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かぞくの話

自分の両親のような夫婦になりたい、という話を聞きました。その場にいた人がぽつりぽつりと自分の両親について話す中、私は何も言えなかった。家族観について少し考えてみました。

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私の家族は5人。父・母・3姉妹の長女として育ちました。両家にとっての初孫であり、25年間いとこもいなくて(最近生まれた)、それはそれは愛情たっぷりに育ちました。すごく恵まれていたと思います。欲しいものを我慢した記憶がない。疑問も抱かずバレエとピアノに10年ずつ通い、私立の大学に通い、学費も留学費用も出してもらってなに不自由ない暮らしをしていました。

海外旅行も家族で5回以上は行ってるのかな。父方の家族は海外志向が強く、アメリカに住む親戚がふたり、祖父は定年を過ぎてからも度々アメリカやオーストラリアに渡り、よくわからん外国人(親戚のパートナーやその孫たち、仕事関係の人)が家に泊まりに来る、海外から贈り物が届くことが度々ありました。

裕福自慢がしたいわけではなく、私の家族がお金に困らず生活できていたのは母の家計管理力のおかげでもあります。業務スーパー大好き。パシオス大好き。自分のことは後回しで周りの人のほしいもの、やりたいことを優先するような母です。

でもね、うちの家族はどこか歪んでいるな〜とも思っていて。「両親が周りに自慢できるか」「両親にすごいねと認めてもらえるか」を判断基準に置いていた長女。みんなのバランスを取り、自分の意見を抑え込む次女。本やアニメの世界に入り込み、どこか諦め癖のついている三女。みんな好き勝手やりつつも、みんな違ってみんな自信がない。

大人になって、父母を一人の人間として見るようになり、気づくことがたくさんあります。たぶん父は頑固で不器用で、自分を大きく見せて、認めてもらいたい人。物知りで責任感のある、優しい父なのだけど。たぶん母はコンプレックスを抱え、周りの目を気にする人。日常に楽しみを見つけられる、天真爛漫な母なのだけど。父は「自分の生きてきた安心安全な道を歩みなさい」、母は「自分のような苦い経験はせずに安定な道を歩みなさい」と思って、少し干渉気味に娘たちに接してきたのだろうなと思います。

改めて言うけれど、私は自分の家庭環境に感謝をしていて、本当に恵まれていると自覚しています。だけどどこか、うちの家族は満たされない自分を他の人で満たそうとする不健全さを感じます。

もし私が家庭を作るとしたら、どうしたいんだろう。ひとりひとりの世界を大切にしながらも、憩いの空間が家庭であってほしい。パートナーとは、ありのままの姿を受け入れ合って、仕事や趣味や他の活動など好きなことを応援しあい、癒し合ってエネルギーを補給し合う関係でありたい。ふたりでいると世界が広がり、新たな経験へ一歩を踏み出せる関係性が築けたらいいな。子どもたちには、自分が幸せに生きる選択をすること、みんなちがうこと、恩送りをすることを伝えたい。子どもたちから学ぶ両親でありたい。一緒に広い世界を経験できる家族でありたいな。

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もうすぐ26歳、母が私を産んだ歳。周りと比べずに自分の幸せの形をつくっていけますように。

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