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いつかの肴
2020年4月29日 22:23
最初の語り手は「のれん」だった。店先に下がっているあの「のれん」だ。次の章の語り手は「自転車」。目の見えない店主の代弁するかのように特殊な語り手から語られる世界は、文章を読んでいてもありありと伝わってきた。最後の章の語り手は白猫。人が「ねこ」と呼んでいる招き猫と自分のフォルムが違いすぎることに違和感を覚えているあたり、本当に猫から見た世界、といった感じだ。 商店街の端に位置する「あずかり