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みんなで作るプレミアリーグ通信簿 〜ノリッジ編〜

はじめに

ノリッジ選手通信簿を書かせていただきましたカナリーズジャパンのAkira(カナリーズジャパン)です。

ノリッジは今シーズン最下位に沈んでいて、プレミア残留は残念ながら果たすことができませんでした。ですが、私は今のノリッジがやっているサッカーが好きです。私は20年以上ノリッジを応援してきましたが、昨シーズンから現在までのファルケが率いるこのチームは私が今まで見てきたノリッジのチームの中で一番好きと言ってもいいです。

そんなチームの各選手を評価してみました。

評価段階は以下の通り

S  これ以上ないほどの素晴らしい活躍をした選手

A  素晴らしい活躍をした選手

B  期待値通りの及第点の活躍をした選手

C  大きく期待を下回った活躍に甘んじた選手

D  残念なパフォーマンスに終始した選手

以上の7段階で評価、

その中でも良くも悪くも特に印象に残った選手には別にMVP、GREAT、GOOD、BAD、WORSTの評価をつけてあります。

では見ていきましょう!
※本記事の寄稿は再開直後のものです。

GK

ティム・クルル

評価:S | MVP |

クルルかフェールマンどちらにゴールマウスに任せるべきかー。開幕前にカナリーズジャパンのメンバーでシーズンの展望を占っていた時、もっとも盛り上がった話題だ。チャンピオンシップを制覇し見事昇格を果たした昨シーズン、クルルはリーグ戦全試合に出場した。しかしブライトンで出場機会がなかったこともあり試合感の欠如からか、シーズン前半はイージーミスを連発。シーズンが進むにつれ徐々にミスは減ったが、果たして彼でプレミアの舞台を戦うことが出来るのか疑問に思ったノリッジファンは多かったはずだ。そしてオフには実績豊富なラルフ・フェールマンが加入。クルルの立ち位置が大きく試されることになった。
しかし開幕戦からスタメンに名を連ねたのはクルルであった。軽率なミスはほとんど無くなり、抜群の反射神経でボールを掻き出し存在感は試合ごとに大きく増していった。中でも特筆すべきは彼の代名詞とも言えるPKストップ。ホームのマンチェスター・ユナイテッド戦ではチームこそ大敗したものの、ラッシュフォードとマルシャルという2人の異なるキッカーからPKをセーブしPKストップの名手に相応しい活躍を見せた。PK戦までもつれ込んだFAカップのトッテナム・ホットスパー戦ではスパーズ最後のキッカーとなったゲドソン・フェルナンデスをトラッシュトークで揺さぶりソフトなPKを誘発。PKストッパーとしての貫禄を見せつけチームを勝利に導いた。4年半遠ざかっていたオランダ代表にも招集され、ノリッジで再び輝きを増し続けている頼れるベテランに文句なしのS評価を与えるとともにシーズン前に彼の実力に疑問を抱いたことをここに謝りたい。

DF

ベン・ゴッドフレー

評価:B

レンタルでの武者修行を経て昨季定位置を掴んだ若きセンターバック。キャプテンのハンリーがミスを連発し、ツィマーマンとクローゼが負傷離脱したシーズン序盤でまともに稼働したセンターバックはゴッドフレーだけであり、彼がいなければノリッジの守備は完全に崩壊し目も当てられない状況になっていただろう。ゴッドフレー自身もヘルニアを患らいながら無理をして出場していたせいか、失点に絡むミスも何度かあったが、チームへの貢献は大きかったといえる。元ボランチであり足元の技術に優れるゴッドフレーだが彼の身体能力の高さにも目を見張るものがあり、足の速さを生かしてのスプリントで相手に追いついてシュートブロックするなどポテンシャルの高さをプレミアリーグでも見せつけている。

