色見本

江戸小紋染め体験へ

江戸小紋とは、一色染を基本とすることもあって、遠くから見ると無地染めと変わりません。ところが近くで良く見てみると、細かい柄が無数(3.3センチ四方に八百~千二百個)に染められて、大変な技術の凝縮であることがわかります。

(小林染芸さんより引用http://www.edokomon-somekoubou.com/content/edokomon.html)

という武士の裃に使われていた江戸小紋の染め体験をしてきました。長くなるので急いでっと。

まず型紙選びから。すごい並んでます。迷う〜。

私は唐草好きなので最初に選んだものの、江戸小紋らしいのにしようと、チェンジしました。梅の柄です。

7〜8mはある樅(モミ)の木の一枚板(38kgぐらいあるんですって!)が作業台となります。乾いているとスベスベなのに、そこに魔法の水を一拭きすると、あ〜ら不思議。板がベトベトします。

これは水に仕掛けがあるのではなく、板に餅米を細かーく砕き、水に溶いたものを塗ってあるのだそう。乾いていても水をひと拭きすればベトベトになるのです。昔の人の知恵は凄い。

ベトベトにするのは、これに生地を貼り、動かないようにするためなのです。でも乾くと元のスベスベに戻ってしまいます。貼り方はというと…

左手を上下させ、ます端を固定します。←これがなかなか固定しなかった。

固定した後は、逆の端を持って少し持ち上げて軽く引っ張るようにしてまっすぐにします。←引っ張り過ぎるとはがれるし、てんでまっすぐにならなない。

ともあれ、貼れたら回りをテープで固定。布は板より巾がないので、そのまま作業すると板が汚れるので、汚れ防止のためにそうします。テープを貼る時に、布が斜めっているのがよくわかりました。初めてなのでこのまま進行。

これが糊です。型紙を置き、これからヘラで糊を置いていきますが、この糊は染まらないようにするためのものです。

先生のお手本。45°くらいに傾けて、上下とも均一の力でスライドさせるようにするとのこと。型紙をはずすとこんな感じ。

さ、我らもいざいざ。
また着物に割烹着でチャレンジ中。なんと先生に撮ってもらいました。

型紙をはがすと…
出来てる! でも右下が何やらゴニョゴニョして、若干味わいを出してる〜。

他の参加者の方はこんな感じ。みなさんお上手。ゴニョゴニョしてないよ。
この後、糊をドライヤーで乾かします。

皆さん、気づきました? まだ布には白い部分が残ってますね。

そう、型紙は作業者から見て左側(下の画像だと上)と右側(下)で柄が繋がるようになっているんです。その目印が星といわれるものです。そこを上手く重ねると柄が繋がります。そう、本日のクライマックスでございます。

わかりますか? 模様に上手くカモフラージュしてます。


ここで、江戸小紋クイズ〜! ドンドン。
下の画像でどれが星かわかります? どれも点じゃねぇかーって怒らないでね。職人さんの凄さを伝えるのが目的ですからねー。フフフ。

確か、コレです。私のじゃないんで間違ってるかもしれませんが。記憶で○印してるもんで。でもそうです。多分。ちょっとだけ●が大きいでしょ?

もう一つ。面白いのがあったので。

この型紙だと、白いラインが入るので、●のポチはありません。その代わり外星といって外に印をつけます。他と同じくらいスペースをあけて型紙を置く訳です。説明はそのくらいにして、いよいよ作業開始です。

型紙には穴が空いているので、下の布が透けて白く見えるわけですが、一回目の作業した星の糊に上手く型紙が重なれば、当然糊はグレー(このためにも色がついてる訳ですね)なので、型紙から白が見えなくなります。それが上手く重なった証拠。うん、いい感じ。

先ほどと同様に糊を置いていきます。そして緊張の一瞬。型紙をはがすと

カメレオンばりに上手いこと隠れてます。ま、私のは柄が大きめなのでね。

糊置きが完成。他の方のも紹介。上手くいってますね。

そして今度は染料を置いていきます。白に見えているところが染まります。梅なので、ピンクを選びました。

これが一番難しかった。染料が薄いと、ヘラで糊をこそげ落とす場合もあるので、ついつい沢山の染料を乗せてしまうのです。でも厚く塗ると気泡が入り、ムラになるのだそう。

みんな配られた染料で足りるのに、私は染料のおかわりをしてしまいました。厚く塗り過ぎなので、先生に手直ししてもらってなんとか完成。

生地がくっつかないようにおがくずをまきます。

そしていよいよ蒸しへ。蒸すことで染料が定着します。

蒸しあがるまでに、いろんなお話を聞きながら、型紙を見せていただきました。ダルマ好きとしては、気になるものを発見。そう、ダルマ柄の江戸小紋。

欲しい。これはいい。やはり洒落物に弱い私。
そんなこと考えてる場合か!と思った頃に蒸しあがり。

蒸しあがったら、水で糊、染料を洗い流します。

で、これが完成したものーーーーーー。

いい部分だけアップ。でも素人なのがもろバレなのがミミです。

ほら、最初に板に布を貼った時に、まっすぐに貼れないとガタガタになるわけです。反物は12mはあるわけですから、このズレは致命的です。

やはり職人さんは凄いです。1反染めるのに、型紙を80回は送って染めるそうです。つまりクライマックスが次から次へと押し寄せる訳ですね。

はー、今日も、職人技の何たるかをバシっと感じてきました。
きちんとした手仕事には、それにふさわしい対価が当然ですよね。

と、なるとダルマは、、、ごにょごにょ。まだまだ先ですね。

着物はやみくもに高いわけではありません。こうした技術によるものなんですね。

とりあえず、この布はバッグにしようかな。いろいろ考えながら今夜は寝ます。

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