第71回 苦手克服研究所 『行政事件訴訟法 執行停止』
みなさん、こんにちは。
伊藤塾行政書士試験科講師の藤田 竜平です。
それでは、今回も一問一答をやっていきましょう!
今回取り扱うテーマは、
行政法の「行政事件訴訟法 執行停止」
です。
題材としては、
「令和元年度 問題17 肢3」
を扱っていきます。
まず、「令和元年度 問題17 肢3」を以下に示します。
肢3 執行停止の決定は、償うことができない損害を避けるための緊急の必要がある場合でなければ、することができない。
……
いかがでしょうか?
結論からいうと、肢3は誤りです。
以下、理由を解説していきます。
肢3の根拠となるのは、
行政事件訴訟法25条2項本文です。
行政事件訴訟法25条2項本文を
以下に示します。
「処分の取消しの訴えの提起があつた場合において、処分、処分の執行又は手続の続行により生ずる重大な損害を避けるため緊急の必要があるときは、裁判所は、申立てにより、決定をもつて、処分の効力、処分の執行又は手続の続行の全部又は一部の停止(以下「執行停止」という。)をすることができる。」
このように、執行停止ができるのは、
「重大な損害を避けるため緊急の必要があるとき」
です。
したがって、肢3は誤り。
となります。
なお、償うことのできない損害を避けるため
緊急の必要がある場合、という要件が求められているのは、
仮の義務付けおよび仮の差止めです
(37条の5第1項、2項)。
併せて押さえておきましょう!
今後も、試験合格に役立つ知識を
お伝えしていく予定ですので、
日々の勉強の息抜きにご活用ください。
では!
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