見出し画像

カクテルを飲む。


皆さんこんばんは。たいしんです。
毎日こんな時間(27時過ぎ)に仕事が終わるのは当然です。
なんなら早い方ですかね。
お店は平日は25時まで、金曜土曜祝前日は26時までなんですが、お客さんがいたり、片付けがあったりするとなんだかんだこの時間までかかります。
barにしては早く終わるのかな、レストランでもあるからレストランにしてはかなり遅いかなと。
そんなこんなで、2回目を書かせてもらうわけですが、、、
前回みたいな話とは全く違う、今回はバーテンダーとして、お酒についてお話ししようと思います。
お酒といっても様々なジャンルがあると思いますが、今回は「カクテル🍸」について少し書いていこうかなと。

カクテルって聞くと皆さんはどんなことを思い浮かべますか?
お洒落な物、女の人が飲む物、色んな種類があってよくわからない、、、
そんなところですかね。

結構偏りのある見方を多くされることがあるんですけど、今回はそれを少しでも減らして、カクテル飲んでみたいな〜って少しでも思って頂ければ嬉しいなと。


まずそもそも「カクテル」ってものはお洒落なグラスに注がれたものや、カラフルな色したお酒のことだと思われてる方が多いと思うんですけど、お酒飲む方なら絶対カクテル飲んでる方多いと思うんですけどねー。
というのも、カクテルの定義というものは、

お酒に何かを加えたもの」なんですよね。
至って簡単な定義なんです。

あれ!?そんな単純なものなの!?と思うかもしれないですけど、これはネットでも「カクテル 定義」かなんかで調べればすぐにでも出てきます!

でもそうなると、居酒屋で飲む焼酎の水割りだったり、ウイスキーハイボールだったり、
梅酒のソーダ割だったりってカクテルになるの?
そんな疑問が生まれます。

そうなんです、これらはれっきとしたカクテルなんです。
実は皆さんカクテル飲んでるんですよ。
だからそんな難しいものではないんですよね。
お酒+何か=カクテル」なんですよ。

だからまずは偏りな見方を一旦置いてみてください。皆さん常に飲んでいるんですからね。

ただこれだけでは、なんだ、カクテルってそんなものかと思われてしまうかもしれないですが、
こんな簡単な定義だからこそ「カクテル」って難しいんですよ?
なんでかって?
それは「お酒+何か」ですから。

「お酒+お酒」なのかもしれないし、「お酒+ジュース」なのかもしれない。他にも「お酒+調味料」だってありえます。
それに合わさっているものが1つとも限りません。
「お酒+お酒+ジュース」だったり、
「お酒+お酒+ジュース+ジュース+調味料」だったりもあります。

お酒自体、何千、何万と種類があって、
合わせるものも様々なものがあり、1つとは限られていませんから、
カクテルのパターンは無限大なんですよね。
だから悩まされるんですが、でもそれを考えるのが楽しいんですよね。



さて、ここからが本題です。少しでも皆さんにカクテル飲んでいただきたいなと日頃から常に思っている自分ですが、
このカクテルってバーテンダーの腕の見せ所でもあるんですよね。
それを少しづつ話していき、少しでも飲んでみたいなって思って頂ければなと。

こんな無限大のパターンもある、カクテル。
もちろん全部が全部混ぜたら美味しくなるわけではないです。
それはコーラにメントス入れたらあかんことになるのと同じで、お酒にも「相性」というものがあります。
例えば、分かりやすいものでいくと、
「カシスオレンジ」ってカクテルありますよね。今時居酒屋さんでもよく見かけますね。
これは「カシス」というベリー系のお酒と、オレンジジュースをある一定量で混ぜ合わせたものを言うんですけど、
これは相性がいいんです。
ベリー系とオレンジの相性は比較的良いとか、
色々あるんですよね。
そんなものを常日頃、これとこれ合わしてみたら美味しいのかな?とか、これとこれはこの割合が合うなとか。日常生活のもの全てからカクテルを連想させて、合わせてみてるんですよね。
時にはとんでもないものを合わせてみることもありますよ。
(この前は唐辛子とピーチリキュールまぜて、とんでもないのが出来上がったり、、、)

