短歌人月例作品 2024年12月号
梨の木は切り倒されてJAの赤い「貸土地」看板が立つ
オードブルのパセリのように添えられたシンポジウムの女性登壇者
胎内にいるかのようにまどろんで遠く聴こえる秋のおまつり
椎名林檎の腰しなやかにかぐわしく加齢と書いて熟成と読む
ものすごく冷えた硬貨を返されてこの自販機の孤独を思う
難解なカントの森を歩みゆく理性ひとつをともしびにして
梨の木は切り倒されてJAの赤い「貸土地」看板が立つ
オードブルのパセリのように添えられたシンポジウムの女性登壇者
胎内にいるかのようにまどろんで遠く聴こえる秋のおまつり
椎名林檎の腰しなやかにかぐわしく加齢と書いて熟成と読む
ものすごく冷えた硬貨を返されてこの自販機の孤独を思う
難解なカントの森を歩みゆく理性ひとつをともしびにして