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2020年度IVR専門医試験 解答・解説

第19回(2020年度)のIVR専門医試験の解答・解説を作成しました。

問題用紙は日本IVR学会Webサイト(https://www.jsir.or.jp/docter_test/oldtest/)からダウンロードしてください。

初版なので間違いがあると思います。適宜修正していきます。

1 .
男性の放射線業務従事者の実効線量限度で正しいのはどれか。
a.10 mSv/ 5 年かつ 5 mSv/年
b.50 mSv/ 5 年かつ 20 mSv/年
c.100 mSv/ 5 年かつ 50 mSv/年
d.200 mSv/ 5 年かつ 100 mSv/年
e.500 mSv/ 5 年かつ 200 mSv/年

解答 (c)
頻出問題。

2 .
初回IVR時の推定皮膚線量でそれを超えた場合には皮膚の経過観察が必要とされ るのはどれか。
a.200 mGy
b.500 mGy
c.1 Gy
d.3 Gy
e.5 Gy

解答 (d)
最大皮膚線量が3Gyを超えた手技では10-14日後に再診察を行う。

3 .
血管造影装置を使用する際の放射線被ばく防護で誤っているのはどれか。
a.照射野を絞ると術者の被ばくは減少する。
b.拡大透視を用いると術者の被ばくは増加する。
c.X 線管を患者から離すと患者の皮膚線量は減少する。
d.検出器を患者から離すと患者の皮膚線量は増加する。
e.斜位の撮影では X 線管側より検出器側で術者の被ばくは減少する。

解答 (b)
拡大透視では照射線量は増加し患者の(単位面積あたりの)皮膚線量は増加する。照射面積が減るので術者被曝は大きく変わらない。

4 .
HIT(ヘパリン起因性血小板減少症)で正しいのはどれか。2 つ選べ。
a.約半数で血小板減少による出血を来す。
b.ヘパリン投与を中止してワーファリンを投与する。
c.ヘパリン使用の数週間後でも発症するリスクがある。
d.I型はヘパリン依存性自己抗体(HIT 抗体)に起因する。
e.急速発症型では過去 3 ヵ月以内のヘパリン使用歴がある。

解答(c), (e)
a.× 血小板減少と血栓が主体。
b.× HIT治療薬としてはアルガトロバンのみ承認。
c.○ 遅延型は中止後数週間後にも発症する。
d.× I型はHIT抗体は関係ない。なお治療も必要ない。
e.○ 急速発症型では過去3 ヵ月以内のヘパリン使用歴がある。


5 .
6,000 単位のヘパリンを経静脈的に投与した 60 分後にプロタミン硫酸塩で中和 した。プロタミン硫酸塩の適切な投与量はどれか。
a.10 mg b.30 mg c.100 mg d.300 mg e.600 mg

解答 (b)
通常ヘパリン1000単位に対して10-15mgのプロタミンで中和する。ヘパリンの半減期は1時間程度。ヘパリン6000単位の投与後1半減期後で3000単位に対して30-45mgが適正。

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