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#血肉

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日々の出来事を地肉に換える、ノンフィクションです。
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#血肉になりえる言葉たち

#引き笑いって静かでいいな

区役所に向かうバス。 斜め後ろにいるお年寄りが 楽しそうにお話しされている。 お友達同士、 いつまでも話題が尽きないようで、 おひとりのおばあちゃんが 何度も引き笑いして、 私も意味なくつられそうになる。 「たっ、はーー(声にならない)」 「笑う男」を思い出した。めちゃめちゃイケてるという バラエティ番組のひとネタで、 一見、真面目なドラマ仕立ての脚本から、 一転、どこからともなく濱口優さんが現れて ただ、笑う。他のメンバーの さっきまでの真面目な演技をちょけたりして

#略語

私は言語学者でもないし、 他人を納得させられるほど、 言葉の歴史を紐解けるほどの深い知識も無い。 どことなく、 個人的には否定的な思いの方が強かった事柄。 頭の中を整理しているうち、 到底、 頭ごなしに否定できるものでは無いと感じる、 日本人の言葉遊びについて。 インターネット検索すれば否定意見で溢れるほど、 「何でもかんでも  略せばいいってもんじゃないよ」 と耳にしたものだが、 「ファミコン」で始まった略称人生。 私は、全く以て否定できる側に居ない。 ただ、受け入れ

#名前の由来

小学生のとき、自分の名前の由来について、親に聞いてくるように宿題が出た。そんな小さい頃なら、同級生たちは「え~何だろう~」などと口々に言い、親の回答を楽しみにしただろう。私はすでに母から散々に聞かされていたため、そのくだらない宿題には、心底うんざりした記憶がある。 仕事柄、母の交友関係は広い。自然と私も小さい頃から色んな知り合いに可愛がられた。大人になって地元に帰っても、気が付けば母はいつも誰かと電話をして、大きな声で笑っている。母は9人兄弟で、あたりまえに家族も仲が良く、

#プレゼント

同僚が上司に何かプレゼントをしたいと言うので、 具体的に何を贈るのか、 定例会議の場で相談を受けた。 寛大な上司のため、 何を贈ろうとも それなりに喜んでくれそうなものだが、 ああでもないこうでもないと、 そらそらで次々に候補を口に出していた。 酒が好きだろうという妄想から、 グラスやジョッキはどうだろうと悩む声には、 上司からハイボールを毎日飲んでいると聞いていた私が、 そのエピソードを交えて賛同。 上司がゴルフをやることを知っていた同僚は、 帽子はどうだと候補に挙げ

#周波数

「周波数が合わない」と自分のなかで言語化することにした。 「悪気がない」という表現がとても嫌い。悪気、あるでしょ。おそらく、多くの人が語る「悪気がない」状態は、言い訳をするほどの状態に陥っているはず。過度に故意にこの表現を遣う人間を、私は嫌悪したい。 例えば、ランチに遅れてきた相手が、「この店でカレー頼むなんてあり得ないよね」と言ったそばから、私が注文したカレーが運ばれてくるとか、私が乗り遅れるエレベーターで、いつも「閉」ボタンを押すのが同じ相手だとか・・・これを、「悪気

#痛風

数年前、30歳になる直前におそらく痛風になった。おそらく、と推定なのは、病院診断を受けていないからだ。 好きなアーティストのライブがてらに来た、初めての仙台。どうせなら温泉に行ったりしようと、他の予定も立てて乗り込んだ。ライブが開催される日付はちょうど「仙台七夕まつり」の期間中で、市内の中心でどこまでも続く商店街は活気に溢れていた。 市内から離れた、日帰り温泉のために来た旅館の玄関先で、突然右足が痛み始めた。それまでに感じたことのない痛みだったが、目の前に待つ温泉がいやで

「自分が間違ってなかったと思える瞬間」

はじめに誰にでも、そんな瞬間が間々あると思います。 「記事を複製して簡単に書こう」とnoteが紹介している「見出し」やその「配置」だとか、自分の記事に「統一性を持たせる」ためにも、(までは説明されていないですが)毎日投稿するnoteをテンプレート化させる方法が紹介されています。多くのnoteの筆者がやっているんだろうと思います。私もそもそもやっていて、マガジンのタイトルごとにテンプレートを作成しています。何が言いたいかと言うと、先取りできていた感覚が嬉しいということです。

