見出し画像

日欧地域間イノベーション協力事業ウェビナーシリーズNo.6  アドバンスト・エア・モビリティ ~空飛ぶクルマ~

9月28日9:00-10:30(日本時間)に開催された欧州連合日欧地域間イノベーション協力プログラムのウェビナーは「空飛ぶクルマ」つまり垂直離着陸機(eVTOL)の開発・普及に向けた欧州と日本の取り組みが紹介された。

まず基調講演で欧州委員会のユッカ・サヴォ航空安全・ドローン・AI・デジタル化担当主席管理官がEUの進める「空飛ぶクルマ」の開発支援プログラム」(欧州では「innovative air mobility」と称する)を紹介した。同氏によれば、この分野において注目すべきEUの政策は、現時点では「U-space」と「欧州ドローン戦略2.0」の二つである。前者は目視外空域への無人航空機の安全で効率的なアクセスを提供するために設計された一連の新しい革新的サービスである。(例:交通情報サービス、飛行許可サービス)。「欧州ドローン戦略2.0」の説明では、大規模な無人航空機市場の創設を目指す19のアクションが示された。

海外からパリへの進出推進を目的とする非営利組織Choose Paris Regionのモビリティ分野の責任者であるロマン・エルニー氏は、パリ都市圏におけるeVTOL普及に向けた取り組みを説明した。同都市圏では地下鉄の増便や新駅の設置等、大規模なインフラ整備が現在進んでいる。エルニー氏によれば、それに合わせて同都市圏ではeVTOLのロードマップ(対象期間:2021~2028年)が策定され、150の候補の中から30団体が選ばれ同技術の育成に努めている。パリ2024オリンピック・パラリンピックは同ロードマップのマイルストーンの一つとされ、2024年までにパリのセーヌ川沿い等5か所にvertiportの開設とルートの運航が予定されている。

大阪府の取り組みは、大阪府 産業創造課 参事 貞末和子氏より共有された。大阪府では、多面的なアプローチでこの新たな産業の育成に取り組んでいる。貞末氏は、政策立案者、事業者、その他のステークホルダーが集まり、適切な規制、ビジネスアイデア、社会的受容を生み出すアプローチについて議論する官民協議会「大阪ラウンドテーブル」について説明した。 続いて同氏は、大阪府がvertiport建設、試験飛行、調査研究などのために準備したさまざまな補助金について共有した。大阪府は社会受容性の向上は重要と考えている。大阪・関西万博(2025年4月13日~10月13日開催予定)での運航が想定されている機体やルートについても紹介した。
大阪府空飛ぶクルマコンセプトムービー:
https://www.youtube.com/channel/UCzHXysYoxxf4sSyvqcPqncw
大阪府の発表資料はこちらから。

最後に日欧地域間イノベーション協力プログラムのこれまでの活動をまとめたビデオが上映され、ウエビナーは閉会した。

こちらの記事は2023年10月11日にIURCのウェブサイトに掲載されたNewsの和訳です。原文はこちらからご参照ください。