見出し画像

【コラム】ハンドメイド・プロかアマか

ハンドメイドを仕事に…
そういった風潮がこんなに流行るとは思っていませんでした。

今はネットなどで気軽にプロの技を見真似することが出来ますし、
材料もインターネットを使えば世界中から個人で入手可能です。

そして何よりも日本人は手先が器用。
プロとして仕事にしていなくても、プロ顔負けの者を作る達人が沢山います。

では、どこからが「プロ」なのでしょう?

これはよく言われることですが、私も同様に考えています。
「代価をいただいたらプロである」と。

ところが、プロとアマの違いをお客様はあまり考えておらず…。
アマ天国の日本の手作り業界ではけっこう困ったことも多いんです。
それは「アマの仕事を基準にされがち」なことです。

昔昔20年ほど前、ビーズの一大ブームがありました。
この頃私は企画会社のビーズ催事のお手伝いをしていたり、
ビーズ専門店で働いたりしていましたが
そこでお客様に時折言われたのが「ビーズの指輪ってすぐ壊れちゃうのよね」という話です。
よくよくお伺いしていくと大概は「お友達が作ってくれたけど、すぐ切れちゃって…」というオチです。

当時はテグスでの編み込みが流行っていました。
テグスは確かに経年劣化や水に濡れ乾いてを繰り返したり、使われているビーズの素材の鋭さなどで切れたりします。
そこをプロの仕事ではそうやすやすと切れないようにデザインされ、何度も編み込まれています。
ですがお客様にとっては「ビーズリング」=「前に切れた」→「切れやすい」という認識になってしまっているのです。

催事業界に長く身を置いて、色々な作家さんを見ていると本当に玉石混合です。
ですが、お客様にはその差もわからないですし、
上手な手法であったからといって売れるわけでもありません。

ここが手作り業界の抱えるジレンマです。

手作りを仕事にするならば、最低限の完成度もやはりプロの要件にしていきたいところです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?