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林谷渓流取水設備(はやし、徳島県那賀町)

●概要
四国電力蔭平発電所2堰堤の1。
竣功:1968年  型式:G  
目的:P
   取水量?㎥/s
   合計最大取水60.58㎥/s
   有効落差89.7m
   最大出力46,650kW


●見学情報
駐車場:無 トイレ:無 自販機:無 天端:不可 直下:可 


●参考リンク・引用

https://www.mlit.go.jp/river/shinngikai_blog/shaseishin/kasenbunkakai/shouiinkai/r-jigyouhyouka/dai13kai/pdf/6-1.shiryou.pdf

https://www.pwri.go.jp/jpn/results/tec-info/siryou/2016/takamatsusc/pdf/SC2016_takamatsu09(latter%20half).pdf


●道中

徳島を横断する一級河川、那賀川。
(地理院地図より)
高知県境・四ツ足峠あたりから東へ流れる事、その幹川延長は125km、流域面積は874k㎡と徳島で2番目に大きい河川。(1位は勿論三郎さん…同194km、3,750k㎡と圧倒的)
水力発電も盛んで下流から、川口発電所(川口ダムで取水)、
日野谷発電所(長安口ダムで取水)。
支流坂州木頭川に坂州発電所(追立堰堤で取水)…と企業局発電所が3箇所。
同じく坂州木頭川の広野発電所(大美谷ダムで取水)、
そして本流最上流に蔭平発電所と四国電力発電所が2箇所。
その蔭平発電所の取水元は、四国では珍しいアーチダム・小見野々ダム。
小見野々ダムは発電専用ダムであり、発電しつつ最大約60㎥/sの放流は可能だが、事前に洪水調節容量を確保する為の予備放流としてはごく小容量。そこで予備放流量を何とか確保しましょうと国が動いている。
その為の手法が代表的なもので3つあるそうで、
それは①本体改造 ②トンネル洪水吐 ③堤体移設との事。
①本体改造についてはまさに下流の長安口ダムで既に施工済。
右岸部分にゲート(コンクリが白い部分)を増設し、放流呑口の水位を9m下げ、予備放流水位を1m下げるという改造を行った。
現在工事中の早明浦ダムも同じく。

https://www.water.go.jp/yoshino/ikeda/saisei/saisei_img3.html

②トンネル洪水吐は肱川の鹿野川ダムでこちらも運用開始済。
それまでは4門のラジアルゲート下端がEL76.0m、予備放流水位が81.0mだったのが、
EL53.0mにトンネル呑口を設け、予備放流水位を76.3mにまで下げている。
③本体移設 は適切な写真が手元に無いが、単純に(と口で言えば簡単だが…)堤体を下流側に移設(新たに堤体を作る)というもの。
そして小見野々ダムは③本体移設が採用される事になった。
(合わせて下流の築堤引堤、上流部浚渫も)
従って、あの美しいアーチダムにズラリとゲートが立ち並ぶ姿が見られる時間は限られている。
移設後堤体は2038年竣功予定らしく、2023年4月に周辺を通った際には調査関連か車両が行き交い、小見野々ダムの駐車場にも入れなくなっていた(現況は未確認)。
(地理院地図より)
で、今回はそんな小見野々ダムを紹介する・・・のではなく(おい)、
例によってその脇っちょにある注水堰堤の紹介といういつも通りの趣向。
ハイ、というワケで小見野々ダム湖左岸を走っていると、このような設備がある。
「林谷支水路」との銘板付き。
水路は湖岸を走る国道195号を潜り、貯水池へと流れ込んでいる。
奥にはほんのり小見野々ダムが見える。
別角度から注水口ズーム。まるで流木がひれ伏すかのような堂々たる注水。
早速堰堤のある支流へ向かう。地図通りの水路でその場所は明白。
堰堤到着。緩やかに弧を描く巡視橋がアクセント。
さすがに橋は立禁。
取水口。
右岸の様子。ここから先小見野々ダムまで多分ずっと暗渠の為か、沈砂池が長めに取られているように感じた。
川へ。やはりココは沈砂池がカッコよし!
土砂吐界隈。どうやら一番右岸の越流堤部分から取水口の塵芥をポイッとするらしい😏
下流の様子。この谷が本気出したらどういう事になるのだろう・・・
お邪魔しました~
(資料館には行けてない)

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