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種族王Ⅵ 決勝カバレージ

マジック界最強種族とは何か――エレメンタル?人間?ゾンビ?それとも……カキ?

《巨大カキ/Giant Oyster》

先着順の参加申し込みが3時間で締め切られるほどの大人気イベント「種族王」もこれで6回目。今回はどんな種族が"王の座"についたのだろうか。

2024年2月24日に開催された主催ツナ氏による「種族王Ⅵ」決勝戦のテキストカバレージをお届けする。


決勝進出デッキ

予選ラウンド5回戦を終え、4-1のプレイヤー3人、3-2のプレイヤーが3人となった。3-2のプレイヤー3人のタイブレイクは「デッキに採用されたクリーチャー・カードの数」となった。

吸血鬼《エドガー・マルコフ/Edgar Markov》

ささみさん《養育者、マーウィン/Marwyn, the Nurturer》

《樹の神、エシカ/Esika, God of the Tree》

《厚顔の無法者、マグダ/Magda, Brazen Outlaw》

決勝戦カバレージ

手番はランダムで決定された。

マルコフ→マーウィン→エシカ→マグダの順となった。

エシカ、マグダは一発でキープ。二人とも力強い宣言だ。

マーウィンは1ターン目から大きく動く。《古えの墳墓/Ancient Tomb》、そして《エルフの指導霊/Elvish Spirit Guide》から《養育者、マーウィン/Marwyn, the Nurturer》が着地する。

「おぉ……やばいね」
下手すれば次のターンにはリーサルもあり得るのだろうか。

エシカからは《踏査/Exploration》、《太陽の指輪/Sol Ring》。

一方、4番手のマグダからは《水蓮の花びら/Lotus Petal》、《魔力の墓所/Mana Crypt》、《宝石の睡蓮/Jeweled Lotus》!1ターン目に着地した《厚顔の無法者、マグダ/Magda, Brazen Outlaw》に《ナザーンの槌/Hammer of Nazahn》を装備!

「こっちのがやべーじゃねーか!」残忍がそれぞれの形で狼狽するが、2ターン目はそれぞれの手を整えていくフェーズに。

エシカからは《最深の成長、オヘル・カスレム/Ojer Kaslem, Deepest Growth》

マグダからは《ジェスカの意志/Jeska's Will》。追放されたカードから土地と《オパールのモックス/Mox Opal》を獲得し、手札を一気に吐き出す。2体のドワーフに加えて、《先祖の鏡/Mirror of the Forebears》を着地させる。

《先祖の鏡/Mirror of the Forebears》

このままターンが帰ってこれば、《前兆の時計/Clock of Omens》がサーチ可能になり、ライブラリーからすべてのアーティファクトを戦場に出せるようになってしまう。

では……これがラストターンだろうか?

《リス・アラナの狩りの達人/Lys Alana Huntmaster》《遺産のドルイド/Heritage Druid》と、強力にシナジーするエルフを展開していたマーウィンは3ターン目に勝負に出る!

《リス・アラナの狩りの達人/Lys Alana Huntmaster》《遺産のドルイド/Heritage Druid》

《野生語りの帰還/Return of the Wildspeaker》で大量ドローをしたマーウィン。《アロサウルス飼い/Allosaurus Shepherd》を獲得。ここで《みなぎる活力/Vitalize》!大量のマナを確保しながら《獣に囁く者/Beast Whisperer》
、そしてエルフを連打して唱えてドローを重ねていく。

そして《緑の太陽の頂点/Green Sun's Zenith》、X=4!
登場するのは《数多の声/Voice of Many》、再度ドローを重ねていく。

「ひさしぶりの実家でのびのびしてるな!」

実家でのびのびするマーウィン(中央左)

普段からエルフデッキを好むマーウィンだが、ここのところは《オークの弓使い/Orcish Bowmasters》や多色統率者の台頭で苦しめられていた。ところがどうだろう、いまこの瞬間は種族王というまさに同族デッキのためのステージでエルフデッキは輝いている!

