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ネ・レ・な・いmiddle age

ユメコは今日も夢を見た。
ユメコの会社の社長が本社から来た。
社長には大体、取り巻きが付いてるとは思うけど、うちの社長には200人くらいの取り巻きが居た。
なんでも、新しいプロジェクトが立ち上がってそのチームらしい。
200人も来るとは聞いてないよ。
ユメコの部署に挨拶にいらっしゃって、200人がぎゅうぎゅうでその日はてんやわんやだった。
ユメコは関係ない話だと思って、話半分だけ聞いていた。
チームはプロジェクトが終わるまで、会社に寝泊まりするという。
プロジェクトチームは若い人(チャラそうな)が大半だった。
若くてチャラいとはいえ、会社に寝泊まりさせるとはどういうことだ。会社のどこにそんなスペースがあるのよ?ホテル取ってあげたらいいのに。

社長もずっと会社に滞在するらしく、この際だからと社員と1人ずつ面談するらしい。
いい歳して人見知りなユメコはしゃちょーとメンダン、怖いよ〜
と思いつつ、面談の列に並んでいた。
あと2人でユメコの番となったところで
「ユメコさんはちょっとこちらへ」
と女性に別室に連れて行かれた。

ドアを開けて、入った別室は見たことのない部屋だった。
畳の間があり、キッチンがあり、奥のベッドでは子供が寝転んで遊んでるようだ。
女性はここは自分の部屋で、子供も連れて来たので個室なのだそうだ。
「ユメコさんは今日から、新しくオープンする雑貨店の準備を手伝ってもらいますので、さっそく制服に着替えて下さい。」
面談わい?私の意向わい?
断る権利なし?
雑貨店てなんで?
業種が全く違うんですけど…
でも、雑貨は好きなのでしょうがないな、面白そうなので
「はい」と大人しく制服に着替えた。
一旦外に出ると、庭があり、そこから繋がって店舗があった。
モールの様な作りになっていて、雑貨店だけではなく、他にも店が出来るっぽかった。
何人かの若い女性が既に、アクセサリーを箱から出したり作業をしていたので、ユメコも手伝った。
個室の女性は他の女性に社長と呼ばれていた。
ふむ、話半分に聞いてたから分からんけど、新しいプロジェクトで新会社の社長になったのだろう。
社長が「これから、商品を仕入れに行きます。皆さんの好みの雑貨を買い付けて来て下さい。はい、宜しく!」とさっさとどこかへ行ってしまった。
えーと、そうは言われても買い付けなんてしたことないので、どこに行けばいいか分からなかった。
どんな店になるのか、何も説明されてないしな…
ユメコと女性を乗せた車はとあるショッピングモールに着いた。可愛いステンドグラスのランプがあった。
好みのって言ってたし、自分が欲しいと思ったのでとりあえず、あるだけ買った。台車がいるわい。
ランプを一旦置き、今度は台車を持って観葉植物を買った。ありったけ。
楽しい。

そろそろ、終業時間だ。
他の女性は誰も居なかった。
社長の家に行き、「あの〜、買って来ました。あとどうしましょう?」と聞くと、「レイアウト任せたわ、やってみて」
「今からですか?他の人は?」
「あなたが指示出して、手伝ってもらって」
うむ、今からだと今日中には終わらんぞ、無茶振りが酷いぞ、新社長よ
「ひとまず、店の広さとモノを確かめて考えてから作業したいんで、今日の所は、確認だけして、店の図面もらって家で考えて来ても良いですかね?時間も過ぎてますし…」
「時間?あー、もうこんな時間?先にご飯にしましょう。」
「隣に飲食店も出すから、そこで適当に作ってくれる?」
おー、すっごい事言うよねー?
こっちは、若くないんぞ?いつまで働かせるつもり?
適当て、ご飯は適当では美味しいモノ作れんのんで!
他の200人はどこでご飯食べてるんかい?
それを食わせんかい!
心の声はブチ切れてるのに、何も言えなかった。
飲食店に行くと、大勢が既に食べた後っぽかった。
なんだ作る人いるじゃん、もう、疲れたからビール飲みたいわい…
社長は汚れたテーブルを見て、「とりあえず片付けてくれる?」
おーい、人使い荒いなー!
はいはい、やればいいんでしょ、やれば。
テーブルをふきんで拭いていると、「雨降って来たよー、ヤバいよ」と本物の社長がやって来た。他の人達もいっぱいいる。
「はいはい、みんな地下に行って〜」
地下?
地下に行くには、梯子を降りないと行けなかった。怖いんですけど、下真っ暗だし。何でよ?
先に降りた人も後から来る人もどんどん進むのでついて行くしかない。
地下に着くと、新社長の家だった。

この辺でこれは夢だなと気づいたが夢は続く。
社長の家の時計は午前4時だった。
いつの間に、こんな夜更かしした?
奥の奥の部屋に布団が敷いてあった。
「もう寝るでしょ、寝ていいよ」
ご飯食べたっけ?
もう、いい、眠い。布団で眠れるだけで幸せ。
しんどい1日だった。

瞬きしたら朝だった。
気がつくと芝生の上で寝ていた。全然寝た気がしない。布団を抱えて社長の家を探していたら、奥田民生氏が弾き語りをしていた。
よく見たら人がいっぱい居た。
奥田さんの目の前に布団を敷いて寝っ転がった。
「特等席だね」
「うん、とっても眠いんだ」
「ネロか?」
「ふふふ」
奥田さんと会話しているというのに眠くて眠くて
でも、弾き語っている奥田さんの曲(トリッパー)にノッて起きてしまった。
そしたら、夢から醒めてしまった。
あー、残念。もっと聴きたかったのに。
何の話なの?これ?
完全に寝不足だよ。

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