読書記録「1からの人的資本管理」

本の概要・選んだ理由
人材マネジメントの基礎的な本を複数学んでほしいと指示を受けた。大学時代の教授に何の本がよいかと相談した際に紹介していただいた本のうちの1冊。

新たな学び

  • 人事部が制度設計を行い、ラインマネージャーが制度の運用を行う。人事部は中長期的視点で全体最適を志向し、ラインマネージャーは短期的視点で部分最適を志向する。

  • 自分が学んだのはJDをベースとする職務等級制度。しかし現状のパナで行われているのは役割等級制度(=ミッション・グレード制/MBO)。役割等級制度は、組織の役割や経営戦略に照らし合わせて自分の役割や業務内容を定義する。それをベースに評価を行うが、職能資格制度(今までの日本的な人事制度)が一番の根底にある点には注意。まとめると、職能資格制度の上で所属組織の役割や経営戦略に沿った自身の役割を定義しそれに基づき評価する、というのが役割等級制度である。

  • AMO理論:Performance = Ability*Motibation*Opportunity

  • 組織社会化=仕事への社会化+組織文化への社会化。経験学習(自分で体験して学ぶ)と観察学習(職場で他の従業員の働きぶりを見て学ぶ)の2種類で進める。

  • リアリティショック:組織への所属前と所属後のギャップで生まれる負の感情のことで、組織への愛着や社会化に負の影響を与え早期離職に繋がる。

  • RJP(Realistic Job Preview)が①自己選択をするスクリーニング効果②ワクチン効果③コミットメント効果④役割明確化効果に+の影響をもたらす

  • 賃金管理=総額賃金管理+個別賃金管理。総額賃金管理とは全従業員に支払う給与の総額のことを指し、経営能力からいくら確保するか決定する。個別賃金管理とは、総額賃金管理の中から個別の従業員にいくら支払うのかを決定する。JDに基づき賃金を決定するのはこちら。

  • 日本の労働組合の特徴:①企業ごとに労働組合が結成されている②職種がミックスされた労働組合になっている③加入資格が正社員限定のことが多いこと。またナショナルセンター(例:連合など)→産業別組合(例:電機連合)→企業別組合という階層別になっている

学びの強化

  • 成果主義という名の人事制度は色々幅広い意味合いで使われているので注意

  • 期待理論=業績の達成見込み*報酬への反映の妥当性*報酬の内容

  • インクルージョン:職場に受け入れられつつ、自分らしさを発揮できている状態

ネクストアクション

  • 自分が学んできたHRの内容はとにかくJDをベースにした内容であり、実務で使うには若干不足していることを改めて理解した→日本企業(つまりは日本の労働法やメンバーシップ型雇用における人材マネジメント)に関する体系的な本をもう少し読み、そこから具体の内容については専門知識を深めていくのがよいのでは

  • とはいえ逆に周囲が学んできていないことが背景にあるのは強み。→定期的に大学での講義内容を思い出すために復習する。または海外での人事職の資格が複数存在するのでそれの取得を長期的には考えてもよいのかもしれない。

  • 法律関連についてはその詳細を常に記憶し続けるのは難しいので、適宜参照できるよういくつか書籍を購入して保管しておくのもよいかもしれない

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