5分前行動

この歳になって思うけど、5分前行動ができないやつって友達にいると困るよね。いや、遊びに行くときに困る！とかそういう話じゃなくてね。だって遊びに行く時はファッショナブルレイトとかそんな言葉もあるわけだから多少遅れてもまあ友達なら許せるんだけどさ。

五分前行動できない奴が困るのは大事な集まりの場面なんだよね。バイトの面接、サークルの集まり果ては少人数の授業まで。そいつ1人で遅れてるなら全くいいと土間思うんだけど、友達と約束してたらもう大変。マメな人だとそれだけでそいつのこと嫌いになっちゃうかもしれない。

でも、俺はメチャメチャわかる。

なぜなら、俺がそういう人間だから。

そもそも感覚的に遅れることを悪いと思ってないし、遅れた時に周りに生じるデメリットを想像することができない。自分の主観が全てだから自分の見える範囲内だと10:00も10:06も同じ世界に見えてしまう。ほんとにみんなごめんね。

だけど言い訳がないかと言われるとそれも違うんだよね。まず、大学生になって強制力を持って自分の遅刻を管理する人間がいなくなったのが一番でかい。高校から一人暮らしだったけど単位ヤバけりゃ毎日ママが電話してくれてたし、なんなら担任もモーニングコールしてくれてた。サポートのバックアップが超充実してたんだよね。

第2に、ちゃんと起きてるけど、間に合わない時もある。これ絶対分かる人いると思うんだけど例えば俺なら8:50の1限のためには最低でも8:15に目覚めればまあ学校には行けるわけ。土間でも、それがもし昨日風呂入らないで寝た次の日の朝だったら？？？

朝風呂絶対入りたいじゃん！！

でも風呂入ったら微妙に遅刻しちゃうかも！どうしよう！って思いながらインスタを見る時間がまず5分くらいあるわけ。思考と行動が両立できないタイプね。結局8:20になって風呂入ると絶対に間に合わないけど、臭い方が渋いと思って入って遅れるのね。このロジック。超大事。

あとは似てるんだけど早く起きた日ほどだらけちゃうやつ。運良く7：30に起きても「いつも出るの8：30だから1時間暇だ！ヤッターーーー！」ってなって何もしないまま8:30を迎えるやつ。これもかなり多い。どうにかしなくちゃいけないよね。この遅刻癖。

たかが寝坊。されど寝坊。大和のサムライ魂を受け継ぐ漢ならば、己の行動に責務が伴うことは重々承知の事実で候。

まず基本的な行動パターンを見直してみる。おれの遅刻で最も多いのはアラームかけ忘れ睡眠パターン。土間この基本的でシンプルな問題に対しては意識しろとしか言いようがない。

案外厄介なのは、早く起きて無駄なことしちゃうパターン。これは意識とかじゃなくて気付いたらなっちゃってる。だって、無理じゃない？何かに夢中になってたら、時計なんて見ないもん。Netflixもインスタも、Twitterも。

ふと時計を見上げる。

刹那ー

ドゴォォォォォォォォン！！！！

けたたましい爆発音と共に砂埃が舞う。爆風の衝撃で頭を打ったのだろうか、耳鳴りがひどい。煙の中に人影が見える。道路の向こう側。

目が合い、男はニヤリと笑った。

その影はユラリユラリと私に近付いてくる。ここからすぐに逃げなきゃいけないことなんて分かっているのに何かに取り憑かれたかのように体が言うことを聞かない。(ダメだ、コイツだけは関わっちゃあいけねえ。第六感-シックスセンス-がビンビン伝えてきやがるッ！)

首筋を流れる一筋の汗と、張り詰めた緊張感。

不安を感じている暇があるなら家を出ろ！と全神経と細胞が告げる。

それでも離れられない、恐怖のあまり布団に身を隠そうとした、その瞬間！

まばたき。

男は私の耳元でこう囁いた。

「ブログ書いてる間に、土間で飲み会はじまってるンゴwwwぶっふぉww滑稽滑稽wwww」

笑いがこみ上げる。俺が恐れを抱いていたコイツはおれの潜在意識だったってわけか。今思えば、何度も約束を思い出したタイミングがあった気がしたなぁ。

ハハッどうしようもねえか。

自嘲気味に笑みを浮かべながら、街に向かうその背中は、少しだけ頼りない気がした。

やべえーうんこしてたら遅れる