LUPIN THE Ⅲ 次元大介の墓標

LUPIN THE Ⅲ 次元大介の墓標(2014年:日本・アニメーション)
監督:小池健
原作:モンキー・パンチ
出演:栗田貫一
  :小林清志
  :広瀬彰勇
  :沢城みゆき
  :山寺宏一
 
ルパン三世の相棒と言えばみんな知っているだろう。深緑のスーツにボタンダウンのシャツ。トレードマークの帽子は目深にかぶり視線を見せない。長髪にあごひげ。こだわりがなさそうだが、好みのブランドの幅は広いと語る。禁煙が叫ばれるご時世に絶えず煙草をくわえ、好きなアルコールはスコッチやバーボンなどのウイスキー。愛銃はS&W M19 コンバット・マグナム。オートマチックの銃を「下品な銃」と言い切る始末。ルパン三世よりリアリストだが、彼よりロマンチストのハードボイルド。それが次元大介。
ルパン三世シリーズのスピンオフ作品の一つ。ある宝石を盗むためルパンと次元は東西に分裂した国の東側の国、東ドロアにあるマランダ共和国大使館へ侵入する。しかし何故か侵入がバレ、二人は逃走。逃走中何者かに狙撃され二人とも負傷してしまう。撃った男はヤエル奥崎。殺しにはあらかじめ標的の墓標を用意するという凄腕の暗殺者。奴はなぜ次元を狙うのか。そして背後で暗躍する峰不二子が狙う手帳は何か。大きな陰謀が隠されていた。
ルパンの影に隠れてサポート役に徹することの多い次元だが、今回は狙われるためクローズアップされる。劇画のような絵にそれぞれが迫力ある描かれたしており、大人の作品作りに徹している。当然撃たれた際の血は流れ、非情にも登場人物は殺される。設定はあくまでもお話的だが、ストーリーはリアリズムに沿っている。特に今作は次元がルパンの相棒になるきっかけになったお話らしいので、どことなく二人が意気投合していく過程も見受けられる。
物語は次元大介をキーマンにルパン三世がその謎を解き、峰不二子がその裏をひっかきまわす構図。そのすべてが解決した後に、ルパン三世最初の映画シリーズで登場した怪人マモーが現れ、ルパンを追う銭形警部も登場する。この後に石川五ヱ門が仲間に加わることになるのだろう。
すごく活躍するわけではないが、次元大介のカッコよさを見ることができる作品。
 
長年、次元大介の声を演じた小林清志さんが、令和4年7月30日に亡くなりました。ファンの一人としてご冥福を祈ります。ありがとうございました。

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