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刀ミュ「陸奥一蓮」感想&考察その2

前回に引き続き、刀ミュ「陸奥一蓮」の感想と考察になります。
長いので前半・後半の2回に分けて考察しようと考えてます。
※ネタバレ注意
※あくまでも個人の感想です。


前半ストーリー

本丸でそれぞれの刀がそれぞれの想いを抱き、あるものは本丸の古参の悲しみや隠されているものを知りたいと思い、あるものは三日月宗近の想いを知りたいと思いながら日々を過ごしていた。
そんな時、審神者からあらたな時代への出陣命令が下りる。
それは時代資料の乏しい平安時代初期。今までとは違い、時間遡行の経路が開かれていない時代であり、正規の出陣でない時代
それをまず鶴丸と山姥切国広が審神者から伝えられ、山姥切は出陣にあたり時代を知るために資料のある倉へ向かう。
山姥切国広が去った後、鶴丸は審神者に問う。「道を作ったのはあいつか」と。そしてこうも続ける。「捕まえたらどうする?折るか?」と――。
それに対し審神者は「鶴丸国永!」とやや声を荒げます。そのことに驚く鶴丸ですが、「俺はいつも通りやるだけさ」と言って去ります。

鶴丸国永、山姥切国広の他に加州清光・蜂須賀虎徹・水心子正秀・大包平の
六振りでの出陣となり、隊長は鶴丸に任される。

******

――平安時代初期。
その時代は蝦夷と朝廷が陸奥の豊かな資源を巡り対立していた。

出陣先に着いた部隊は、時間遡行軍の気配を感じ蝦夷の里の山中に辿りついたが、すでにそこはもぬけの殻だった。
その数刻前、三日月宗近が不意に現れ、遡行軍を殲滅させていた。
そのことを知らない加州は首をひねり、鶴丸だけが何かしら思うところがある様子だが、今後のことを問われ、蝦夷と朝廷側の二手に部隊を分け、様子見となる。

蝦夷を指揮する長(おさ)阿弖流為とその補佐である母禮。しかし蝦夷も一枚岩ではなく、朝廷に寝返る者や和平を願う者、蝦夷の誇りを貫くため徹底抗戦を叫ぶ者など様々であり、その中で阿弖流為は戦いに未来を見いだせず、思い悩む。
阿弖流為は母禮に言う。初めて朝廷に弓引くことを決断した日の夜のことを。その日は新月の朔の夜だった、と…。その言葉に、あの日は爪で引っ掻いたような月の夜だった、と母禮は言い、さら言い募る。「お前が引いた弓は、もうお前一つの命くらいじゃ償えないところまで来ている。忘れるな」と。そうして剣を交える阿弖流為と母禮を遠くから見ていた山姥切は、かつての本丸で二人のように刀を交わしていた鶴丸と三日月の姿が二人に重なって見えた。
そして強く願う。(おそらくは三日月に)会いたい、と――。

******

一方、朝廷側の蝦夷征討を命じられた坂上田村麻呂も、蝦夷の人々と戦いを通して蝦夷の人々を知り、戦争の意義に疑問を抱いていた。
しかし春を迎え、いよいよ蝦夷との戦いが始まろうとしていたその時、坂上田村麻呂に時間遡行軍が襲い掛かる。
そこへ朝廷側の様子を窺っていた加州と大包平がかけつけ後に他の刀剣も駆けつけ合流する。

一通り遡行軍を片づけた後、鶴丸たちの前に三日月が現れる。
驚く水心子たちに対し、鶴丸は三日月に聞きたいことがあると言うが、その前に時間遡行軍が現れ三日月が「気をつけろ。ここは物騒だぞ」と言い終わるや否や検非違使まで現れ、遡行軍を検非違使が狩ってゆく。
鶴丸は「折れるなよ」と告げ、検非違使や遡行軍と戦う。

遡行軍はともかく、検非違使はかなり強く、出陣した刀剣は次々と重傷を負ってゆく。
満身創痍となりながらもなんとか検非違使を倒したが、その戦闘のさなか、再び三日月が姿を消してしまう。
鶴丸以外の刀剣は任務を続行しようとするが、鶴丸は一時撤退を決定する。
その判断に加州や大包平は異議を唱えるが、そんな大包平に対し、鶴丸は傷口を掴み、言う。「痛いだろ。痛いんだよ、傷を負えば。自分の痛みに鈍感になるな。周りが迷惑だ」と冷たく言い放ち、隊長命令として本丸帰還を決定する。
「手入れが済んだら、再出陣する。だから、別の部隊を組まないでくれよな」と審神者に願いながら――……。

