読書記録「行動経済学が最強の学問である」(相良,2023)

選んだ理由

  • 学際色の強いPA領域において、理論的背景として行動経済学を学習したいと思っていた。その仮定でファーストステップとしてこの本を選んだ。

新たな学び

  • 認知の癖→状況→感情の順に行動に対する影響が強い

  • システム1:直観による判断 システム2:熟慮による判断。以下の状況のときシステム1による判断がなされやすい(熟慮せずに直観的な判断をする)

    • 疲れている時

    • 情報量が多い、選択肢が多いとき

    • 時間がないとき

    • モチベーションが低いとき

    • 情報が簡単で見慣れ過ぎているとき

    • 気力・意思の力が低いとき

  • システム1による判断を妨害する方法(きちんと熟慮させる):あえてひっかかりを作る(意識を向けさせたい文章の一部だけフォントを読みにくくする、等)

  • メンタル・アカウンティング:心の中で無意識的に何にいくらお金を使うか決めていること(お酒一杯いくらという基準を無意識的に作りそこから判断をすること)

  • ホットハンド効果:ある事象が連続して起きているとき、次も同じことが起きるだろうと思い込んでしまっていること

  • アンケート回答はシステム2、しかし実際の行動はシステム1で判断されるとずれがある(購買リサーチ等でよくあるシステム)

  • フットインザドア効果:事前に受け入れた小さなお願いの後、大きなお願いをされると人は非合理的にも受け入れやすくなる。これとBATNAを活かして交渉を有利にしよう

  • 計画の誤謬バイアスに対抗するためには、スケジュールを「最悪シナリオ」にする

  • 人は快楽適応によって慣れやすい生き物である。楽しいことは少しずつ、嫌なことは一度にやってしまった方がいい

  • 情報オーバーロード:多すぎる情報によって判断や行動が歪められること。選択オーバーロード:多すぎる選択肢によって判断や行動が歪められること。ただし人間は情報も選択肢も多い方を好む

学びの再確認

  • 初頭効果:一番最初が記憶に一番残るvs新近効果:一番最近のが記憶に一番残る

  • 自律的バイアス:「○○してほしいが、AとBのどちらがいい?」とすると、認知的不協和によって○○して欲しいの部分は承認されやすい

  • 促進焦点:+思考にモチベーション 予防焦点:-思考にモチベーション

ネクストアクション

  • 体系的な学習ができたかどうかは疑問が残る。教養本の域を出ない印象があった。

  • 「行動経済学」(室岡,2023)に手をだす。

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