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#血肉

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日々の出来事を地肉に換える、ノンフィクションです。
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#スキしてみて

#周波数

「周波数が合わない」と自分のなかで言語化することにした。 「悪気がない」という表現がとても嫌い。悪気、あるでしょ。おそらく、多くの人が語る「悪気がない」状態は、言い訳をするほどの状態に陥っているはず。過度に故意にこの表現を遣う人間を、私は嫌悪したい。 例えば、ランチに遅れてきた相手が、「この店でカレー頼むなんてあり得ないよね」と言ったそばから、私が注文したカレーが運ばれてくるとか、私が乗り遅れるエレベーターで、いつも「閉」ボタンを押すのが同じ相手だとか・・・これを、「悪気

#痛風

数年前、30歳になる直前におそらく痛風になった。おそらく、と推定なのは、病院診断を受けていないからだ。 好きなアーティストのライブがてらに来た、初めての仙台。どうせなら温泉に行ったりしようと、他の予定も立てて乗り込んだ。ライブが開催される日付はちょうど「仙台七夕まつり」の期間中で、市内の中心でどこまでも続く商店街は活気に溢れていた。 市内から離れた、日帰り温泉のために来た旅館の玄関先で、突然右足が痛み始めた。それまでに感じたことのない痛みだったが、目の前に待つ温泉がいやで

「やりたいことが一番だ」

商店街の床屋小さい頃から高校の途中までの10年ほど、近所の商店街にある床屋さんで髪を切ってもらっていた。当時私の家族は商店街に面したアパートに住んでいて、床屋に限らず商店街でお店を開いている大人のほとんどは家族のようで、地域の繋がりを身近に感じていた。髪を切られている間は居心地が良すぎたのか、必ずと言っていいほど寝ていた。また小さい頃の私は長髪に伸ばし、よく女の子に間違えられたものだが、小学校に上がる前には髪を切らざるを得ないことから、家族以外の誰かに切ってもらうことになった

「そこにもっと笑いがあれば」

以前に、いじめから始まった事件が情報番組で取り上げられていました。言葉にしたくないくらいの事件の詳細に、情報番組の出演者も、当然に視聴者目線でも言葉を失ってしまう。もともと好きなお笑い芸人さんたちが出演されることもあって、気兼ねなく見られる番組でした。 出演者がそれぞれ色んな見解を話す中で、その最後にお話しされる、番組の顔である松本人志さんの言葉が印象的でした。いじりは笑いに繋がり、いじめはそうじゃない。そこにあるものは絶対的に面白いもの、笑える状況ではないこと。「いじりと