「尊厳とアイス」について考えた夜
雨上がりの夜空は少し重くて、ちょっぴり近く感じる。私は大股で、交差点を渡った先にあるコンビニに向かった。
お目当てはアイスクリーム。最近、はまっていたレモン味のアイスを買いに、わざわざやってきたのだ。
それなのにレモン味のアイスは薄情者だから、他の人のもとに旅立ってしまった模様。ため息がてら手を伸ばした先にあったのが四角い「カップアイス」のバニラ味だった。
その角張ったパッケージに、ふとある人の顔がよぎる。そういえば、このアイスクリームをビニール袋いっぱいに詰めて、我が家に