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みんなで作るプレミアリーグ通信簿 〜ワトフォード編〜

はじめに

今回はDan.(小津 那)さんにお声掛けをいただいて、ワトフォードの通信簿を書くこととなりました。こうして文章を書くことは初めてで拙い文章ですが、読んでいただけたら幸いです。

残留した17位アストンヴィラより1つ少ない勝ち点34の19位で終わった今季は記録、記憶に残るシーズンであった。昨年PL11位、FAカップ準優勝に導いたグラシアを第4節終了時点という早い段階で解任すると、最終的にはキケ、ピアソンと計3人の監督を解任した。これはプレミアリーグ記録である。さらに、第5節アーセナル戦ではシュートを31本放ち、これもPL最多記録である。ちなみにこの試合は度々の決定機を決めきれず、2-2で引き分けた。また、第28節リバプール戦では当時PL無敗を維持していたリバプール相手に3-0と完勝し、PL全クラブのサポーターにとっても記憶に残る試合となった。

GK

ベン・フォスター

評価:A | MVP |

プレミアリーグ歴代最多セーブを誇るベテランGK。リーグの月間最優秀選手候補3名にノミネートされた月もあるなど、失点を重ねる試合もあったが苦しいチームを何度もビッグセーブで救った。時折見せる軽率なミスが玉にキズ。37歳と高齢のため、去就が注目されたが、2年間の契約延長が発表された。個人的には降格後も残留してくれると思っているが、クラブ側はU-21スウェーデン代表・ダールベリを守護神として育てるプランもあると考えられる。

DF

ダリル・ヤンマート

評価:C+

元来スペランカー体質であり、出場試合数を年々落としている。しかし、出場した試合ではレギュラーのキコと比べても全く遜色のないパフォーマンスを披露。緊急時には左SBもこなせるため、控えとしては申し分のない選手である。過密日程が組まれた最終盤に負傷離脱しているのは残念でならない。最終節アーセナル戦でキコが負傷した際には、本来CBのマリアッパが右SBに入った。彼のクロスがあれば結果も変わっていたのかもしれない…

クレイグ・ドーソン

B+

即戦力として夏に加入し、序盤に多くの試合に出場したが、第13節バーンリー戦で負傷し、その後カバセレにポジション奪われる形となってしまった。しかし、リーグ再開後にキャスカートのコンディション不良で出番を得ると、チーム初得点を含む2得点を記録するなど、攻守ともに大活躍した。最終節アーセナル戦では2分のPK献上など軽率なミスを繰り返したが、誰も彼を責めることはできないだろう。

アドリアン・マリアッパ

評価:D

コロナ感染で話題になったDF。ユース出身のベテランであり、キャプテンマークを巻く試合もあった。しかし、致命的な"ポカ"をすることが多く、第26節ブライトン戦では1-0でリードしていた78分にオウンゴールを献上した。その試合後には、インターネット上で#MariappaOut の声が散見された。CBに加え両SBもこなせるため、ヤンマートが離脱した終盤戦にはSBの控えとして重宝された。契約は今季終了までであり、今夏での退団が濃厚である。

アダム・マシーナ

評価:B

35歳と高齢のホレバスに比べスピード面で大きく上回り、シーズン中盤戦以降、左SBのポジションを確保。積極的な攻撃参加が持ち味で、ロングスローも得意である。コロナ中断明け以降はパッとしないデキで、本職が右SBのキコに先発を譲る試合もあった。また、イエローカードがやや多いのが課題であり、今後の守備面の成長に期待。エストゥピニャンをレンタルから戻すと噂されており、来季は熾烈なポジション争いが予想される。

クレイグ・キャスカート

評価:B

今季DFとしては最も多くの試合に先発出場した。CBの相棒が目まぐるしく変わる中、常に一定のパフォーマンスを披露。特に強みはないが、大きな穴もなく安定していた。ドーソン、カバセレと比べると空中戦がやや苦手か。コロナ中断明けは負傷によるコンディション調整不足からか、先発出場は1試合のみだった。

