読書記録『東京會舘とわたし(上下)』辻村深月
今年もまた結構な量の小説を読んでいるけれど、今日読んだ辻村深月の『東京會舘とわたし』は、今年、新たに読んだ小説の中では、現時点でのトップである。
世の中には一つの場所を舞台にした作品が結構ある。
ブックス・アンド・カンパニーを舞台にしたリン・ティルマンの『ブックストア』や、アリーゴ・チプリアーニの『ハリーズ・バー』はいまでも僕の愛読書だ。
良い場所には良い物語がある。
でもその物語が小説であることは少なくて、一つの場所を舞台にした作品は、小説ではなくノンフィクションやドキ