足を補完するための技術。最近のものは非常に高度で、使用者の筋肉の動きを検知して動作するものもあります。最新式のものが昨今でも多く開発されており、義手・義足の概念が以前に比べて大幅にアップデートされています。

眼鏡型ディスプレイ(ウェラブルディスプレイ / スマートグラス)

眼鏡のようにかけることで、情報を目の前に表示するデバイス。拡張現実(AR)技術を活用して、リアルタイムで情報を提供できます。

脳機マシンインターフェース(ブレインマシーンインターフェイス/BMI)

脳波を読み取って機械を制御する技術。脳の信号を利用して機械やコンピュータを操作することができる。

ブレインマシーンインターフェイス (BMI) とは

ブレインマシーンインターフェイス (BMI) は、脳の信号を読み取り、それを外部のデバイスやコンピュータに送信する技術です。これにより、思考だけでコンピュータを操作したり、義手や義足を動かすことが可能になります。これは特に身体の障害を持つ人々にとって、日常生活の質の向上やリハビリテーションの一環として有用です。

動作の仕組み

  1. 信号の取得: 脳からの信号は、電極を使って直接脳から(侵襲的)、または頭皮の上から(非侵襲的)読み取られます。侵襲的な方法は精度が高いですが、手術が必要です。

  2. 信号の解析: 脳からの生の信号は、特定の動きや思考を示すパターンを識別するために解析されます。

  3. 変換と伝送: 識別された信号は、外部デバイスを操作するための指令に変換され、該当するデバイスに送信されます。

主な用途

  • リハビリテーション: 脳卒中や事故の後、失われた身体の機能を回復するための訓練に使用されます。

  • 通信: 話す能力を失った人々が、思考だけで文字を入力したり、コンピュータを操作するために使用されます。

  • 義肢の制御: 脳の信号を使用して、義手や義足を動かすことができます。

  • 娯楽: ゲームや仮想現実のインターフェースとしての使用も研究されています。

注意点

人間拡張の技術は非常に有望ですが、それに伴うリスクや倫理的な問題も考慮する必要があります。プライバシーの侵害、技術の不平等なアクセス、身体や脳への長期的な影響など、多岐にわたる課題が存在します。技術の発展とともに、これらの問題に対する対策やガイドラインの整備も必要となります。

次回は、上記のブレインマシンインターフェース(BMI)についてさらに深掘りしていきたいと思います。


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