グラント・ハンリー

評価:C+

ほとんど試合に絡めなかった昨季の悔しさを払拭すべく、キャプテンとしてアームバンドを巻いて挑んだ開幕戦は開始早々にオウンゴールを記録。悪夢はこれだけでは終わらず、続くニューカッスル戦ではチームが3-0とリードしていた終了間際に失点に絡んでしまう。3節のチェルシー戦ではメイソン・マウントに簡単にあしらわれ逆転ゴールを許すきっかけになるなど低調なパフォーマンスがことごとく連鎖してしまい守備陣崩壊の戦犯とファンから厳しく批判された。その後は怪我で離脱。ハンリーのノリッジでのキャリアは事実上終了したかにすら思えた。しかし復帰後は前半戦から見違えるほど良いパフォーマンスを見せており、持ち味である身体を張ったディフェンス、ボールホルダーにとことん食らいつくしぶとさでキャプテンとしての存在感を見せつけノリッジの1月度最優秀選手に選ばれた。降格圏から浮上するには守備陣の再建が急務なだけに、武闘派キャプテンの復活はそんなノリッジを大きく後押している。

サム・バイラム

評価:B+

スチュアート・ウェバーがSDに就任してから堅実な買い物をするようになったノリッジだが、750.000ポンドで獲得したバイラムはその中でもとびっきりのバーゲンと言ってもいいだろう。シーズン序盤に成長著しいジャマル・ルイスからレギュラーの場を奪い左サイドバックレギュラーの座をものにしている。ノリッジデビュー戦となったシティ戦ではリーグ屈指の攻撃陣を抑え込める見事な働きを見せ大金星に貢献。「いざ試合に出た時にどういう働きをすればいいか監督とみっちり話し合っていた。」と試合後に語りファルケ監督との関係も良好に思える。課題を挙げるとするならばルイスやアーロンズと比べ攻撃面での貢献度が低いことだろうか。サウサンプトン戦やアストン・ヴィラ戦では絶好のゴールチャンスをふいにしてしまいファンを落胆させてしまった。中断前の数試合は怪我で離脱したが彼のノリッジ最初のシーズンは今のところ期待以上の素晴らしいシーズンと言えるだろう。

ジャマル・ルイス

評価:C+

アーロンズとともに昨シーズンノリッジを両翼から支えた若き北アイルランド代表はシーズン序盤こそスタメンで出場していたが、しばらくするとバイラムにポジションを奪われてしまった。冬にはクリスタル・パレス移籍の噂も出たがバイラム負傷で出番が回ってきたレスター戦では貴重な決勝ゴールを決めて勝利に貢献。ゴッドフレーの正確なフィードを受けたアーロンズのクロスを逆サイドで受け、アウトサイドで美しく流し込んだシュートは見事と言うほかなかった。サイドチェンジしてからシュートまで持ち込むパターンは練習においてアーロンズと何回も練習した形であると試合後に明かしたルイス。攻撃面ではバイラムよりも優れ、そしてなによりアカデミーの頃から一緒にプレイするアーロンズとの好連携はバイラムにはない貴重なもの。後半戦はアーロンズとのコンビの完全復活に期待したい。

マックス・アーロンズ

評価:A+ | GREAT |

ノリッジの攻撃的サッカーを体現する超新星サイドバックは、自らがプレミアの舞台でも充分に通用する実力の持ち主であることを試合を重ねるごとに証明してきた。ドリブルでの推進力を持ち味とするアーロンズだが、ドリブルの引き出しも豊富になった。テクニカルなフェイントで相手を交わしたかと思えば、シンプルに前へ蹴り出して抜き去るなど多彩な仕掛けを持って何度も敵陣深くを抉り続け、対峙する相手にとって厄介な存在となった。守備では小柄で強さこそないが、持ち前の加速力と献身性で身体を張る場面が何度か見られ貢献度は高かったように思う。ルイス、バイラムと逆サイドの相棒たちが入れ替わる中でリーグ戦27試合に出場し、怪我人続出だったディフェンス陣で唯一定位置を守り続け、ポジション争いのライバルとされていたフィリップ・ハイゼ(シーズン途中でニュルンベルクにレンタル)にまったく付け入る隙を与えなかった。ビッグクラブ移籍の噂が絶えないがアーロンズだが、将来の代表サイドバックをキャロウ・ロードの右サイドで堪能できる喜びを今は噛み締めたい。

