落ち込む

引越しが終わった
新しい環境だ

生活音は聞こえるし
通勤はきついだろう
友達はなかなかできないだろう
営利企業だし
スキルアップも簡単にはいかない

こんな状況で、結婚だの家買うだの
頭が回るわけない
自分のことで精いっぱい

不安にさいなまれ過ぎないように
両親は明日帰る
寂しい
分かっていたはずだが
やっぱり直前になるまで感情を予想できないんだ
この癖どうしようもないのか

生きてりゃなんとかなる
自分に失望したくない

慰めにも毒にもなる言葉
みんな懸命に賢く生きようとしている
途方もない人生ゲームを
強制参加させられて

安寧が欲しい
安寧のために努力しているのか
なら安寧が見えたとたん失速する
走り続けるための永久機関が欲しい
底が尽きない無限の貪欲さが欲しい

なぜ立ち止まっている
限界が見えてしまうからか
答え合わせされるのがこわいのか

これまでの行動は衝動的だったといえる
衝動に身を任せないと動けないと思ったから
仕方ないと言い聞かせて

結局、お前は何がしたいのか
この問いに帰ってくる

家族が欲しいのか
能力が欲しいのか
金が欲しいのか
安寧が欲しいのか
刺激が欲しいのか
名誉が欲しいのか

この問いを蔑ろにしたら、いずれまた迷う
あらしにもまれたとき、暗闇に放り出された時
路頭に迷う
一歩が踏み出せなくなる

自分のためだけに生きるのは辛いらしい
少しずつ実感している
自分を変えたい
安寧も刺激もどっちも欲しい
欲張っていたい
1つでも多くの野望をやりきったと、自分で自分をたたえたい
そのために生きるのだ、ということにしている
まだ答えは見えない
その答えを見つけるために
いまは生き永らえなくてはいけないのだ
まだ旅の途中だ
すばらしい先人、才能のある人に出会って、目を覚ましたい
自分の可能性を見届けたい
運命に逆らって、報いてやりたい、過去の自分に
だから今だって、立ち止まってまってられないんだ

通勤がなによ
騒音が何よ
情報をあつめて、賢く立ち回ればよかったのだ
そのスキルがないから、いつまでたっても不安なんだ
不安を見て見ぬ振りしたって、どんどん大きくなるだけだ
できないなら、できるようになればいい
そうやって、強くなっていくんだ
急激にはむずかしい
一歩一歩すすむのだ

急な環境の変化で病むことは分かっていた
経験は生きている
すこしずつでも学んで、賢くなっていけばいいんだ