イツキ@食品メーカーの中の人

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食品メーカーに勤めています。noteはXのまとめやXで書くにはキャッチ―ではないキャリアの話や価値観の話、日々の思索をつづっていきたいと思います。Amazonのアソシエイトとして、当アカウントは適格販売により収入を得ています。

最近の記事

【Xアーカイブ】伝統食品でもまだまだ進化していることを、日本が誇るスーパープラントベースフード・豆腐を例にして語ろう。

※トップ画像は相模屋食料株式会社HPから引用しました。  伝統食品でもまだまだ進化していることを、日本が誇るスーパープラントベースフード・豆腐を例にして語ろう。  2012年、突如それは襲来した。まだ覚えている人も多いだろう、そう、「ザクとうふ」である。  ちなみに僕はガンダムは全然詳しくない。00しか見たことない。  ……ほんとだよ?  これを販売したのは今や年間400億円を売り上げるメーカーとなった相模屋食料。 最近だと、「ビヨンドとうふ」や「ひとり鍋シリーズ」と

    • 【若手社員・投資初心者向け】会社の持株会に加入すべきか論争に終止符を打とう

       こんにちは、食品メーカーの中の人です。 今日は食品の話ではなく、投資の話をします。  食べ物の話は↓とかおすすめです。ぜひ読んでみてくださいね。  さて、上場企業にお勤めの方だと、福利厚生に「持株会」という自社株を購入できる制度がある方も多いと思います。  大抵新入社員の時に最初の募集がかかるので、意味が分からないまま入った方も入らなかった方もいると思います。  先輩に聞いても、入れという方もいれば別に入らなくてもいいという方もいて「結局どっちなんだよぉ……」と枕を涙

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      • Amazon BLACK FRIDAYで買うべきアイテムのご提案【本版】

         というわけで本版です。本以外版はこちら。あとから見返したらAnkerばっかりで泣いたわ。 「本読む方ですか?」と聞かれると、多分僕は本かなり読む方です。マンガも含めていいなら、月に万単位で使ってるのではないでしょうか。マンガと一般書の割合はともかくとして。  結構積読も多いんですけどね……まだちらほらある……。  本はもっぱらスマホで読みます。なので、基本紹介はkindle版になります。本はほとんどkindleに集約してますが、単純に置く場所がなくなるからです。元々持

        • Amazon BLACK FRIDAYで買うべきアイテムのご提案【本以外版】

           最初に謝ります!  ごめん!  本当に書きたいから書くだけの記事です!!  ちょっと身の上話をしますとね……。  僕、ガジェットとか買い物とか大好きなんですよ、ホントに。  そして、レビュー記事とか大好きなのです。  いつかAmazonアソシエイトプログラムに認証されたら、絶対一度は商品レビュー記事書いてみたいと思っていたのです。  そしたらついに、認証されたのですね。  そしてついに、BLACK FRIDAYがやってくる!  だから書きます!!  うおおお!!!

        【Xアーカイブ】伝統食品でもまだまだ進化していることを、日本が誇るスーパープラントベースフード・豆腐を例にして語ろう。

          【Xアーカイブ】今後10年くらいの現実的な食品のトレンドはやっぱり「冷凍」なんじゃないかって話

           今後10年くらいの現実的な食品のトレンドはやっぱり「冷凍」なんじゃないかって話をしよう。  とはいっても、未来を完全に予測できる人なんて誰もいないので、この話は完全に予想です。根拠のようなものは出すけど、正確なソースとかは期待しないでほしい。  あ、トップ絵は『「冷凍食品の進化」をテーマにポップでキュートなイラストを描いて』という、クリエイターの人にぶっ飛ばされそうな依頼をAIに投げたら描いてくれたものです。かわいい。  食品の未来には夢がある。  特に昨今、フードテッ

          【Xアーカイブ】今後10年くらいの現実的な食品のトレンドはやっぱり「冷凍」なんじゃないかって話

          料理教室で父親の料理について考えさせられた話

           食品メーカーの開発には、プロのシェフとの接点がある。  食品メーカーで研究開発に携わっている人間には、栄養士を持つような食品についてみっちり学んできた人間よりも、大学院卒でカップラーメンをすすりながら遺伝子と向き合ってきたような、料理とは無縁の人間が多い。  そんな彼らは、当然ながら味づくりなど人生でしてきたことがない。  そんな時に、プロの技を叩き込んでくれるのがシェフだ。食品メーカーは、そういったプロの技術・味づくりを学び、どうやったらお客様が家庭で簡単に再現できる

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          食品加工技術としての酵素について語ろう

           こんにちは、旧研究人材のイツキです。  日頃からXやnoteで分析技術とか商品レビューとかいろいろ語っておりますが、では私の専門の技術領域は何かというと、酵素処理に関する技術になります。これは、社内外に胸を張って言えるレベルでの話。  というのも、私は19歳の時に酵素に夢を抱き、入る研究室も決めたうえで大学を志し、酵素処理技術で商品を生み出すためにメーカーで就職を決めていたのです。手段から何をやるかを決めるという、コンサルとかには喝破される方法で人生を決めてきました。

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          【Xアーカイブ】ヤマサとキッコーマンの醤油商品の事例から、食品における容器・包材の重要さについて語ろう。

           醤油のパラダイムシフトが起こったヤマサとキッコーマンの事例から、食品における容器・包材の重要さについて語ろう。  2010年に、醤油にとって大きなパラダイムシフトが起こった。  ヤマサが発売した「鮮度の一滴」という商品の全国発売である。発売自体はその前年からエリア限定で行っていたが、評判が良くて全国展開になった。  評判が良いのも無理はない。実際に僕も初めて食べた時はそれはもう驚いたものだ。  「あれ、醤油ってこんなに明るい色で、香り高いものなの?」と。  30代