MF

マルコ・シュティーペルマン

評価:D | WORST |

プッキ、ブエンディアととともにノリッジの攻撃サッカーの中心だったシュティーペルマンだが、今季は期待を大きく裏切ってしまっている。前線でしっかりとボールをキープしてからのパス、そして相手陣内に上手く侵入してから強烈な左足でゴールを狙う姿はほとんど見られず、初挑戦のプレミアで苦戦している現状が0ゴールという数字にも見てとれる。プッキとの相性は悪くないためなにかしらきっかけがあればケチャップの蓋が開くかも知れないが、同ポジションであるオンドレイ・ドゥダの加入やカントウェルの台頭もあり厳しい立場に置かれている。

アレックス・テティ

評価:A-

若手中心のチームをクルルとともに引っ張っているのがチーム最古参のテティだ。昨シーズンはあまり出番が無かったが、調子の上がらないトリブル、監督から干されているライトナー、怪我で離脱したヴランチッチに代わり定位置を獲得。中盤のフィルター役として存在感を示し、ブレーズ戦では約4年ぶりにプレミアでのゴールも記録。カードコレクターであるのが彼の難点であったが23試合でイエローカードは4枚と今シーズンは少し改善もされている。守備陣が相次いで怪我で離脱した序盤戦ではセンターバックとしてもプレイするなど全力でチームのために尽くす姿は若手達にとって最高のお手本になっているはず。ノリッジとの契約も2021年まで延長した。

エミ・ブエンディア

評価:A | GOOD |

卓越した技術と抜群のキープ力、決定機を一瞬で演出する絶妙なパスを武器にプレミアでも眩しいほどの輝きを放つブエンディアは間違いなくチームのキーマンの1人だ。ドリブル成功率は7割を超え、アシスト数は7を記録。各種スタッツにおいて最下位に沈むチームの選手とは思えない驚異的な数字を叩き出している。守備もハードワークするタイプであり、サッカー界を震撼させたシティ戦では相手DFのミスを見逃さずにゴールへと結びつける抜け目のなさも見せた。ただ中断前の数試合ではスタメンを外れたりするなど少し調子を落としている。また昨シーズンはチャンスメイクだけにとどまらず貴重なゴールを度々決めており、本当に手がつけられない存在だったが上のカテゴリーゆえの宿命か不運にも今シーズンはまだゴールに恵まれていない。最下位のノリッジでこれだけチャンスメイクしている彼にさらにゴールまで望むというのは酷なことかもしれないが、ブエンディアの持つ並々ならぬポテンシャルを考えればどうしても期待をしてしまう。残された試合の中でブエンディアがチャンスメイカー以上の危険な存在となれるか。ノリッジが順位を少しでも浮上させるためにはここ最近なりを潜めているプッキとのホットライン復活もマストだ。

ケニー・マクリーン

評価:B

昨シーズンは中盤の底が主戦場であったが、不調のシュティーペルマンに代わり一つ前の位置でプレーする機会が増え、今シーズンはプレイの幅を広げ万能な選手へと変貌した。大金星を挙げたホームのマンチェスター・シティ戦では中盤深い位置、アウェイのエバートン戦では一列前でプレイしともに勝利に貢献。味方との距離感が良く、出し手にも受け手にもなれる視野の広さとハードワークを武器に初挑戦のプレミアにも今のところ適応しており、背番号10から背番号8の役割まで遂行する柔軟さにチームは大きく助けられた。ただし彼はエミ・ブエンディアのように一つのパスで試合を決めることができるタイプの選手ではないため、彼の適正ポジションは背番号10ではなく背番号8だと個人的に思うので、ドゥダが加入した今は中盤深い位置でのプレイに専念させたいところ。

トッド・カントウェル

評価:A+ | GREAT |

クラブレジェンドのウェズ・フーラハンがかつて背負った背番号14を受け継いで挑んだプレミアの舞台で大きく飛躍している成長著しい地元出身アタッカー。ここまで6G2Aを記録するなど数字の面でもチームを引っ張る彼は今季最も飛躍した若手の1人だ。技術がありパスとドリブルも上手く、相手の嫌がる位置に巧みに侵入し細かいタッチでゴールを狙う。味方を生かすプレーにも優れ、献身性を備えるのも魅力だ。ゲーム後半に動きが鈍くなるところが何度か見られ、スタミナには改善の余地があるが課題であったフィジカルの方は大きく改善し逞しくなった。昨シーズン終盤、カントウェルは出場停止となったブエンディアの代役に選ばれるがブエンディアを欠いた3試合でノリッジは勝ち星に見放され、昇格を目前にして足踏み。カントウェルはブエンディアと比較され槍玉に上がり、批判の対象となった。カントウェル自身SNSにおける批判や中傷に苦しんだことをシーズン終了してすぐにゲスト出演したノリッジのファンチャンネルで告白。悔しい思いをバネにオフは徹底的に肉体改造に取り組んだ。心身ともに成長し今ではプレミアの舞台で躍動するカントウェル。彼を中傷する声もほとんど無くなり、「デアハム(彼の出身地)のデコ」のニックネームが定着。かつて彼を苦しめたSNSも今では彼を称賛するノリッジファンの書き込みで溢れている。

