私が1番悪い
たぶんないよな…
アルバイト先の更衣室で私の大好きな70代のおばあちゃんとおばさんが会話をしている。
話題は「ごはんバーガー」
ごはんバーガーは、少し前にマクドナルドでやっていたバーガーだ。
バンズのかわりにごはんのやつだ(説明力)
当時はナイツの塙さんがCMをやっていたのが印象的だった。
今の時刻は23時過ぎ
4時間のバイトを終わらせて思考力ゼロの中、私は大好きなおばあちゃんとおばさんの会話に参加した。
2人ともまだ売っていると言うような話をしている。
そんなことはきっとない。
たぶんないよな…
そう思いながら私は、まだある派の2人に同調して話をしていた。
ないことはわかっている。わかっているのだが否定をするのが面倒くさい。
気づくと私は大好きなおばあちゃんとマックに来ていた。
案の定ごはんバーガーの看板はない。
店員さんにおばあちゃんが話しかける
「あの、あのさ、ごはんのやつ、、、!」
困った顔の店員さんが、私へ助けを求めるように見る
「ごはんバーガーありますか?」
私が聞くと、店員さんは会話が成り立って良かったという安堵の顔を浮かべたのち、曇らせた。
「申し訳ございません。ごはんバーガーは終了していまして。」
店員さんは悪くない。
1番悪いのは私だ。
ないことをわかっているのに、おばあちゃんを止めもせず、店員さんにも謝罪させてしまったのだから。
「あーそうですか。わかりました。すみません。」
私は早くこの罪悪感から逃れたかった。
しかしおばあちゃんはまた話しかけた。
「あらーそうだったのー。残念ねー。何時ごろ終わったのかしら?」
「1ヶ月くらい前だったと思います。申し訳ございません。」
何度も言うが、店員さんは悪くない。
これ以上謝られると罪悪感が溢れ出て止まらない。
おばあちゃんは良い人なので
「そう。ありがとう。じゃあまたくるわね。」
と、集まってきた店員さんに笑顔をふりまき
お店を出た。
「残念だったね。それじゃあまた明日。」
おばあちゃんの笑顔がたまらなく心に刺さった。
ごめんねおばあちゃん。
私は、ないこと知ってたよ、、、。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?