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第72回 苦手克服研究所 国家賠償法 1条1項

みなさん、こんにちは。
伊藤塾行政書士試験科講師の
藤田 竜平です。
 
 
それでは、今回も一問一答をやっていきましょう!
 
 
今回取り扱うテーマは
行政法の「国家賠償法 1条1項」です。
 
 
 
題材としては、
「平成18年度 問題20 肢2」を扱っていきます。
 
 
 
まず、「平成18年度 問題20 肢2」を以下に示します。
 
 
 
肢2 警察官でない者が、公務執行中の警察官であるかのような外観を装い、他人を殺傷した場合、当該被害者ないしその遺族は、いわゆる外形理論により国又は公共団体に対して国家賠償法1条に基づき損害賠償を求めることができる。
 
 
 

……


 
 
いかがでしょうか?
 
 
 
 
 
結論からいうと
肢2は誤りです。
 
 
 
以下、理由を解説していきます。
 
 
 
肢2の根拠となるのは、
国家賠償法1条1項です。
 
 
 
国家賠償法1条1項を
以下に示します。
 
 
「国又は公共団体の公権力の行使に当る公務員が、その職務を行うについて、故意又は過失によつて違法に他人に損害を加えたときは、国又は公共団体が、これを賠償する責に任ずる。」
 
 
この中の「職務を行うについて」という要件について
の知識を問う問題です。
 
 
そして「職務を行うについて」とは、
公務員が客観的に職務執行の外形を備えた行為を
行っている場合をいい、
公務員の主観的意図は問いません(外形標準説)。
 
 
このように判断することで、実は、
「あのときは仕事中ではなかったので、
国家賠償請求の要件を満たしません」
という言い訳を許さないようにするわけです。
 
 
この外形標準説は、「公務員」であることを
前提とするため、私人が公務員を装っても、
適用があるわけではありません。
 
 
 
本問でこれをみると、
「警察官でない者」とあるため、
そもそも「公務員」にあたりません。
 
 
したがって、外形標準説を適用することはできず、
「職務を行うについて」にはあたらない
ということになります。
 
 
よって、
「国家賠償法1条に基づき損害賠償を求めることができる」
という部分が誤っている

ということになります。
 
 
国家賠償法は、毎年2問程度出題され、
判例の知識を押さえておけば得点源となる分野なので、
得意分野にしていきましょう!
 
 
今後も、試験合格に役立つ知識をお伝えしていく予定ですので、
日々の勉強の息抜きにご活用ください。
 
 
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では!
 

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