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旬の野菜を楽しむ(走り・盛り・名残り)あいちの伝統野菜など

四季のある日本では「旬」のものを大切にしてきました。季節の挨拶であったり、その時ならではのご馳走であったり。そして旬はさらに3つに分けて表現されています。細やかに表現するのは日本ならではです。

先ずは「走り」。「初」とか「新」が付くと何かわくわくしますよね。例えば「初かつお」、江戸時代には女房を質に入れても食べたいと言われたそうで。「新じゃが」「新たけのこ」、聞いただけで春が来たと思いますよね。日本人は初物に目がないともいわれ、料理屋ではこぞって、新しくて珍しいものを仕入れたりしてます。初物は縁起物でもあり値段も高めです。

そして「盛り」。品物が一番豊富に揃う時で、味も良くて値段も手ごろです。家庭で毎日のように食卓に並んだりします。

そして「名残り」。季節も変わり始め、もうそろそろ終わりだな。と名残りを惜しむ時期です。数も少なくなってきて、徐々にフェードアウトしていきます。とはいうものの、現在では海外のものもあり、年中店頭に並んでいたりします。

その季節でないと食べられないのが、昔ながらの伝統野菜です。そこの土地で季節ごとにずっと作られてきて、土地に由来のある名前が付けられています。まさにそこならではの旬を楽しむ食材だと思います。

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「あいちの伝統野菜」のロゴマークです。3英傑が伝統野菜を引っ張ってます。

「日本料理一灯」では季節ごとに野菜を楽しむ会を開催しております。今回は春の会です。

春のあいちの伝統野菜。今回料理で使ったもの。「走り」は「早生かりもり」。「盛り」は「ファーストトマト」「養父早生玉ねぎ」「知多早生ふき」。「名残り」は「碧南鮮紅五寸にんじん」。

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先の尖った「ファーストトマト」は種が少なく程よい酸味が特長です。「養父早生玉ねぎ」は真ん丸ではなく根のところが少し平らになります。みずみずしい味わい。

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「早生かりもり」主に奈良漬けなど漬物用です。碧南が主な産地ですが、碧南は「三河みりん」の産地でもあるので、みりん粕で仕込む奈良漬けはこちらならではの出会いの逸品です。

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伝統野菜の前菜です。奥が「養父早生玉ねぎ」と塩もみした「かりもり」のサラダ、白醤油ドレッシングをかけてます。黄色い器が高野豆腐と「知多ふき」の煮物。上にはたまり醤油で甘辛く煮た「ふきの葉」の佃煮を。卵焼きの中には「へきなん人参」のきんぴら。そして上には「ファーストトマト」と八丁味噌などを合わせたトマト醤。その手前は「守口大根」の浅漬け。この時期らしく桜の葉も敷いてます。

このあと、お刺身、焼物、酢の物、炊き合わせと続き、

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ご飯は、「新筍」と「ふき」ちりめんじゃこの炊き込みご飯。蓋を開けた瞬間に客席から歓声が上がります。そして写真撮影!

春の食材は「苦味」です。タラの芽やふきのとう、そして筍、ふきなど。冬の間にため込んだ毒素を排除するデトックス効果があると言われてます。季節の食材は、夏は体を冷やし、秋は蓄え、冬は温めます。

旬のものを楽しむこと食べることが心にも体にもいい効果をもたらす。「食養生」となると嬉しいですね。


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