キコ・フェミニア

評価:B

バルサとマドリーの両方のカンテラに所属したことのあるDF。効果的な攻撃参加に、守備も問題なくこなし、攻守に渡って活躍。スピードも十分で特に穴は見つからない。またヒューズとの相性が良く、2人のコンビネーションは一見の価値あり。緊急時には左SBにも対応できる選手である。元・指揮官のハビ・グラシアが新たに指揮官を務めるバレンシアが、獲得を狙っているとの噂あり。

ホセ・ホレバス

評価:C

高齢による衰えでスピード面が大きく落ち、裏を取られるシーンが目立った。シーズン中盤戦以降、マシーナにポジションを譲った。彼も今季で契約満了。オサスナに2年間のレンタル中のエストゥピニャンを1年で呼び戻す噂もあり、放出が決定的である。最終節にはチームに帯同もしておらず、ドイツで車を運転しているSNS投稿がされていた。

クリスティアン・カバセレ

評価:B

身体能力が高くエリア内でも果敢にスライディングにいく。それが裏目に出ることもあり前半戦では2度も退場した。それでも徐々に復調し、中盤戦以降スタメンを確保した。クラブで活躍し、再びベルギー代表に招集されたいところだ。

MF

トム・クレバリー

評価:D

出場した試合では一定のパフォーマンスを見せるものの、とにかく怪我が多い。能力だけで言えば、中盤では、ドゥクレ、キャプー、ヒューズに次ぐ4番手といった立ち位置。2ボランチに入るより、ドゥクレの位置(トップ下)に入ることが多い。http://spotrac.comによれば、同じ中盤のキャプー以上の給与を受けており、この額には見合った活躍はできていない。

ナサニエル・チャロバー

評価:C

中盤の期待の若手として期待されたが既に25歳。可もなく不可もなくという印象。そろそろスタメンを奪いたいところだが、ドゥクレ、キャプー、ヒューズとライバルは多い。コロナによる自粛期間中にグレイの誕生日パーティーに参加した際には非難もされた。おそらくドゥクレ、ヒューズは引き抜かれる可能性が高く、来季はキナと共に中盤を支える存在になるのではと考えられる。

アブドゥライェ・ドゥクレ

評価:A

ボールを運べ得点力も高く、守備にも走る、文字通りのボックス・トゥ・ボックス型の中盤として活躍。一昨季のチーム内得点王であり、その得点力を活かすためにシーズン中盤戦以降はトップ下の位置に入ることになったが、上手く適応していた。8月2日現在、具体的なオファーの話は聞かないが、昨夏に興味を示したエヴァートンなどのプレミアリーグの他クラブが獲得するのではと、筆者は予想している。

ウィル・ヒューズ

評価:B

本職はトップ下だが、左右のハーフやボランチも器用にこなしている。トップ下の選手にしては守備意識はかなり高いが、ファウルを犯してしまうことも多い。基本的に好不調の波が小さく安定している選手である。個人的には、ドゥクレと同様にプレミアリーグの他クラブに移籍して個人残留するのではと予想している。

ドミンゴス・キナ

評価:N/A

身長は高くないが、プレイスタイルはポグバに近い(?)攻撃的な中盤の選手。現在はカップ戦要員だが、課題の守備面を向上させ、リーグ戦での出場時間を増やしたい。来季のチャンピオンシップでは出場時間を与えてあげたい選手の1人である。

エティエンヌ・キャプー

評価:B+

昨季はリーグ最多のイエローカードを受けるなど守備が荒いと言われることもあるが、好不調の波が小さく、今季も安定していた。潰し屋としての側面だけでなく、効果的なサイドチェンジや縦パスも見られた。現在32歳であり、そろそろ後継となる選手が出てきてほしいところ。後継者との呼び声の高かったパプ・ゲイエはクラブと代理人間での契約に問題があり、取り逃がしてしまった。

イグナシオ・プセット

評価:N/A

冬の移籍市場で加入したが、チーム状況が苦しいのもあり十分な出場機会は得られていない(途中交代での出場のみ)。第23節スパーズ戦では91分にゴールライン上のクリアーで勝ち点1獲得に貢献した。サールの引き抜きが予想される右サイドの来季の先発候補の1人である。

ロベルト・ペレイラ

評価:D

元来好不調の波が激しく、今季は低調なパフォーマンスが多く、スタメンを外れる試合が多かった。デウロフェウが負傷離脱し、出番が回ってきた終盤戦こそ汚名を返上したいところだったが、守備に走る時間の長い試合も多く、相変わらず低調なパフォーマンスに終始した。今季終了後の移籍を希望する発言もあり、心ここにあらずだったか。

