不倫進化論 ~大学生がコピペで作る論文風味~

はじめに

 本稿は現代社会における不倫という行為の進化についての研究結果をまとめた論文である。まず、ある時点で現代社会人の不倫認識を大きく動揺させたひとつの考え方としてダーウィニズムを捉える。これを踏まえ『人間のセクシャリティ』という側面からも合わせて紐解く事により、一般的傾向の不倫に対する理解の変化をダイナミクスに解析する。それはアイザック・アシモフの研究本質に繋がる事実もここに述べたい。

1-1. トレンディ時代におけるパラダイム的進化

 不倫行為は近代において大きく変容を遂げた行為である。かの有名なゴルフニック・ストーンズが趣旨として残した言葉に『不倫は文化であり、考える葦である』がある。実際には『あなたはあなたのお考えだと思うけど、そういうものが世の中の歴史上にも、いろいろずっとある。そういうことを全否定したら、芸術も全否定になっちゃいますよ』という遺言であったが、ここでは趣旨として残した言葉を掲げるとする。正に文化という概念に昇華された不倫は時代に合わせて郁容にも人間社会の中で形を変えている。20世紀の時点では、不倫進化論はまだそれ自身の手でパラダイムを修正する以前の状態にあったのであり、世間一般に対する「別の見方」として充分に馴染んでいた訳でもなかった。更に言えば加熱する芸能報道は令和の現代社会のそれよりも過激かつ粗削りなものである。しかしながらその過激さは次第に大衆に対し認識の矯正を及ぼしており、不倫の文化形成を進化させる過程でもあった。
 ポエティックジャロ・スプリングス辞典の次の様な記述に目を向けよう。「不倫という文化は一つ報道機関の範囲に収まらない知名度を獲得した。機関の理論は、概して、学問の歴史に前代未聞の衝撃を齎した」ここに付け加えるのであれば不倫ダーウィニズムが衝撃を齎したのは、高等研究機関に対してだけではなく、社会学の領域に対してでもあり、あらゆる世界に対してだった。週刊女性PRIME辞典は「20世紀における不倫の文化形成は、まさに現代社会に誕生した新世界であり、神がいなくてもよい世界でもある。」と述べつつ、次の様に分析している。

 古代日本においての不倫は存在せず、男性のそういった欲求は一夫多妻制で公に認めらていた。権力を傘に側室などを置けない平民においては武力をもってこれを行い、町奉行に罰せられていた。しかし、瓦版で世間に広まる事は無かった。

 我々が注目するのは長い歴史上において初めは一夫多妻という形式で公に「認めさせていた」不倫行為は、制度の崩壊と同時に認識が変わったという事実である。上流階級にのみ許されていた一夫多妻という名の不倫は、平民の心の中に羨望と忌避の種として根付き、現代社会の扇動報道により捻じ曲がったポピュリズムとして進化していった事が分析されている。

1-2.外部要因によるキュビズムとソリッド進化

 では、不倫進化論はそれ以前の進化論とどの点において決定的に異なるのか。それは、同一の種内にも存在する変異をきっかけに生き物が変化していくメカニズム、すなわち自然淘汰によって、進化現象をまったく自然主義的に説明する方法を考え出した点、そして、そのことによって不倫が対外的評価が変化していった偶発性の概念を体系的に取り入れた点にある。ダイルワイ・スポルテスの次の様な指摘は重要だ。

 加熱する不倫報道であるが、芸能ニュースについて注目している関連記事閲覧者数は1,000万人程である。これは人口比で見れば1割にも満たない数値であり、1億以上の国民が不倫記事に関しては無関心、または知る由も無い出来事である。一方、渦中の1割以下の人間はまるで自分達がネット社会の中心と勘違いをし、酔い痴れ、擁護派にしろ反対派にしろ過激派にしろ、全国民の問題であると洗脳を受け血眼になり意見をネットの海に投稿し続けている。

 後の議論にも関わってくるので、ラマルクの進化論についても関与していると付言しておきたい。

2-1. 亜光速進化を遂げる不倫

 悪しきポピュリズム扇動と化した不倫報道であるが、平民の無料メガホンという名のSNSが誕生発達した事により文化形成は大きく進化した。不倫は今や一家庭の問題ではなく、消費されるべき芸能ネタであり、これについて正論というものは存在しない。不倫はただ進化を続け加速度的に別の「目標」へ突き進んでいる。サンドバッグであり炎上燃料なのである。一度進化した文化を逆行的に退化させる行為は不可能であり、「他の夫婦の事にとやかく言って何が楽しいのかね」「他人のプライバシー覗き込んで悪趣味」という様な声は、光の速度で進化を突き進む不倫の耳にはもう届かない。
 進化論の研究において母なる存在ともいえるフリン・ザ・デストロイヤーの論文には「不倫は生物学、心理学の枠組みを超え文化人類学の域にまで達した。研究においてこれ程まで多角的視点が必要になる学問は我々の生きている間には出会う事はないだろう」とある。この結論は正に我々研究者の羅針盤であり人生訓である。絶え間ない変化を目的論的に説明する科学的方法として進化論を理解し、二重の視線、「物の見方」としての進化論の理解に向かう必要性がある。
 

おわりに

 このまま加速を続け自己発火をし亜空間に溶け込むのか。それともトレンディ時代には考え及ばなかった技術発達が成された様に、現代社会の変化に合わせて更なる進化形態へ進むのか。はたまた消費型エンターテインメントに留まるのか。探るべき事柄は、しかし、まだ残されている。不倫の進化については更なる研究を続けていくが、現時点での観測記録としてここに令和4年度版不倫進化論をまとめる事実を、筆者はまとめる。以上、まとめである。


参考文献

アイザック・アシモフ 1967 『The Universe』179-196

ゴルフニック・ストーンズ 1992 『EGOIST』M1ミント・ジュレップ

新村出 1981 『ポエティックジャロ・スプリングス辞典』2-923

ダイルワイ・スポルテス 1948 『福留G倒弾』1-32

大島秀一 2015 『週刊女性PRIME』 3

ジャン=バティスト・ラマルク 1809 『用不用説』17-39

フリン・ザ・デストロイヤー 1994 『俺自身が不倫になる』455-2,075,899

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