読書記録2022 『という、はなし』 吉田篤弘(文)/フジモトマサル (イラスト)
吉田篤弘の本はいわゆる読書体験と少しだけ違う。
僕は蒐集癖がほとんどないのだけれど、吉田篤弘の作る本のいくつかは持っていたくなる。
彼が「クラフト・エヴィング商會」として本の装丁やデザインを手がけているせいもあるのだろうが、持っていたいという願望には「読むもの」としてだけではなく、表紙のデザインから体裁、装丁まで、全体を一つの作品として所有したい気持ちになるのだ。
本作は大人のための絵本といった趣で、小さな話とイラストレーターのフジモトマサルの挿絵がセットになってい