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ビニール傘から見える世界

ビニール傘が好きだ。

久しぶりに雨が降っていた。1月2月はあまり雨が降っておらず、降ったとしても明け方だけとかだったりして、一日中降っていたのは久しぶりだと思う。

僕は普段使う傘としてビニール傘を使っている。

傘を持っていない時に雨に降られて、仕方なくコンビニで買ったものを使い続けている、というわけではない。あえてビニール傘を使っているし、前のビニール傘が壊れてしまった時も、新しくビニール傘を購入している。

別にビニール傘が安いから買っているというわけではない。まあ、もちろん安いというよさもあるのだけど。

一番の良さは視界の良好さということだと思う。

布の傘の方が耐久性があったり、盗まれにくいということもあるのだが、どうも視界ば狭まってしまうのが気に食わない。

ただでさえ陽の光がなくて薄暗いのに、さらに視界を狭めてしまう。雨に濡れないように傘を深くさすと、より一層視界は狭くなる。

少し先の信号が見えなかったり、前からくる自転車が見難かったり、街路樹の枝の存在がわからなかったりと、布の傘では得られる情報が少なくなってしまう。

そういう点においてはビニール傘の方が優れていると思っている。

ただ不思議なもので、世の中的にはビニール傘の方が一段低いものとみなされている。傘立てに二本ビニール傘があったら、どちらが自分のビニール傘かを意識している人は案外少ないし、ビニール傘くらいなら盗んでもいいと思っている人もいる。

機能が優れていても、それがしっかりと認められないことや、大量に存在することで、その持っている価値が本来よりも薄められてしまっているということがあるのではないかと思った。

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