いつき@食品メーカーの中の人

食品メーカーに勤めています。noteはXのまとめやXで書くにはキャッチーではないキャリ…

いつき@食品メーカーの中の人

食品メーカーに勤めています。noteはXのまとめやXで書くにはキャッチーではないキャリアの話や価値観の話、日々の思索をつづっていきたいと思います。Amazonのアソシエイトとして、当アカウントは適格販売により収入を得ています。

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ヤマサとキッコーマンの醤油商品の事例から、食品における容器・包材の重要さについて語ろう。

 醤油のパラダイムシフトが起こったヤマサとキッコーマンの事例から、食品における容器・包材の重要さについて語ろう。  2010年に、醤油にとって大きなパラダイムシフトが起こった。  ヤマサが発売した「鮮度の一滴」という商品の全国発売である。発売自体はその前年からエリア限定で行っていたが、評判が良くて全国展開になった。  評判が良いのも無理はない。実際に僕も初めて食べた時はそれはもう驚いたものだ。 「あれ、醤油ってこんなに明るい色で、香り高いものなの?」と。  30代以上

    • Amazonプライムデーで買うべきアイテムのご提案

       思えば、Amazonプライム会員になってから15年になります。  社会人になる前からプライム会員だったわけですが、その間色々ありました。値上げ。クレジットカードの廃止と再開。謎の中華製品ラッシュ。  それでもこの期間、自宅を除けば一番お金を落としてきた相手はAmazonで間違いありません。  そんなわけで、年に一度のプライムデーです。 Amazonでたくさん買い物すべき日は、プライムデーかブラックフライデーと相場が決まっています。  名前の通りプライム会員限定セールな

      • 2024年6月に見かけた面白い食品

         何とか忘れませんでした。先月はこちら↓  例によって、これは私が今月中に見つけた商品であって、今月発売された商品ということではありません。単純に初めて見かけた・認識したものを紹介していくコーナーということでご了承ください。 1.近大バラちらし寿司 「えっ、加工食品じゃねーのかよ」という声が聞こえてきそう。外食書くの多分今回が最初で最後にしますが、ちょっと語りたかったのよね……。  というわけで、最近にわかに話題の近畿大学水産研究所が運営しているお店です。大阪グランフロ

        • 【2024年度版】食品以外の事業を展開している食品メーカー・時価総額上位30社まとめ

          「もう食品の仕事は飽きた!!!」  もしかしたら、そんなことを思う瞬間が、5年後・10年後にあるかもしれません。私はありました。いや、そんな深刻な話ではないのですが。  人生長いですし、20代で決めたやりたいことを60代まで貫き通す理由は特にないはずです。好きな仕事だと思っていても、40年以上同じテンションで仕事は出来ません。  しかし、食品メーカーの中にはメインが食品なだけで、食品以外の事業・研究をしている会社はたくさんあります。  そういう会社に就職すれば、食品の仕

          ¥500〜
          割引あり
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        ヤマサとキッコーマンの醤油商品の事例から、食品における容器・包材の重要さについて語ろう。

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        • 食品について語ろう
          10本

        記事

          食品の消費期限/賞味期限と安全率について

           賞味期限が切れてしまった食品が冷蔵庫や戸棚から出てきたとき、「コレ食べれるの?」と悩んだ経験のない方はほとんどいないのではないかなと思います。 「1日くらいなら……」とか、「1週間も過ぎてる……」とか、「5年前だ……(絶望)」とか、まぁいろんなケースと思惑があるかと思います。僕も独身寮を出た時に、押し入れから入社した4月に買ったX年物のペヤングが出てきたことがあります。  さすがに泣く泣く捨てました。フードロスはよくないよ。  それはさておき、よく言われる話ですが世の中

          食品の消費期限/賞味期限と安全率について

          2024年5月に見かけた面白い食品

           突然ですが、毎月末にその月に見かけた面白い食品を紹介していきたいと思います。  というのは、まぁ職業柄色々なものを試しているわけですが、こういうのって何かにアウトプットしていかないとすぐ忘れちゃうんですよね。  すぐ忘れるくらいの物なら大したことないもの、という話もあるのですが「なぜそれを手に取ったか」みたいなところは残しておくと自分の勉強にもなるかな、とか。  なお、これは私が今月中に見つけた商品であって、今月発売された商品ということではありません。単純に初めて見かけ

          2024年5月に見かけた面白い食品

          心が痛むなら、歯を抜いてしまえよ

          「好きな人が、出来ました」  その言葉に動揺しなかったのは、彼女が姿を見せた時にすでに察していたからだったかもしれない。  いつも僕が来る前には待ち合わせ場所にいる彼女が、今日に限って僕よりも遅く現れたり。ミスドが大好きな彼女が、カフェオレしか頼まなかったり。そして、その左手の薬指にいつもはめていたペアリングが無かったり。 「……そっか」  そう、そもそもそんな話になるのではないかと思っていたのだ。  学会で海外に行ってくるといった彼女から連絡が来たのは、帰国したはず

          心が痛むなら、歯を抜いてしまえよ

          健康食品を食べる前に、体内をハックできているのか

           以前こんなツイートをしました。  世の中「健康になる」という食品はメチャクチャあります。食品として「美味しいもの」「安全なもの」が一通り出そろってしまった今、一番わかりやすいのは「健康」を訴求することで、実際大手食品企業でサプリや機能性食品を扱っていない会社はほとんどありません。  しかしそうした商品は多くある一方で、本当にそれがその人に適した商品なのか? というとそれはまた別の話です。  お酒が強い人と弱い人が一番わかりやすい例だと思いますが、摂取した食品がどう代謝