          【Xアーカイブ】ヤマサとキッコーマンの醤油商品の事例から、食品における容器・包材の重要さについて語ろう。

          【Xアーカイブ】東洋水産「パリパリ無限キャベツのもと」と、日清食品「キャべサラダ」の話をしよう。

           東洋水産「パリパリ無限キャベツのもと」と、日清食品「キャべサラダ」の話をしよう。  なお証明は出来ないけど僕はどちらの会社にも属してないので、完全に推測の話です。  思い切り的外れかもしれない前提で聞いてほしい。 「パリパリ無限キャベツのもと」は、東洋水産が2018年に出した商品で、もう今や完全に売り場に定着したから食べたことがある人も多いだろうし、食べてなくても見かけたことはあると思う。  いやー、売れに売れたよね。当時はカットキャベツが概ね売り場に定着した頃っての

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          ベースフード社の事例から、食品の安全と安心を語ろう

           ちょっと話題があるうちにシュバって書いてしまうことにしました。  はじめに言っておくと、僕はBASE BREADの愛用者です。全種類食べたうえで、チョコレート味しか食べ続けられないと思ったのでチョコレート味しか食べていませんが、おそらくこの記事を読んでいる大多数の方よりBASE BREADを食べてきたと思います。  案の定今回の件では「あれ大丈夫?」という反応を受けました。チョコレート味は回収対象じゃないので大丈夫です。ありがとうございます。  さて、今回のカビ騒動は

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          ベースフード社の事例から、食品の安全と安心を語ろう

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          【食品研究職向け】なんか新商品に他部署の人がノってくれない時のガイドライン【前編】

           こちらのツイートの補足になります。  画像は透過処理がかかっておかしくなってるので、↓の通りです。  いい製品が出来そうだ。  スゲー技術が出来た。  ……その割に、他部署の人は全然興味を示してくれない。  こういった経験は食品メーカーで研究開発を行っていると良くある。  何となく理由はわかる気もするし、わからない気もする。そんなときに使っていただきたいのが、上の表に示したガイドラインです。  ただし、「お客様へのニーズがあるか」のような基本的な要点は前提だと思って

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          食品におけるフリーズドライ技術について語ろう

           食品の保存方法の中でも、乾燥させるというのははるか過去から活用されてきた方法の一つだ。魚、肉、果物……こうした食品は適切な方法で乾燥させることにより、生の状態よりもはるかに長持ちさせることが出来る。  現代においては、乾燥させるのは固形物だけでなく、牛乳や果汁、卵液なども乾燥させる対象となっている。  一番メジャーな方法はスプレードライと呼ばれる方法で、巨大なタンク(もしくは小さい体育館のような箱)の中で熱風を循環させ、そのタンクの中に向けて霧状の液体を放出させると一瞬で

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          食品企業の研究リソースは、機能の追究だけではない方向にももっと使われるべきではないか(発散)

           以下のツイートを補足する記事です。  僕は研究所時代、機能性食品向けの素材開発をテーマとして抱えていた。また、機能性表示食品向けではなくても、食品に特殊な機能を持たせるような素材開発がメインの仕事だった。  付加価値をつけること、それが資本主義社会において利益に結び付くのは当然のことである。今でもそこに対しては間違いだとは思わない。  ただ、付加価値というのは本当に「食品としての機能」だけなのか?  その点には、当時は疑問に思っておらず、今は強い疑問を抱いている。  

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          研究開発から異動して気付いた、他の部署でも活用できるスキル

           こんばんは、旧研究人材のイツキです。  いきなりですが、研究開発職に就く人というのは、かなり研究開発という仕事そのものへのこだわりが強いことが多いです。  企業で研究開発の職に就こうと思うと、一般的には修士以上の学歴が求められます。  大学全入時代と呼ばれて久しいですが、その中で大学院まで行く人というのは「もっと学びたいことがある」もしくは「その後の人生で修士号/博士号を活用してキャリアを構築する」ことを早々に決め、小学校以上の長さの時間を大学で過ごそうとしている、ちょ

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          食品工場の自動化が難しい理由3つ

           人材不足が叫ばれて久しいが、工場はそのあおりをモロに受ける職場の1つだろう。そして食品メーカーの工場というのは、その中でもさらに厳しい環境にあるのではないだろうか。  どれほど大きい食品メーカーでも、工場のラインを動かしている人の多くはパートやアルバイトが中心です。特に食品工場の場合、長く働いてくれいているパートの人が多い。端的に言い換えれば高齢化が顕著。  無理もない。若い人はそりゃホワイトカラーで働きたいよね。  私の勤務先も当然ながら、工場の人手は不足しています。

          食品工場の自動化が難しい理由3つ

          そろそろ野菜酵素なるもの止めませんか~酵素について語ろう①

           何かあるとエセ科学がはびこるのは昨今のコロナ禍でも痛感されている通りかと思いますが、こと食品においては非常に正確性に欠ける情報がまるで真理かのように謳われることがしばしばです。  これは食品という題材があまりに身近すぎて、誰でも語れるものだからだと思っています。ご飯を食べない人はいないし、何らかのこだわりは多かれ少なかれみんなあることでしょう。  その中には、自分にとっては良いものであったという体験や、宗教、最近ではヴィーガンやベジタリアンのような信念、その他色々なもの

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