合わせるもの同士の相性。これが1つ大事なこと。

そしてそのあとは合わせるもの同士の「分量」です。

これも難しいんですよね。
簡単な例を出すと、ウイスキーハイボール。
よく居酒屋さんで濃い目で!!とウイスキーハイボールを頼む方がいらっしゃいますが、
あの濃さが大体「ウイスキー1:ソーダ3〜4」くらいかなと。
通常の居酒屋さんのウイスキーハイボールは大体「ウイスキー1:ソーダ4〜5」といったところくらいかなと。
それを「ウイスキー1:ソーダ0.5」とかにしてみてください。
勿論好きな方もいると思いますが、多くの人は、濃い、飲みにくい、いつものウイスキーハイボールと違う、などと感じるでしょう。
それが分かりやすい分量の違いです。

難しい例を出すと、
「ホワイトレディ」というカクテルがあります。いかにもカクテルって感じの名前ですよね。barではよく頼まれるカクテルの1つなんですが、そちらのレシピはこちら。

ジン(ビーフィーター)30ml
コアントロー15ml
レモン果汁15ml

これらをシェイクしてカクテルグラスに注ぎます。(写真左のグラスです)

これで出来上がるのですが、前述した「相性」と「分量」の話を続けて話すと、
これはあくまで当店での既存のレシピです。
ジンはビーフィーターという銘柄のものを使い、分量は上記の通り。
ただこのホワイトレディ、他のお店で飲めば絶対味が違うんですよね。
それは様々な理由があるのですが、
先ほど言ったように、分量がお店によって違うからなんです。(もちろん様々な他の理由もあります、念を込めて。)
お店によってはジンの量が多かったり、少なかったりして他の材料が多かったり、少なかったりと。分量が全く違うことからほんの少し違うなんてことは多々あります。
だからこそそれが面白いんです。
同じ名前のカクテルでも、違うお店で飲むと、
もはや別のカクテルなんですよね。
だからこそ、お客様にとって、何が美味しいのかを考えながら作る必要があるんですよ。
このホワイトレディだけに関しても、お客様によって当店でも分量を変えて出す方もいますし、お客様本人から分量を指定されることなんかもあります。
面白いですよね。入る分量がほんの少し違うだけで、全く違う味になるんですから。
それに当店ではジンは「ビーフィーター」という銘柄のジンを指定がなければ使っていますが、指定があれば、ホワイトレディも違うジンで作りますし、お客様の好みに合わせたジンを使うことだってあります。
レモンに関してもコアントローに関してもです。レモンだったらアメリカ産のものを使うのか、国産のものを使うのか、まだ若いレモンを使うのか、だいぶ劣化してしまったレモンを使うのか。レモン1つでも、味は大きく変わります。
なので当店でも味が全く同じものって厳密には作れないんですよね。使うレモンはこの世に存在する唯一のレモンで、ジンはその時のジンで口開けしてからの時間も違いますし、、、。
そう考えたらその一杯って一生飲むことができないカクテルになるんですよ。
少し大袈裟かもしれませんが。

相性分量。これだけでも味が全く変わってくるのが少しはお分かりいただけましたか?
少しでもそうなんだと、興味を持ち、カクテルを飲んでみたいなと思っていただける人がいたら幸いです。

そんなこんなで今回は「カクテルの定義」から、「相性と分量」というところにスポットを当ててお話しさせていただきました。
これ以上は少しまた長くなるので次回の時にでも続きを書こうかなと思います。

先ほど味の差異に念入りに「(他の理由もあります)」と付けたのは、ほんとに別の理由が様々あるからなんですよね。
それは次回にでもお話しできればなと。
まだまだカクテルって奥深いんですよね。ほんの少ししか今回も書けていないんですよ。
それでもって、ほんとに面白いものなんですよ。

最後に、ざっくりとですが、次回はバースプーンやシェイカーといった、カクテルに使用する物のお話と氷のお話をしながらカクテルの素晴らしさを伝え、
皆さんに少しでもカクテルを飲みたい!と思って頂ければなと思います。

それでは。またいつの日かまで。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?