「戦争はある一人の身勝手で引き起こされた」

はじめに今年の夏、我が家は読書家になりました。(と言ってもいいと思う)「図書館で本を借りることで、にっくき(これは私の言葉)住民税の元を取ろう」という方のnoteを拝見し、ハッとさせられたのです。私の彼女においては、もともと彼女の中でスイッチが入れば果てしなく読書をするので、ちょっと羨ましいなと思っていましたが、私は中学校以来、マンガしか読んでないんじゃないかと思えるほど知識の足りていない人間です。なのにらしいことを記事にしています。 どんな本を読もうかと思ったときに私は議

「ほら、やっぱり」

はじめに私が尻込みしたり、私が悩むような事柄について、誰かにアドバイスをもらってから、それらがいい結果になってよかったときに言われる言葉。また、そういうふうにアドバイスをくれたり、結果がどうであれ声をかけてくれる人は、本当の意味で私のことを考えてくれているのだろうし、私を救ってくれる。「ほら、やっぱり」と。 よく行くスナックでよく行くお店で会ったオーナーや他のお客さんに「これうたって」とリクエストされて、いいリアクションをもらえたとき。その人たちは自分の手柄かのように誇らし

「だから言ったじゃん」

はじめに子供の頃から大嫌いな言葉について記事にします。親の言うことと正反対なことをした時や、よりよい結果にならなかったときによく言われたもので、思春期に係る反抗期だっただけなのかも知れませんが。反面教師となる内容になればと思います。 おつかい小さい頃からよくおつかいに行かされていました。目的のものが書かれた紙とお金を持ち、食べ物や日用品、自動販売機で買えるものなど、理解できないままにお金を使っていたと思う。子供に隠れて親がついていって、ゴールの近くで親に抱き着くような、テレ

「仕事で出会う愛すべき面倒な人たちの対処法」

はじめに「嫌い」だとか冷たい一言で縁を絶つことができればいいのですが、仕事でどうしても顔を合わせるしかない相手が居るものです。私の周囲に居る「何でも笑って済ませられる」ような、懐の深い人たちのように立ち回ることが、私にはまだ完璧にはできませんが、その時々でできた対応方法を記事にしたいと思います。 自分がリーダーじゃないのにリーダーとはこうあるべきを持っちゃってる人私と同じ仕事をしているフロアの方で、私が居る島の隣の島の派遣社員の方のエピソードです。私より年齢が上ですが、私と

「かゆいところに手が届く仕事をしよう」

はじめに高卒で就職した最初の仕事、グランドハンドリングスタッフとして働いて5~6年経った時に、私を立ててくれた上司より貰った言葉です。当時の20台前半の若造の私にはそこまで響いてなかったんですが、退社するとき思い起こされた言葉について記事にします。職種に聞き馴染みのない方は、バックナンバーを参照いただけると有難いです。 作業服に詰めたマニュアルたくさんポケットが備え付けられている作業服に、IDやら無線機やらを紛失しないためのストラップを付けて携行していました。新人のうちは仕

「青春懸かってるから」

はじめに最近できた友人(というか人生の先輩)とその息子さんとのエピソードについて、勝手ながらお話ししたいと思います。友人は家の目の前の海に毎日通うサーファーです。見た目が反町隆史、笑うと新庄剛志、口を開けば家族への愛を口にする理想的な父親です。 息子に夢を託している(ような印象)友人の話を聞いていると、私が勝手にそういう印象を受けているだけなのですが、おそらく父親ってそういうものですよね。「息子と過ごす毎日は実験のようなもの」だと彼は言います。野菜がまずいと感じるとか、海で

#結婚式場

はじめに結婚式場(挙式・披露宴)における「音響照明のオペレーター」の会社に数か月アルバイトとして働いたときの知見を記事にしたいと思います。航空業界を飛び出した私が初めて経験したアルバイトとなります。小学生の時に就職先占いみたいな、向いている仕事みたいな授業で、私に向いているものとして挙げられたのが「パイロット」「銀行員」「結婚式場」だったことを思い出しました。気が付けば、業界に限って言えば全て経験済みなのがちょっと怖いです。 仕事の内容音響照明のオペレーターとは、例えば私が