人生を変える作品ってなんだろう?
大河ドラマ「鎌倉殿の13人」をやっていた頃、小栗旬さんのNHK「プロフェッショナル」を観まして。
番組内で、
といったことをおっしゃっていました。
夫は「いや〜上総介が斬られた時の演技とかすごかったよ」と申していたんですけれども、
小栗旬的にはあれでも「まだまだ」なわけで。
じゃあ「すげえな」っていう演技(作品)ってなに?
たぶんそれは、「いや〜上総介が斬られた時の演技とかすごかったよ」みたいに思い出されるものではなくて、
例えば「観た人の人生を変える」ような、
もっといえば「思い出さずともその人の人生に影響を及ぼしている」ようなものが、
「ものすごいもの(壮絶な演技・作品)」なんじゃないだろうか。
そしてそれは、少なからず「観た人を傷つけるもの」なんじゃないか。
と、わたしは推測しています。
でもその「傷つく」というのは決して、
単純に裏切られたり
絶望したり
不快になったり
否定されたり
するというものではなく(なく!)、
その人の心の形の枠はそのままに、その人の心の真ん中に大きな傷あとを残して、
結果的にその人の心の形が、観る前には戻らないような状態になる、というイメージです。
そしてそういった作品を表現する(演技したり書いたり描いたりetc.する)際には、
表現する側も、表現することによって少なからず傷ついているか、表現の動機によって傷ついていることが多いと思います。
こういう作品を表現できる人、かつその時期は、限られるものだと思います。
また、こういう「傷つき」を伴う作品を表現できることが、いいかどうか、幸せかどうかは、その人の感じ方や価値観によると思います。
少なくともわたしは、そういった作品を表現できることに憧れます。
でもそのためには「自分も傷つかなければならない」ことも、先述のとおり体感的に分かっている。
わたしにとって「傷つき」を伴う作品を表現できるような己の「傷つき」の状態って、「二度と帰れない地獄」みたいな感じがします。
余談
「あげくの果てのカノン」
いただいたサポートで、ちゃんと野菜を食べようと思います。