          健康食品を食べる前に、体内をハックできているのか

          つぶあんが好きな人はコーンスープでも粒がある方が好きなのか

          趣味:スーパー巡りになりつつあるいつきさんです。こんにちは。  いきなりどうでもいいですが、僕は汁物が好きです。なんていうか、スープとかみそ汁とかどうしても欲しい人で。  ただ、作るのもそれなりに手間なのでインスタントのスープやみそ汁に頼ることも多いのですね。そして先日クノールのコーンスープに手を伸ばそうとしたとき、ふと気づいたのです。 「あれ、俺、粒タイプのコーンスープしか買ってないな……」  そうなのです。コーンスープって2種類あるじゃないですか。粒が入ったやつと

          つぶあんが好きな人はコーンスープでも粒がある方が好きなのか

          理想に近かったお弁当を食べて思う、健康に良い食事とは

          今回は「私は食品をこういう風にとらえています」という内容を含みます。 「本当に健康に良い食材」みたいなニュースとか記事とか、よくありますね。逆もまたしかりですが。↓の記事みたいなやつ。 こういう「健康に良い食べ物」とか「健康に悪い食べ物」という二元論はわかりやすいですが、それ故に多くの誤解を招いていると思います。 というのは、こういう議論って「量の概念」を無視しがちだからです。 「健康に良い・悪い」より「少しでもヤバいか・たくさんだとヤバいか」よく言われる話ではありま

          理想に近かったお弁当を食べて思う、健康に良い食事とは

          食品表示から配合を推測してみる試み

           ハローボンジュール、いつきさんです。  実はこんな依頼をXでいただいておりました。2月に。本当に遅くなってごめんなさい……。  だいぶご依頼から間が空いてしまったのですが💦、ただざっくり返すだけだとつまんないかなーと。  せっかくなので僕がどんな風に食品表示を見てるのかというところを、消費者の皆様にも知ってもらうと面白いのかもというところで、じっくり記事にしてみようと思った次第です。  とはいえあまりこういうのやったことないので、見方は特殊かもしれません。一般的に食

          食品表示から配合を推測してみる試み

          食品における消泡剤の必要性について語ろう

          先日シリコーン樹脂が少し話題になっておりました。 シリコーン樹脂ですが、用途としては消泡剤として使われます。消泡剤とは文字通り、泡を消すために使う食品添加物です。 正直気持ちはわかる気もするのです。「シリコーン樹脂」、字面だけならシリコンのペコペコの容器とか想像しますよね。タイヤの原料の天然ゴムは炭化水素鎖で出来ているので、シリコンも関係ないんですけどね(嫌われる言い回し)。 シリコンとシリコーンの違いは信越シリコーンさんのページが分かりやすいので貼っておきます。ケイ素

          食品における消泡剤の必要性について語ろう

          第42回(令和5年度)食品ヒット大賞レビュー【後編】

          そんなわけで食品ヒット大賞レビュー後編です! あ、これもPR記事ってことにしておきます! 自社製品が入ってたらPRになってしまうのでPR記事と言っているだけで、自社製品が入ってても入ってなくても単なるレビュー記事でしかないです! 本当に自社製品が入ってるかは言いません! カモフラやで! 前編はこちら! よっしゃサクサクいくぞー! 11.アサヒスーパードライ ドライクリスタル 個人的には今年一番気に入った商品だったりする。 実は僕は、普段の夕食ではほぼノンアルビール

          第42回(令和5年度)食品ヒット大賞レビュー【後編】

          第42回(令和5年度)食品ヒット大賞レビュー【前編】

          【はじめに】 さすがにこれだけ紹介する商品が多いと、自社商品を紹介している可能性があるので、この手のレビュー記事はPR記事ということにします。 商品画像は各社HPから引用しております。 では本題。 君は食品ヒット大賞を知っているか!? はい。食品業界の皆様しかあまり関心を持っていない、その年のヒット商品を表彰する会です。主催は日本食糧新聞社で、毎回ホテルニューオータニで派手な表彰式、もとい経営者の集いが行われています。 今回は、そんな食品ヒット大賞・優秀ヒット賞の受賞

          第42回(令和5年度)食品ヒット大賞レビュー【前編】

          「食べるラー油」の事例から、ヒット商品の難しさと食品開発の醍醐味を語ろう。

           桃屋から「辛そうで辛くない 少し辛いラー油」が発売されたのは2009年のことだった。  ちなみにこの商品が発売された背景に、その前から「沖縄系ラー油」と呼ばれた「具材入りラー油」が少しずつ広がりかけていたということがある。  しかし、この商品が日本全国にもたらした爆発はその比ではなかった。  僕は、初めて食べた時の衝撃を今でも覚えている。  ラー油ってそれまで餃子食べるときにしか使ったことがなかったのよね。  でもこれは、食べた瞬間に新ジャンルだと思った。  ザクザ

          「食べるラー油」の事例から、ヒット商品の難しさと食品開発の醍醐味を語ろう。

          自己紹介とサイトマップ

          はじめまして。 食品メーカーに勤めている"いつき"といいます。 Xをメインに活動していますが、noteではXで書いたまとめや、Xではなかなか説明しにくい食品の面白いトピックなどを、技術・市場・マーケティングなど、色々な形で切り取ってご紹介できればと思います。 だいたいの記事が4,000~5,000文字くらいと多めです。 読みごたえだけはあります。 趣味はゲームと家電と食べ歩きですが、あんまりこの辺の記事は書かないかもしれません。書きたい気持ちをとてもこらえています。 サム

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