重ねたドローで《呼応した呼集/Shared Summons》までたどりついた!

「ああ……じゃあ負けですかね?」とエシカ。観客もゲームの終わりを予感しているが、「いや、まだ勝てんのよ!」とサーチしながらぼやくマーウィン。

「えぇ?じゃあ回ってくるの?」
「いや、回したくはない……回さない」

見つけたのは《球層の追跡者、エズーリ/Ezuri, Stalker of Spheres》と《気前のいい後援者/Noble Benefactor》。無限の注ぎ先とドロー手段を獲得。

一般のゲームなら《野生の魂、アシャヤ/Ashaya, Soul of the Wild》と《クウィリーオン・レインジャー/Quirion Ranger》で勝てるところだが、ここは種族王の舞台。このデッキでは《野生の魂、アシャヤ/Ashaya, Soul of the Wild》が採用できない。

《有毒の蘇生/Noxious Revival》で《みなぎる活力/Vitalize》を回収。

が、ここで手どまりか。《背教の主導者、エズーリ/Ezuri, Renegade Leader》で全体強化を行ってアタックに向かうが、3人のライフを削り切るのは少し足りない。

「二人は倒せるか。いくか!」

死を覚悟するマグダ。
マグダにはパワー40越えのマーウィンが襲い掛かる。トランプルもあり、耐えきれない!その脇、カルロフのほうにも大量のエルフが襲い掛かり、撃破!

ゲームはマーウィンとエシカの一騎打ちに。

左:マーウィン・ささみさん
右:エシカ・あつしき

エシカの《最深の成長、オヘル・カスレム/Ojer Kaslem, Deepest Growth》で殴り、がめくれたのは《歓楽の神、ゼナゴス/Xenagos, God of Revels》。続いて《悪魔の教示者/Demonic Tutor》で《滅び/Damnation》を獲得して発射!

一旦は全体除去に成功。どちらが先に戦線を回復させるかの勝負に。

マーウィンは手札7枚を抱えてターンを迎える。次の手ははたして――ない!《繁茂/Wild Growth》を設置、《魂の洞窟/Cavern of Souls》を置いてゴー。

さてエシカのターンだが、登場したのは《猪の祟神、イルハグ/Ilharg, the Raze-Boar》!速攻がついて一挙12点!!

《歓楽の神、ゼナゴス/Xenagos, God of Revels》
《猪の祟神、イルハグ/Ilharg, the Raze-Boar》

ターンを受け取ったマーウィンのライフはのこり9。マーウィンはマナを立ててターンを回す。

エシカは伺いを立てるように宣言する。「メインフェイズを終わりたい……」

「その前にテキストみたい!!」マーウィンは《歓楽の神、ゼナゴス/Xenagos, God of Revels》を取り上げると叫ぶ。

「なんで破壊不能なんだこれ!!」

生き残る道はないだろうか。「イルハグは?」「これはエンチャントじゃねえよ!」そう、マーウィンの手にあるのは《耐え抜くもの、母聖樹/Boseiju, Who Endures》。このカードではこのアタックを止められない!

マーウィンは唯一立っていたエルフに《激励/Invigorate》、トランプルダメージをキャッチしようと試みるが……

「そこに《内にいる獣/Beast Within》!」

ブロックは成立しているが、ブロッカーがいなくなった!12点がまるまるトランプルする!

仲間と勝利の喜びを分かち合うあつしき

決着!勝利したのは《樹の神、エシカ/Esika, God of the Tree》の神・デッキをしようしたあつしき!おめでとう!

種族王Ⅵ:あつしき

ゲーム後、デッキについて涙を浮かべながら語るあつしき。「中村さん(中村 祐矢。統率者神DAY2の常連。日本レガシー選手権2連覇や、「ログラクフ&テヴェシュ」「戦争の世継ぎ、ローアン」の開発で知られる。)から託されたリストだったからさ……リストは100点なわけ。本当に勝ててよかった」

この記事を書いたのは

いってつ
脚本家、小説家、ライター。
映画と写真、マジック:ザ・ギャザリングが好き
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