前の男

別の人と関係を持った女性を許せない男性は多いと思う。
誰かにやられている、という感覚。それがその人のすべてだと思ってしまう。その人が過去にそれを望んだなら、それまでの人と思ってしまう。自分よりアホなやつと付き合ってた女の人には魅力を感じないとか。

特にかわいいひと、従順な人と付き合った優しい男がいたとして、その前彼がマッチョっぽい匂いを感じたとき、ほんとにそうかはわからないよ?、でもそう感じたとき、その苦しさに耐えられるか。

難しいところだと思うけど、やはりそれだけにとらわれるのは誤っている。もったいない。その人のすべてが、その過去に集約されているのか。抱かれているときにそのひとの人間性すべてが収まっているのだろうか。自分のことを考えてみて。ある瞬間に自分のすべてが収まるか。じゃあ寝起きの自分は?ご飯を食べる自分は?勉強する自分は?褒められて喜ぶ自分は?何かを達成してガッツポーズしている自分は?調子に乗ってしまっていたときの自分は?世界というものを勘違いしていたときの自分は?五年前の自分と考え方はおなじか?

きっと違うし、人は間違う。それにもし相手が今の自分を好いてくれてるとしたら、今相手の好きなところを言えば喜んでくれるとしたら、その笑顔はもしかしたら過去に別の男の人に向けたものかもしれないよ?でもいま目の前の人が笑ってくれる。今目の前の人を驚かせばびっくりする。そういうの全部今もらっても、過去にその人が見てただろうものを想像して、過去に抱けれてるその人が手に入らなくて苦しむなんて、おこがましい。

今このときに、向き合えるなら、同じ方向を向けるなら、その幸せをはなすなよ。全力で抱きしめろ。今そのときに、触れられるそのときに。

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