散文詩推敲無(タイトル無)

女が死んだ
スマホでいくつか詩や歌を作っていた女だったが、
インターネットに喰われて死んだ
かつて少女だった女は、何人かの男を渡り歩くうち
自分の価値が他人に映った心象ではなく
即物的な体感にあると思い知らされたものだった。
同時にそれを利用して自らの独り身を呪うことに終始した。それが救いであったし、生きづらさを自らの体と共有出来たからだ。

そういうものだった。
これまでの人生がそうなのだから、
これからの人生もそうに違いなかった。
多少の幸せでは何も変わらない事を理解していたし
変えられるような人生なら女は歌わなかっただろう。

女は死んだ。
転がっていたスマホには何重かのパスコードがかけられていたので、誰にも覗き見ることは出来なかった。
それを試みるものもいなかった


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