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まるでアンドロメダ銀河内のこと座RR型変光星を肉眼で確認した天文学者のそれ

(※幻覚強めな萌え語りです)


「涼宮ハルヒの直観」収録の『七不思議オーバータイム』には、4年間私の心をとらえて離さない一文があります。

朝比奈さんはミス研部員のほうに目を奪われていて気がつかないが、古泉が長門を見る目は、まるでアンドロメダ銀河内のこと座RR型変光星を肉眼で確認した天文学者のそれのようであった。

谷川流『七不思議オーバータイム』、涼宮ハルヒの直観


長門が読書を中断してT(このときはミス研部員)の話を聞くという希少な姿に驚く古泉、というなんてことない場面です。
しかしこれを読むと心臓がバクバクしてドーパミン的なものがドバドバになる狂ったオタクがここに。

どのくらい狂ってるかというと2018年のザスニlegendでは「琴座」だったのが2020年の『直観』では「こと座」に修正されていたことに即気づいたレベルです。
めちゃくちゃ興奮しました。
なぜなら〝長門にこんなに驚く古泉ってキャラ的にいいのか…?古長的にはおいしいけど…〟と思っていて、『直観』発売にあたって内容の修正や削除があったらどうしようと密かに不安だったから…
それが改めて谷川先生のチェックを受けてオッケー👌になったということが!死ぬほど嬉しくて!
だってこの先何があっても〝古泉が長門を見る目が天文学者のそれ〟だったというこの瞬間は永遠だからね…!!
これでもう、いつか推しカプのそれぞれがちがう人とくっつく展開が来ても大丈夫(ではない)


にしても、なんでこの一節にそんなにこだわっているのかという話なんですけど。
まず一つ目のポイントは、ここで驚くのは別に古泉じゃなくてもいいということ。
「七不思議オーバータイム」という物語におけるこの一文の役割は、他者からの会話に答えるために読書を中断する長門のめずらしさを印象づけることだと思います。
おそらくこの文章にはそれ以上の意味も役割もなくて、つまり天文学者の目になっちゃうのはキョンでもみくるちゃんでも良いんですよね。
古泉が選ばれたのは、そういうことにならなそうなキャラが反応してしまうほどに長門が変化していることを伝えたいという意図なんじゃないかなーとは思うんですよ。思うんですけど!
それでも古泉が選ばれたことにカプ的な意味を見出したくなってしまうんです古長のオタクだから…!

二つ目は長門だけを見ているのは古泉のみというこです。
みくるちゃんはミス研部員に注目し、キョンは部室全体を俯瞰している中(語り手だからというメタなことは置いといて)、古泉だけがっつり長門を見てるんですよ……
ハルヒの前ではイエスマン、みくるちゃんと恋人役をやってもさして動揺せず、対抗組織の前でも笑顔を崩さない男が、長門が本を閉じて相手の話を聞くというささやかな行動に視線ぜんぶ持ってかれてるんですよ!!!???
いつもの古泉なら〝『古泉一樹』的にはここはにこやかに見守る場面ですね😉〟みたいな発想に至りそうなのに、そんなことはカケラも考えてない様子で驚きを隠すことすら忘れてガン見。
たぶんキョンに見られてることにも気づいてない。
この、古泉が隠してる人間くささをあばくのが人間じゃない長門という構図がもはや〝美〟。私にとって。
長門の行動にペルソナはがれちゃう古泉はしこたま二次創作しちゃうくらい大好きで、でもそれは原作の古泉は簡単にそんなことにならないだろうという想定で創作していたところがあって…
そしたら原作でこれ!!!!!
理想の古長シチュが!原作で!!!?!?夢????
初読のときマジで私が古長脳すぎるせいでありえない読み方をしてるのかとすら思いました。
良かったちゃんと存在してる文章で。


三つ目は〝星と天文学者〟という比喩があまりにも古長すぎることです。
宇宙から来た長門と幼少期の趣味が天体観測の古泉が〝星と天文学者〟に喩えられているというエモさ…本当に好き……
もしかしたら久しぶりにハルヒ新作を書いた谷川先生の「そういや古泉が天体観測が趣味って設定あったなー長門は宇宙製だし…よしここは天文学者と星にしとくか」みたいな思いつきなのかもしれない。
でもこの一文を書いたとき、先生の脳内に古泉と長門の状況を宇宙的な結びつきで表現する発想があったということが本当に嬉しいし感謝しかないです。いのちたすかる

とか言いつつ、実は初めて読んだときアンドロメダ銀河についてもこと座RR型変光星についても良く知りませんでした。
読んで速攻wikiってさらなる尊みに悶えたので、それについても書きます。

まずアンドロメダ銀河。

アンドロメダ銀河(M31)は、地球から約250万光年の距離に位置し、M33とともに肉眼で見える最も遠い天体である。

Wikipedia

そしてこと座R R型変光星。

こと座RR型変光星は、本質的に暗いため銀河系外で観測することが困難である。

Wikipedia

以上のことから考えるとつまりこの古泉は、ギリ見える範囲で最も遠い銀河にある暗くて観測すら困難な星を肉眼で確認した天文学者ってことになるんですけど………やっぱこれめちゃくちゃヤバくない?
その心境ってもう衝撃と驚愕と歓喜でわけわかんないことになってるんじゃないかなって天文素人ながら思うんですけどどうなの?いいの?(古長的にはめちゃくちゃウェルカムだが)
古泉にとって、読書中の長門が他者に反応することがそれほどまでに衝撃だったのかと思うとめっちゃかわいいし、古長の可能性を感じすぎてもうどうしようもねえ。情緒が溶ける。

古泉が長門を見てるらしき描写ってちょいちょいあるんだけど(消失の廊下での話とか分裂の冒頭とか)それはあくまで仕事というか、『長門有希という宇宙製アンドロイド』の観察という体で見てたんだと思うんですよ。
でも長門の変化を〝天文学者の目〟で見てしまう古泉は、すでに仕事だけではなく私情を(おそらく無意識に)さし挟むようになりつつあるんじゃないかなーと…古長のオタクは希望を持ってしまう。
『七不思議オーバータイム』ではこの後に古泉を自分から手伝う長門もあるし『鶴屋さんの挑戦』ではミステリ談義でTに質問を投げかけつつ長門を見ている古泉もあるしで、読んでるとほんとに古長ありえるんじゃない??ってカプ厨の私の心が大炎上してます。
もし新作で古長が一緒に図書室行ったり図書館行ったり本の貸し借りしてる描写が来たらどうしよう…もう一生古長の二次創作をし続けるしかないな

最後に、こと座RR型変光星について調べてたらツイッターに動画があったので貼っておきます。

ちかちかしたささやかな光がとてもかわいい。
この星に喩えられた長門…それを見つめる天文学者の古泉………ウッ心臓が


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