FW

ジェラール・デウロフェウ

評価:A | GREAT |

昨季のチーム内得点王。今季もチーム全体が低調な中で、4G5Aと負傷離脱した時点ではチーム内で最もゴールに直接絡んだ。(最終的には10G2Aのディーニーがトップである。)それだけに第28節リバプール戦での負傷離脱が残念でならない。来季のプレミアリーグは9月12日に開幕することが決定しており、開幕から先発起用することは難しいだろうが(当初の復帰予定は8月下旬)、人気銘柄に変わりはなく放出は不可避である。バレンシア、ミランなどが獲得の興味を示している。

トロイ・ディーニー

評価:B+ | GOOD |

キャプテンであり、精神的にも戦術的にも中心となる選手。第2節エバートン戦以降約3ヶ月の間負傷離脱してしまったのがグラシア監督(当時)には痛かった。怪我から復帰後は高パフォーマンスを見せた。やはりクラブ内で最も球が収まる選手である。離脱期間があり出場時間もやや少ないにも関わらず今季のチーム内得点王である。ウェルベックが好調だった終盤戦には、ウェルベックをCFで出せとのファンの声もあったが変わらず出場をし、大事なPKを幾つも決めた。第35節ニューカッスル戦ではPKキッカーを二度務め、両方とも真ん中に蹴り込んだ。スパーズとバーンリーが狙っているとの噂があり、今夏に移籍する可能性も…

ダニー・ウェルベック

評価:C+

ディーニー不在時にスタメンの出番が回ってきた第9節スパーズ戦では4分で負傷交代。リーグ中断までのパフォーマンスは最悪だったが、リーグ再開直前のブレンドフォード戦以降左ハーフでの出場が増え、出場時間の増加とともにパフォーマンスも向上。第34節ノリッジ戦では6試合ぶりの勝利を呼び込むバイシクル弾を決めた。これは自身18年以来のプレミアリーグでのゴールとなった。最終的には2得点に終わったものの、終盤戦では攻撃の中心として大活躍した。

ジョアン・ペドロ

評価:N/A

現エバートンFWリチャーリソンと同じ、フルミネンセから加入した若手ブラジル人アタッカー(18歳)。第32節サウサンプトン戦ではプレミアリーグデビューを飾った。最終節で左のハーフとして交代出場した際には、サイドからのカットインで見せ場を作った。彼も来季のチャンピオンシップで出場機会を与えたい若手選手である。

アンドレ・グレイ

評価:D | BAD |

ウェルベック同様、ディーニー不在時にスタメンの出番が回ってきたものの、球の収まりが良くなく、持ち味のスピードも活かせなかった。フィジカルの強いディーニーと2トップを組む際には相性が良いのだが…。コロナ自粛期間中には誕生日パーティーを開催し、非難された。FWにおけるチーム内の序列もウェルベックと完全に入れ替わってしまった。

アイザック・サクセス

評価:D

昨季まで背負っていた10番をウェルベックに譲った今季、リーグ戦では途中交代の5試合のみの出場と苦しんでいる。冬にはライバルとなるプセットやJ.ペドロも加入し、正念場を迎えている。

イスマイラ・サール

評価:B+

圧倒的なスピードを活かし決定機を作り出す。序盤戦こそ出場機会に恵まれなかったが、第28節リバプール戦でのパフォーマンス(2G1A)は圧巻であった。中断明け以降、低調なパフォーマンスが続いたが、起用され続けている。これにはピアソン監督からの厚い期待感が伺える。更なるレベルへ羽ばたくためには、クロス精度の改善が必要か。

おわりに

今季は19位で降格という結果に終わりましたが、ペドロやキナをはじめとする良い若手選手がいるので、来季以降も楽しみです。拙い文章でしたが、最後まで読んでいただきありがとうございます。

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次回はウェストハム編!!

お楽しみに🦁

ライター紹介

チュチュ井
17-18シーズン、当時応援していたチェルシーとの試合を見てから、ワトフォードの虜になった大学生。好きな食べ物は豚骨ラーメンと牛タン。

僕の昼食がちょっとだけ華やかになります