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ふたつの恋人

カネヨリのライブは何回も行ったが今日ほど熱いライブは初めてだと思う。興奮覚めやらぬうちにこれを書き上げたい。

カネヨリマサルの「太陽に近づくツアー」、今日は中止となった10月の振替公演だった。


まず登場したのは対バン相手のKALMA。北海道出身の3人が奏でる音楽は、一音目から今日が最高の日になることを予感させた。KALMAは数曲しか知らず大丈夫かなと思っていたが、気づいたら拳を挙げていたし野郎たちがダイブしていた。カネヨリマサルでダイバーが発生することなんてないから、カネヨリのファンは驚いたことだろう。

MCではボーカル畑山悠月が、カネヨリマサルへの感謝と、今回のツアー名「太陽に近づくツアー」について“カネヨリマサルは自分たちにとって太陽のような存在”と話した。中止になってしまったが、楽しみが先延ばしになって嬉しかったと言い、対バンの本来の意味である対決をしてカネヨリも良いライブをしたいと話していたのが印象的だった。あと、最近カネヨリのメンバーが垢抜けて可愛くなってると言っていて首がもげるほど頷いた。MCで思ったよりフロアが盛り上がらず、大阪出身の人は笑いに肥えてるんだよな、道産子はダメってこと?と不貞腐れる姿はなんか可愛いらしく感じた。

「やばい押してる」と言いつつもフロアを沸かせ曲をこなしていく。途中、最前の人に「カネヨリ見たくて最前いたのに、ダイバーいっぱいでごめん」と謝る場面も。結局その人にマイクを持たせて床に這いつくばってギターを弾いていたが、そんなバンドマン初めて見たので笑ってしまった。「あと1分しかないけど、最後やりたい!3分くらいの曲!いい?」と舞台袖のカネヨリに確認を取る姿が、軽音部の年上の、先輩とわがままな後輩に見えて微笑ましかった。最後は3分押しで終了。謝りながらも「この時間が勿体ないんだよな!打ち上げ頑張ります!」と言い残し、逃げるようにはけて行った。


2ヶ月お預けを食らって登場したのはカネヨリマサル。冒頭、KALMAの「恋人」をカバーした。続けて「はしる、夜」。ギターソロでは沢山の拳が挙がった。

MCでは延期になってしまったことへの謝罪、振替公演が平日にも関わらず沢山の人が来てくれたことへの感謝、KALMAへの尊敬を話した。ボーカルのちとせみなは、こんなに前のめりになって見てしまうのはKALMAのライブだけと語った。その後のライブはカネヨリのライブとは思えないくらい熱くて激しかった。

「楽しすぎて間違えちゃった!」と話すのはベースのいしはらめい。「平日のど真ん中、仕事とか学校終わりの人多いと思うけど、来てくれて嬉しい。」あ、今日仕事お休みの人もいていいんだよ、とフォロー。誰も置いていかないカネヨリのMCが大好きだ。ドラムのもりもとさなは、「大阪のみんな、ただいまと言っていいですか?ただいま!」と叫ぶ。ちとせはKALMAのMCについて、「悠月くんは私たちのことを太陽と言ったが、私はKALMAのことも太陽だと思っている。今2つの太陽が照らしている。KALMAは明るく照らす太陽なら、カネヨリマサルは夕方とか朝日とか色んな色を見せる太陽だ。」と話した。冒頭にカバーした「恋人」は、以前対バンした際にKALMAがカネヨリの「恋人」をカバーしてくれた時からずっと次は私たちが!と思っていたそうだ。偶然同じタイトルの曲を持つ2つのバンドが、今日ここでライブをしたのは必然だったのではないか。

付き合っていた人と別れる時、最後だと分かってたのに「またね」と言った。「さよなら」と言えなかったと語り、始まったのは「君にさよなら」。ちとせのMCはいつもどこか身近で感情移入してしまう。1年前のこの場所でやったワンマンはコロナ禍で声が聞けなかった。その分今日聞かせて欲しいと始まったのは、「ガールズユースとディサポイントメント」。“オレンジ色のステージの上”という歌詞でステージはオレンジの光に照らされる。私はこの瞬間が1番好きだ。

満員の梅田CLUBQUATTRO。この場所は少し緊張する場所だとちとせは言う。好きなバンドのラストライブ見た場所がここ、修学旅行から帰ってきた脚で向かったのもここ。アンコールの2曲しか見れなかったが、修学旅行よりも心が満たされた。そんな場所でライブをしていること、満員にできたことを誇りに思うと話した。2バンドとも共通して1月に起こった災害に触れた。日本のどこかで不幸な人がいるのに、自分たちが幸せでライブをしていいのか。でも音楽で救われる人もいる。募金でもなんでもいいから自分たちに出来ることをしていこうと畑山は話し、ちとせは、また生きてここで会おうと何度も何度も繰り返した。

アンコールは新曲「ラブソングがいらない君へ」を披露。ラブソングに拘らない、青春ロックを追い求めるカネヨリマサルの大事にしたい曲がまたひとつ増えた。最後は駆け抜けるようにグッドバイ。ステージに寝転んでギターを弾くちとせの姿は、まるで畑山悠月だった。

今年ロックバンドとして新しい顔を見せてくれそうなカネヨリマサルと、これからが楽しみなKALMAのツーマンが私にとってのライブ始めで本当に良かった。

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