前半のストーリーからの考察

・鶴丸の言った「道を作ったのはあいつか」の考察

上記のセリフの前、ストーリーでも書いてるように山姥切はその時代に行けるのか?と聞いているので、今までは出陣できない時代であったと考えられます。
けれど鶴丸が三日月に忍ばせた鶴の羽根から、三日月がその時代にいることを感じ取った可能性があります。(←登場時の鶴丸の歌詞からの推察)
そして鶴丸が『三日月宗近の機能』を知っているからこそ、 道を作ったのは三日月ではないかと推測したのではないか、つまり三日月が遡行した時代は歴史改変と認知され、時間遡行の経路が開く(三日月が望む、望まぬに関わらず)とも考えられます

・三日月が出陣先(平安時代初期)に現れた理由

検非違使が現れることを予期し、出陣している刀剣を守るため。
三日月が現れた時の「物騒だぞ」というセリフを聞いて、鶴丸がすぐに「のっぴきならないってやつか」と反応し検非違使が現れていることから、三日月の言葉の真意を、鶴丸はすぐに理解したように感じます。
ただし、三日月の真意はまた別にあるのだと個人的には考察してるので、後述に譲ります。
ただ、阿弖流為のセリフの中に、三日月と何度か会っていると観客に分らせ
るセリフがあります
。それは、朝廷に反旗を翻すと決めた夜に見ていた阿弖流為と母禮の月の記憶に相違があり、阿弖流為の怪訝そうな様子から、此処ですでに三日月が何度も阿弖流為と会っている、という推測ができます。
そうなると、平安時代初期を三日月は何度かループした状況であると考えられます。

・何故、鶴丸は任務途中で一時撤退を決めたのか

それは出陣先に三日月が現れたから。
先に述べたように、三日月が現れたのは出陣した刀剣を守るため
それは初期刀が折れた時に出陣していたからこそなのかは不明ですが、三日月が現れて警告する場合(今回は「この時代は物騒だぞ」というセリフ)、出陣した刀剣の誰かが折れるのを三日月は知っているのではないかと思います。(←何度もループして様々な歴史を見てきたから)
だから、三日月の警告の真意に気づいた鶴丸は、出陣メンバーの誰かが折れることを危惧し、すぐさま一時撤退を決定したと考えると鶴丸の行動が納得できます。

・三日月宗近は本丸にいるのか?

個人的には出陣先に現れた三日月が「おまえたち、久しいな」と声をかけていることから、三日月はミュ本丸をすでに出奔しているものと考えます。
だからこそ自分勝手な行動を取っている三日月を折るか?と最初に鶴丸は審神者に聞いているのではないかと思います。
とすると…葵咲で「あいつは大人しくしているか」と聞いていたときは三日月は本丸にいたか、連れ戻されたか、になります。
パライソでは、犠牲になった人を想いながら月を見上げて救ってみろ、と言ってることから、もしかしたらこの時点で既に三日月は本丸から出奔していた可能性がある。
そう考えると鶴丸の長期任務は三日月を探し出して本丸に連れ帰ることだった?ようにも考えられます。


前半の感想

個人的には刀ミュ本丸の歴史に重点を置いてみるのが初見ではわかりやすいかな、と言う印象です。
最初のシーンから蝦夷の人々の骸の上で歌い始める三日月。もしかしたらこのシーンからして何度か同じ歴史を行きつ戻りつしている、という暗示かも知れませんが、今作は三日月と鶴丸の対比が多いですね。
三日月にしろ、鶴丸にしろ、本音はひとりで歌い上げるシーンに心情が込められてるので、そこを聞くと、この二振りの辛さ、悲しみが胸に迫ってきます。
それと珍しくミュ審神者の感情が露わになるシーンも見られます。
いつもより審神者とのやり取りが多いのは、ミュ本丸の過去の日常も描かれるからでしょうか…。
どちらにしても今回は刀剣男士がソロで歌っているシーンも多く、歌が上手い役者さんが多いからか、心情をミュージカルで表現するところは聞きごたえがありました。


さて、とりえず気づいたところの前半部分の感想・考察はこんなところです。
次回の後半ではかなりの長文になると思いますので、予めご了承ください。


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