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今日は22歳の誕生日だった。誕生日だからといって、特別な日になるわけではない。眠たい中起きて、いつもより少し混雑した満員電車に乗り、仕事をして、少し贅沢に一風堂のラーメンを食べ、授業を受けて帰る。そんな1日だ。 私にとっての誕生日は365日の中で1日だけだけど、他の人にとってはなんてこともないただの火曜日の今日。こうしていつもどおりの日を送ると、私ってほんと、何者でもないなって思う。 なんでもない、平凡で、教科書に名前がのるわけでもないただのひとりの人。それを20代
17時を回る秋葉原は、金曜夜ということもあり人が多かった。大勢のうちの一人として、横断歩道を渡る。 どうしてそんな秋葉原に来たかというと、現像した写真を取りに来たからだ。初めてのフィルム現像。どんな写真ができているか、ワクワクしながら店に向かった。 · · · きっかけは、夏の帰省。少し様子が変わった家の中、私の部屋は荒らす人がおらずきちんと片付いていた。本棚の上に、ちょこんと置かれた黒いものがある。気になって手に取ると、それはカメラだった。 こんなカメ