オンドレイ・ドゥダ

評価:B-

今冬にヘルタ・ベルリンからローンで加入したスロバキア代表は早くもキャロウ・ロードでその能力の高さを証明しつつある。デビュー戦となったバーンリーとの一戦では決勝点となるPKを誘うシュートを放ち勝利に貢献。パス成功率も8割を超え、パス数も56を記録。スティーブ・クックのハンドがなければ彼のシュートはネットを揺らしていただけにMOM級の活躍だった。技術が高く周りとの呼吸も合っており、ブエンディアやカントウェルとの連携も良好。ドローに終わったニューカッスル戦では絶好のチャンスをものに出来ず初ゴールこそお預けとなったが、再開後は彼のゴールに期待したい。

FW

オネル・エルナンデス

評価:D+

開幕戦でアンフィールドのピッチに立ったものの、その後は自宅の階段で転倒して負傷するといったまさかの不運に見舞われ戦線離脱。シーズン序盤は出遅れたが、怪我から復帰した後もいまいちインパクトを残せずにいる。足元の技術がやや拙いところをスピードと勢いで誤魔化していたが、プレミアリーグで怖い存在となるには崩しのアイデアなどもう一工夫欲しいところ。新加入のルップらライバルたちからポジションを奪うにはドリブラーとしてもう一皮剥けたいところ。

テーム・プッキ

評価:A

チャンピオンシップでの鮮烈なパフォーマンスの勢いそのままにプレミアリーグでも4戦5発と最高のスタートを切り8月の月間MVPを受賞。ノリッジで選手としての最盛期を迎えているエースの持ち味はなんといってもそのシュートテクニックだろう。相手ディフェンスの裏に抜けてからシュートを放つまでのイメージがしっかり出来ているためか、動きに迷いが無く、キーパーのタイミングを少しずらしゴール隅に流し込む技術は一級品。前線での守備もしっかりこなすタイプであり彼がいるといないとではチームがまるで違う生き物になってしまうほどチームへの貢献は高い。しかしそれゆえにチームがプッキに依存しているのも事実であり、彼が調子を落としてもそれを乗り切れるだけの選手層がないのはノリッジという小さなクラブの悲しい宿命である。スルベニ(パーダーボルンに移籍)やドルミッチ、イダーと他のFW達もプッキのポジションを脅かすまでの存在にはなっておらず、プッキもVARよる理不尽なゴール取り消しもあり後半戦はゴールの無い試合が続いている。プッキパーティーの時間はまだ残されているだけに、頼れるエースの復活が待たれる。

過去にプレミアで戦った時は内容も結果もとにかく悲惨で移籍市場でパニックバイをするもあっけなく降格。他サポからも、香川真司にハットトリックを決められたチームもしくはスアレスのサンドバックという印象しか残せなかった。しかし強豪相手にも自分達が磨いてきたパスを繋ぐサッカーで真正面から立ち向かう今のチーム、選手たちを見ていると誇らしくなります。ノリッジは最下位(ここだけいらない笑)だけど良いサッカーしてると言った他チームサポーターの声もよく見かけます。たしかに内容に反して結果が出ていないのは悔しいのですが、ブレずにこのノリッジらしいサッカーを続けていけばいつかかならず結果はついてくると信じています。これを書いている時点ではFAカップ準々決勝も控えています。プレミアの舞台で戦いながらカップランも楽しめるなんて最高だと思いませんか?順位表からは目を背けたくなりますが残りの試合思いっきり楽しむしかない!OTBC!

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次回はサウサンプトン編!!

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ライター紹介

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