上手い人をキャプテンにすることの弊害

以前、製品開発のリーダーをやっている人と話をする機会があった。

その人はそれまで所属していた部署が事業整理でなくなってしまい、全く経験のない部署に新たに配属になったのだが、年齢的に中堅ということもあり、異動すると同時に製品開発のリーダーを任せられていた。

知識も経験もなく、心配性のように「どうしよう」「なんとかしないと」と言っているその人に対して、チームのメンバーは当初頼りなさを感じていたようだ。

だが、結果としてはその製品開発は上手くいき、彼はその後もリーダーとして活躍していくようになった。

結果から見れば彼は良いリーダーだっということになるのだろう。ではなぜ当初チームのメンバーは彼を頼りないリーダーと思ってしまっていたのだろうか。

リーダーというものを考える時、多くの人は部活やスポーツチームのキャプテンや部長を思い描いてしまっているのではないかと思う。

そして多くの部活では部長やキャプテンは「チーム内で一番上手い」といった実力が上位だからという理由で抜擢されることが多いと思う。

そのため僕たちの中には「リーダー=知識と経験が豊富」という思い込みができてしまっているのではないだろうか。

ある製品を開発するのにあたって、リーダーが他のメンバーの誰よりも知識や経験を豊富に持っていなければならないというわけではないのだろう。

これは誰をリーダーにするかを選ぶ際に重要なことになってくると思う。

チームで一番上手いからキャプテンにしようとか、クラスで一番頭がいいから学級委員にしようとかしてしまうのは、リーダーというポジションに必要なものを見えにくくしてしまっているのではないかなと思う。

もしかすると、そういったことがリーダーを育てることやリーダーとはどのような能力が必要なのかを知ることの弊害になっているのではないかなと思った。

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