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我ら不治の悪夢のトラベラー

薬の副作用からか変な夢を見ることが多い。一昨日なんか牢屋にブチ込まれる夢を見たばっかりだ。牢屋にいるにも関わらず私は呑気で、目の前に何故かある牧場の黒い雌牛たちが牧草を食む様子を眺めて、可愛いな、撫でたいななんて思っていたのである。しかしながら牢屋にいるせいで近づくことは許されない。ただ幸いなことに、気がついたら牢屋から手が届く位置に雌牛がおり、その頭をやっと撫でることが出来たのを覚えている。

他にも見てきた夢はなかなかに酷いもので、大体が不特定のよくわからない人間(性別問わず)と何かしらの肉体関係を持っているというものだ。その人間は会ったこともないような顔だったりする。この体験は本にできるんじゃないかと思って一時期企画を考えていたが現在は休止している。あまりにも脳が仕掛けたトラウマの琴線に触れてしまうのだ。神の聖域を犯しているわけでもないのに。

この悪夢の旅をしていることを、例えばTwitterで呟いたりなんかすると、意外にも同志(志?)が集まってくるものだから面白い。とても言えないような、気分が悪くなるようなものを薬の副作用で見るんだ、など。私も数週間前まではそうで、薬の調整の甲斐があってか悪夢が変な夢にランクダウンしているのでまだありがたい方だ。こうしているうちにも、いや、今夜にもまた悪夢を見る人がこの世界にはいるのだろう。

不治の病。この世界が一つの物語だとしたなら、なんて甘美で恐ろしく、ファンタジックな響きだろう。そしてきっとそこには美しいデッドエンドがつきまとう。読み手の涙を誘うことだろう。
が、私からしたらかなり身近なことだから悪い意味でしか使わない。現に不治の病の患者は多い。私だってそうで、躁鬱、てんかん、発達障害は治ることはない。治療は出来ても完治はしない。それが脳の仕掛けだから。

不治の悪夢を漂う私たちは、今夜も眠ることを密かに恐れる。

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