美容師が、セルフカット動画に物申す!
操作イトウです。
※追記 この投稿をベースに、R2.9.6、文春オンラインに寄稿させていただきました。こちらもご参照ください
今回はセルフカットについてです。自粛中に我慢できず自分でトライした方もいるのではないでしょうか。
セルフカラーも含めて、SNSで沢山の動画が配信されていました。僕もいくつかYouTubeで拝見しましたが、正直言って、どれもお勧めできません。
もちろん、発信している美容師さんたちやインフルエンサーの方にも様々な想いがあるので尊重しますが、特に美容師側がしている動画に関しては、ちょっと安易では?と感じる節もあります。
バリカンでツーブロックにする程度であれば大きなミスにはなりにくいですが、ハサミでカットしていく段階では、収拾がつかなくなる可能性が高いです。
なのでセルフカットは否定しないけど、美容師さんが紹介してるからって、こんなやり方の動画は参考にしないほうがいいよ!というものを紹介していきます。
セルフカラーについてはこちらを↓
まず、髪質。
「自分でやってみた」系の動画をいくつも見ましたが、基本的に発信していたYouTuberの皆さんは、扱いやすい髪質をしています。
大体指で10cm測った時のウェーブ具合のうち、ほとんど「Cカール」から「Sカール」に該当しています。
ウェーブが強いと思うようにまとまらず、まっすぐが強くても狙った形になりにくいので、CからSに当てはまらない方はセルフカットは避けたほうがいいです。
濡らして切る、はリスキー
これも髪質に関わりますが、髪が濡れている時と乾いている時では、ウェーブ具合やクセの出具合が違います。濡れたまま切ると、乾かした時に大きな誤差が出ます。
必ず乾いた髪を切るようにしましょう。
切り方の説明が少ないものは注意
当然ですが美容師がセルフカットをすると、手捌きがプロのやり方になります。
右手でクシでといて、クシで引っ張って毛束を引き出して、左手の人差し指と中指で毛束を挟んで、クシを左手の親指の付け根で挟むように持ち替えて、ハサミを構えて、挟んだ指に沿わせて切る。
美容師にとっては当たり前の動作ですが、素人にはできません。
この一連がスムーズにできないと、切った髪の長さはガタガタになります。ハサミで切る動作は、反復練習した美容師の賜物です。
美容師さん、美容学生の頃はできなかったでしょ?これはひたすら反復練習した美容師の手捌きです。
なので、できればそういった切り方をしていない動画を探しましょう。
そして、次の項目も素人にはできないんです↓
持ち上げて切る動作はリスキー
美容師は、髪を持ち上げて切りますよね。美容師は、持っている毛束がどうやって切れるのかを必ずイメージしています。
具体的に図にすると、
図上のように、頭に対して毛束の真ん中(緑)が90度になるように引っ張って切ると、二等辺三角形になるので上と下が同じ長さになります。
図下のように、頭に対して毛束の上(赤)が90度になるように引っ張って切ると、直角三角形になるので下が長くなります。
この方法は、正確に引っ張らないと法則通りに切れないし、さらに頭は丸いので、より複雑に作用します。
なので、できれば「この角度に引き出す」といった切り方をしていない動画がよいでしょう。
あえて勧めるなら前髪
この記事は実験的に有料にしたものの、僕にはまだ早かったようです。ですが、失敗しにくい切り方であることを保証します。興味が湧いた方は読んでみてください。
見える範囲だけやりましょう
すでにセルフカットをしていて味をしめた方もいるかと思いますが、後頭部をを切るのは、美容師である僕にもできる自信がありません。
基本的には鏡に見える範囲に留めることをお勧めします。
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ではまた。
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