見出し画像

国際的な教育の視点:日本とドイツの小学校教育を比較してみる

ドイツで3ヶ月くらい現地校に通いつつ、思ったこととかイベントなんかを中心に記事を多く執筆してきましたが、ここでちょっと日本とのシステムの違いを整理しておきたいと思います。

ーーーーーー

日本の初等教育システムの特徴

  1. 教育期間と構造: 日本の初等教育は、小学校として知られ、6年間の教育期間があります。6歳から12歳までの子供が通学します。

  2. カリキュラムと教科: 基本的な教科には、国語、算数、社会、理科、音楽、図画工作、体育、家庭科が含まれます。また、道徳教育も重視されています。

  3. 全体教育: 日本では、学業だけでなく、児童の社会的、情緒的な発達も重視されており、授業以外の活動(例えば、清掃活動、給食の準備と片付け)もカリキュラムの一部とされています。

  4. 評価システム: 学年末の評価は、主に教科の理解度と学校生活への参加度に基づいて行われます。

ドイツの初等教育システムの特徴

  1. 教育期間と構造: ドイツの初等教育は「Grundschule」と呼ばれ、4年間から6年間(州によって異なる)の教育期間があります。通常、6歳から10歳または12歳までの子供が通学します。

  2. カリキュラムと教科: 基本教科には、ドイツ語、数学、一般科学、社会科、芸術、音楽、体育が含まれます。外国語教育も早期から始まることが多いです。

  3. 個別指導と進路指導: ドイツでは、児童の個別の能力に応じた指導が重視され、初等教育の後の進路指導も行われます。

  4. 評価システム: 学習成果は文字評価(1から6のスケール)で行われ、個々の学習進度と理解度が考慮されます。

日本とドイツの初等教育の比較表

簡単な表にまとめてみます!

まとめ

この比較から、日本とドイツの初等教育システムには、教育期間、カリキュラムの内容、教育方針、評価方法において顕著な違いがあることが分かります。どちらのシステムも、子供たちの学習と発達に重要な役割を果たしています。

ドイツの初等教育の特徴

ドイツの小学校(Grundschule)で特に重視されている点は以下の通りです:

  1. 個別指導と能力に基づく教育: ドイツの教育システムは、児童一人ひとりの能力とニーズに応じた教育を重視しています。個々の学生の学習進度、関心、能力に合わせた指導が行われることが特徴です。

  2. 基礎学習の強化: 初等教育段階での読み書き、計算といった基礎学習の習得に重点を置いています。これらのスキルは、子供たちの学習の土台となり、将来の学習において重要な役割を果たします。

  3. 外国語教育の早期導入: 多くの小学校では、比較的早い段階から外国語教育(特に英語)が導入されています。これはグローバル化する世界に対応し、子供たちに国際的な視野を持たせるためです。

  4. 全人教育: 学業の学習だけでなく、社会的スキル、創造性、体育なども重視されます。これにより、バランスの取れた教育が提供され、子供たちの全面的な発達が促進されます。

  5. 進路指導の強化: 小学校教育の終了時には、子供たちの進学先(中等教育機関の選択)に関する指導と評価が行われます。これは、各児童の能力、関心、学習成果に基づいて行われ、その後の教育選択に大きく影響します。

どっちがいいの?悪いの?というところについては、単純比較はできませんが、概ね以下の点だそう。

ドイツの教育が優れている点

  1. 個別指導と進路指導: ドイツの教育システムは、個々の学生の能力と興味に応じた指導を重視しています。特に、初等教育の終わりに行われる進路指導は、学生が自分の強みと興味に合った中等教育へ進むための重要な手段です。これにより、学生は早い段階で自己実現に向けた教育を受けることができます。

  2. 職業教育との連携: ドイツは職業教育とアカデミックな教育の間の結びつきが強く、多くの学生が高度な職業訓練を受ける機会を持っています。これは、学生が労働市場にスムーズに移行するのを助けると同時に、専門的なスキルの発展を促します。

ドイツの教育が劣っているとされる点

  1. 教育の早期分岐: ドイツのシステムは、比較的早い段階で学生を異なる教育トラックに分けます。これは、一部の学生がより高い教育機会を持ちにくくなるという批判を受けています。早期分岐は、社会的背景や経済的な要因による不平等を強化する可能性があるとされています。

  2. 学習環境の柔軟性の欠如: ドイツの教育システムは伝統的で、時には厳格な学習環境を提供することがあります。これは、創造性や自主学習の促進においては限界があると指摘されています。

日本の教育システムとの比較

日本の教育システムは、均質性と高い学業基準に重点を置いています。これは、全ての学生に高い教育標準を保証する一方で、個々の学生の特性や創造性の発展には制約があるとされています。一方で、日本の学校では学生の社会的・情緒的発達にも重点を置いており、これはドイツのシステムでは比較的弱い点です。

まとめると・・・

どちらの教育システムも、それぞれの文化的・社会的背景に根ざしており、一方が他方より絶対的に優れているとは言えません。それぞれのシステムには当然独自の長所と短所がありますが、どっちがいい悪いではなく、両方体験してみて初めて見えてくること、視野が広がることもたくさんありますね。

以上まとめでした!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?