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地獄エレベーター〜丸くなるな星に?なれ〜

ユメコは今日も夢を見た。
その日、ユメコは東京のどこかに泊まっていた。
マンションみたいな所の2階の部屋。
何の目的で来たかもわからないけど、寝ていた。
明け方、トイレに行きたくなって。
そういえば、トイレは1階に行かないとないんだった…
面倒だけど、眠気よりも尿意が強い。尿意よりも眠気が強い時はそのまま寝てしまう事も多いが、今日は尿意が強い。
歳を取ると、尿意が強い。
困ったもんだ。
しかし、何で1階にしかトイレがないんだ?
ここの住人はどうやって日々、尿意と戦っているのだろうか?
尿意ならばまだいいが、お腹を壊した日にゃ、えらい事になってしまう。
そんな事を考えながら、部屋に帰ろうとエレベーターを待っていたら、隣に永野芽郁ちゃんがいた。
永野芽郁ちゃんもここの住人?
まさか〜!
こんな尿意と戦わないといけないような所に住んでる訳ない。
でも、どう見てもホンモノだ。
芽郁ちゃんが「ボタン押すの任せたよ」と言う。
エレベーターのボタン押すくらいなら、任しとけと思いながら、やっぱり、声も永野芽郁ちゃんだなと思って、ボーっと見ていた。
それはそうと、エレベーターはバカみたいデカくて、10人くらい乗っていた。
こんなに広いエレベーターだったっけ?
2階のボタン押さなきゃ。
アレ?2が押せな〜い!
閉まるボタンもどれ?
よくある開閉ボタンじゃなく、物凄く上の方にボタンがあった。
何だこれ?何の罰ゲーム?…

そもそも、エレベーターの開閉ボタンってわかりづらいのが多い。開けたつもりが、閉めてしまって、おっさんをドアに挟んでしまったなんて事は結構ある。
挟むのは何故か、いつもおじさんなのだ。
開と閉も字が似てるし、老眼だともう無理難題。
三角の開閉ボタンも、一瞬どっちだっけ?となる。
この、エレベーターのボタン問題は何とかして欲しい。
日本エレベーター協会(そんな協会があれば)の方、何とかして下さい。

2階のボタンを押せなかったユメコは、上の階まで上がり、その度に増える人々を乗せて降ろして、その階ごとに変わるボタンをクイズみたいに解きながらを繰り返していた。
永野芽郁ちゃんは、アタフタするユメコを見て隣でニコニコしていた。
そうこうしているうちに、永野芽郁ちゃんが降り、2階に帰りたいユメコは必死でボタンを押していた。バカ広いエレベーターは舞台の幕くらいの幅があり、何ならいつの間にか、エレベーター内に畳の間まであった。エレベーター内にくつろぎスペース必要なの?
小さい子供やお年寄りも多く、浴衣姿の人も多い。
ここって一体なんなんだ?ホテルだったっけな?
閉めるボタンを押しても、ベビーカーがはみ出てたり、おじいちゃんが駆け込み乗車してきたり、なかなか、動けない。
ねぇ、この中に尿意と戦ってる人いるの?
ねぇ、向こう側の人もボタン押して?
と問うてみたかったが、何しろ舞台みたいな広さなので、ガヤガヤしている。
ある階に着くと、永野芽郁ちゃんが浴衣姿で宴会をしていた。
エレベーターが開くとダイレクトで宴会場だった。畳to畳で。
朝なのに宴会。
ユメコは訳のわからんエレベーターを降り、永野芽郁ちゃんに、「あの〜 永野芽郁ちゃんですよね?」と問うてみた。
一瞬の間があって、「違います」と言っていたが、一瞬の間が、私はホンモノです。と言ってるようなものだった。
写真を撮りたかったが、何しろトイレ行くのに、部屋から出ただけなのて、スマホも無ければ私はただのパジャマにすっぴんメガネのドブスのおばはんだ。
クリクリお目々の永野芽郁ちゃんとは、死んでも並んで写真に収まりたくない。
その時、エレベーターの中から、「こらぁ、ボタン押し係!早く来い!」と…
叫んでいるのは、酔っ払いの姉だった。
私?ボタン押し係?私が?
そういうのは、エレベーターガールというのでは⁈
いや、エレベーターガールなら、給料下さいよ〜!
姉に首根っこをつかまれて、バカ広いエレベーターに連れ戻され、また、2階ボタンを押せずに無給でボタン押し係を続けた。
そうこうしているうちに、また尿意が…
「姉ちゃん、トイレ〜ボタン押し係代わって〜」
トイレはエレベーター内に備え付けられていた。
もう一体どういう事だ。トイレで一息ついたら次の瞬間、布団で寝ていた。
目が覚めた時、本気でオネショを疑った。
この歳でオネショなんてしたら、もう人として終わりだ。
今回はセーフ。
朝から、ドキドキさせないで、芽郁ちゃん!

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